自殺病棟 with五輪

情報

KP シナリオURL https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=10684081

KP 「君が生きるために、どんな犠牲も支払える?」

このシナリオはKPレスシナリオだ。
グロテスクな描写、残酷な表現、後味の悪いエンドもあるかもしれん。気をつけてくれ。
ホラー要素が多い。まぁこれはCoCだからな。

本シナリオは『死にたくない探索者』限定だ。
『死を拒絶する心』のある探索者ならば大丈夫だろう。
SAN値0ロストは想定されていない。不定も今回は採用しないこととする。不定の狂気となった場合はシナリオ終了後に思う存分発狂してくれ。
探索者の掘り下げにもなるから、継続をおすすめする。
もちろん新規でも歓迎だ。

メイン

KP 野暮ったい前置きは無しだ。
早速始めて行こう。
ーーーーーーーーーーーーーーー

     自殺病棟

ーーーーーーーーーーーーーーー
暗い、暗いどこか。永遠に続く暗闇。

自我すら溶け消えるような黒に塗り込められたそこであなたは揺蕩っていた。

自分という輪郭が溶け消えるような感覚にあなたは自然と恐怖する。

自分は、どうなっているのだろうか。

ここはどこだろうか。

あなたにはわからない。

ただ、意識を支配するのはひとつだけ。
__死にたく、ない。

五輪 蘭太郎 (ここは……どこだろう。真っ黒な、闇の中……?)
(俺は……どうなってるんだ……俺は、誰……だったっけ)
(わからない……自分が消えてしまいそうな、感じがする………)
(怖い……自分が消えるのが、怖い。

……死にたく、ない……)

芥子原 麻人 ふと、確かに。なにかがあなたに触れる。
あなたの首に何か乾いた感触がある。

五輪 蘭太郎 (首に、何かが……なんだ?)

KP あなたがそれを確認しようとすると同時にそれはあなたの首を締め上げ始めた。

五輪 蘭太郎 「……かはッ…、⁉︎」
(首を、締められてる…⁉︎ くる、しい……いやだ、嫌だ……!)

KP 息ができない。苦しい、苦しい。

五輪 蘭太郎 「か、ひゅっ……あ、ぁ゛は……ッ……ッ‼︎」

KP 頭に血がのぼり涎が落ちる。 こひゅーこひゅーと喉が笛のように鳴った。
酷く明確な『死』があなたをきりきりと締め上げる。

五輪 蘭太郎 (いや、だ……苦しい、怖い、助けて、母さん、死んじゃう、やめて……やめて、かあさん……!)

KP __首吊り自殺。そんな言葉が脳裏をよぎるだろう。
それとも、君には他に連想すべき状況があるだろうか。
まぁ、いいだろう。
君は抵抗するかい?

五輪 蘭太郎 「ぁ……じ、に…たく、な゛ぃ……ッ……」

KP 末期の虫のようにもがき、足をばたつかせ、君は強く、闇雲に抵抗する。

と、その瞬間目を覚ました。

五輪 蘭太郎 「…………ッ‼︎‼︎」

KP はっと開かれた視界に入ったのは煤けた天井と点滅を繰り返す蛍光灯だった。
それから、内側から鉄板を打ち付けられた窓。
あなたは気付くだろう、見知らぬ部屋のベッドで寝かせられていることに。
少し身を起こせば右腕に軽い痛み、見るとそこには点滴が施されたあなたの腕があった。
針がその腕に刺さり、チューブを通してあなたに薬品を流し込んでいる。
ベッドサイドが視界に入る、そこに机があるのがわかった。

五輪 蘭太郎 「どこだ、ここ……さっきの、夢……か」
「なんで、点滴なんて……病院に入院した記憶はないっすよ」
「どうして、こんなところに……他の、みんなは……?」

KP 身体を見れば服は入院着に変わっていた。
持ち物は何も無い。
あなたはようやく理解する。

ここは病院、ひび割れた壁などから推測するに廃病院だろう。

ここはどこだ。

突然見知らぬ場所で目覚めたことによるSAN値チェック0/1。

五輪 蘭太郎 CCB<=93 【SANチェック】
Cthulhu : (1D100<=93) > 26 > 成功
「……何か、俺の身にあったのか……大怪我して、病院に運ばれて……その間の記憶が飛んでる、とか……」

KP あなたはここから抜け出そうとして、また気付く。
何故ここにいるのか思い出せない。
ここがどこか分からない。

五輪 蘭太郎 「とにかく……誰か人に会わないと……?」
「あれ…………?」

KP ……いや、それだけではない。
自分が何者なのか、どういう存在なのか。
それも思い出せないことに。
名前も家族も年齢も経歴も、記憶と呼ばれるそれら全てが自分から消え失せている。
自分が崩れ落ちるような感覚を覚えたあなたはSAN値チェック1/1d3。

五輪 蘭太郎 CCB<=93 【SANチェック】
Cthulhu : (1D100<=93) > 94 > 失敗
1d3
Cthulhu : (1D3) > 1

system [ 五輪 蘭太郎 ] SAN : 93 → 92

五輪 蘭太郎 「俺は………おれ、は………ぁ……?」
「何も……思い出せない………名前……なんだっけ……?」
「くそっ…!」

KP __それでも帰らなければ。

帰る場所などあるか、わからないが。

情報

KP >ベッドサイドの机を調べる。
>点滴を調べる。
>窓を調べる。
>ベッドを調べる。
>部屋を出る。

メイン

五輪 蘭太郎 「帰らないと……」
「何か、手がかりを、探さないと……」

KP >ベッドサイドの机を調べる。
ベッドサイドにある木の机は壊れかけている。また、その上には一枚の便箋が乗っている。

情報

便箋 おはよう、気分はどうかな。
君を手術室で待っているよ。
一番最後の部屋にいる。
時間はたくさんあるからゆっくりおいで

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

と書かれている。
ワープロのような字だが、手書きだ。
もちろんあなたはこの筆跡に見覚えなどない。

メイン

五輪 蘭太郎 「一番最後の、手術室か」
(まずはそこに、行ってみよう)

KP >点滴を調べる。
点滴スタンドにはキャスターがあり、点滴をされたままでも十分移動できそうだ。
あなたに流し込まれる点滴は淡い青色をしている。
それは光の角度によってかすかに色を変えた。青から赤へ、それから白へ。
一種の幻想的な光景だが、その奇妙な薬品が君の身体に流し込まれているというのは、恐しくはないか?
SAN値チェック0/1をふってくれ。

五輪 蘭太郎 CCB<=92 【SANチェック】
Cthulhu : (1D100<=92) > 88 > 成功
「なんだこの薬……」

KP 点滴針はガーゼやらで固定されている。
何故か剥がそうとしてもそのガーゼは剥がれない。
針を抜くことは出来ないだろう。

五輪 蘭太郎 「剥がせない? なんて粘着力してるんだよ」
(これ以上やったら、自分の皮膚…いや肉ごと剥がれそうっすね……)

KP >窓を調べる。
窓は鉄板でしっかり塞がれている。
君は鉄板の端を掴んだり、あるいは叩いたりして突破を試みるが、壊すことは出来ないだろう。
壁も古びてはいるが丈夫そうだ。壊すことは諦めた方がいい。

君は、確かに廃病院の一室に閉じこめられていた。

五輪 蘭太郎 「……!この鉄板、すごく分厚くて、頑丈だ……壁も……ここは、普通の病院なのか?」

KP >ベッドを調べる。
君が寝かせられていたパイプベッドだ。
清潔そうな白いシーツがかけられている。
毛布などはない。
シーツは真新しいがそれ以外は古びている。

ここには目星が可能だ。

五輪 蘭太郎 「シーツは綺麗だけど、毛布はないのか……どうしてだろう」
「これじゃあ、患者さん、風邪ひいちゃうっすよ」
CCB<=96 【目星】
Cthulhu : (1D100<=96) > 39 > 成功

KP 君は、シーツの下に違和感を覚える。

五輪 蘭太郎 「ん?このシーツの下、違和感が……何か挟まってるっすか?」
「メモだ……くちゃくちゃにされてる」

KP 君はシーツの下に違和感を覚える。
まさぐってみればそこから出てきたのは一枚のメモ用紙だった。
握りつぶされているが広げれば読めそうだ。
>読む

情報

メモ 開いたそのメモはぐちゃぐちゃに塗りつぶされている。
なにか書いてあったのだろう、しかしもう読むことは出来ない。
ただ狂ったように黒く、執拗に上から塗りつぶされていた。ぞわりと恐怖心が這い上がる。

メイン

KP SAN値チェック0/1をふってくれ。

五輪 蘭太郎 CCB<=92 【SANチェック】
Cthulhu : (1D100<=92) > 36 > 成功
「なんだこのメモ、ぐちゃぐちゃで読めないじゃないっすか……」
(メモを書いた本人なら、なんて書いてあるかわかるかな。誰か会えたらいいんだけど)

KP >部屋を出る。

君は君以外の誰かを探して、部屋を後にすることにした。
部屋を出ようと、君は扉へ手をかける。
冷たいドアノブの感触が指先を刺激すると同時に、凄まじい恐怖が君を貫いた。

五輪 蘭太郎 「……ッ‼︎」

KP 誰かが後ろにいる。

五輪 蘭太郎 「は……、ッ⁉︎」

KP はくはくと口が開き、声が張り付く。
心臓が焦るように鳴りだした。
歯の根が合わず、がちりと奥歯が音を立てる。
すっと冷たくなる指先はドアノブのせいだけではないだろう。
怖い怖い怖い怖い。

__死にたくない。

五輪 蘭太郎 「……ッ」
(なんだこの、恐怖……?怖い…おれは死ぬのか…?)
(いやだ……怖い、死にたく、ない……!)

KP 君はそんな恐怖に襲われる。
しかし、首が勝手に曲がる。
逃がさないというように。
あなたはゆっくりと振り返ってしまう。

五輪 蘭太郎 (く、首が勝手に……!)

KP __そこにいたのは紛れもない『自分』だった。
全く同じ顔、同じ服、同じ背丈、同じ身体をした『自分』。

五輪 蘭太郎 「え………っ?」

五輪 蘭太郎 …? 「…………」

KP ただ、その手首はぱっくりと裂けてどぽりと血を溢れさせている。
赤い肉が良く見えた。

五輪 蘭太郎 「お、れ……?」

KP そう、君だ。それが君の姿だ。覚えているかな?

その肌は和紙のように白く、死人そのもの。
その手には血で汚れ、銀の刃をくもらせたカッターが握られている。
ただ血だけが赤く、それはどろついた鉄錆の匂いであなたの肺を満たす。

五輪 蘭太郎 「あっ……それ、は………カッターで、手首、を……?」
「……血が……はやく、はやく止血しないと、死んで、しまう……」
「母さん……ああ……!」

KP ああ、よくない過去の出来事を想起してしまったようだね。真っ赤な浴槽で、腕から血を流して死んでいた母親の姿でも重ねたかな。
だが、安心するといい。今目の前にいるのは、「君」自身なのだから。
その傷で、生きていられるわけがない。
その傷は死者のものだった。
それなのに『自分』は立っている。
『自分』の目が君を捉えた。

そこに満ちるのは、明確な、冷たい殺意だった。
SAN値チェック1/1d6+1をふってくれ。

発狂した場合、内容は決めなくて良い。
そのまま進むこと。

五輪 蘭太郎 CCB<=92 【SANチェック】
Cthulhu : (1D100<=92) > 2 > 決定的成功/スペシャル

KP おやおや、それじゃあ君は気丈にも持ち直したわけだ。天晴じゃないか。
クリチケを増やしておいてくれ。

system [ 五輪 蘭太郎 ] SAN : 92 → 91
[ 五輪 蘭太郎 ] CT : 1 → 1

KP その『自分』はぼたぼたと血を流してそこに立っている。
その手からカッターが滑り落ちた。
その凶器はくるくると滑り、君の足に触れる。

かたん、と軽い音がするだろう。

五輪 蘭太郎 「………」

KP 君はそれを拾い上げる。
自分の意思であろうとなかろうと、血に濡れたそれを。
ぽたりと糸を引いて血が落ちる。
そして君は、君の手は、君自身の意志とは関係なしにその刃を君の手首に押し当てる。

五輪 蘭太郎 「……な…っ⁉︎」

KP このまま手を引けば君の手首は『自分』と同じように裂けるだろう。
君の力なら間違いなく、致命的だ。
__冷たい、刃の感触が君に理性をもたらす。
さて。
手首を切らないように抵抗する場合は成功値50%で1d100を一度だけ振る。
振らないという選択もできる。
ただし、発狂してる場合は強制で1d100を振って抵抗すること。
このダイスロールが終われば発狂は終わって良い。
失敗回数を記録すること。

五輪 蘭太郎 「……!手が、勝手に…!」
(冗談じゃ、ない…ッ!)
CCB<=50 【抵抗】
Cthulhu : (1D100<=50) > 73 > 失敗

KP あなたの手はあなたの意思とは関係なく、手首に刃を滑り込ませる。

五輪 蘭太郎 「……っく、うぅ…!」
(くそっ、なんで止まらないんだよ!)

KP 冷たい金属が君の肉を割って入り込む、どぽりと熱い血が溢れる。
ぶちぶちと筋肉や神経が切れる感触が君を焼く。

五輪 蘭太郎 「いっ……!痛い、痛いって!……止まれっ、この……!」

KP 痛い 痛い 痛い 痛い 痛い
そう思うのに君の手は、ずぶずぶとカッターを手首に沈めていく。

五輪 蘭太郎 「ああっ…!あああああッ……⁉︎……なん、で…?」

KP ぬるりとした血が君の服を、身体を汚していく。
鈍い痛みと共に君は床へ倒れ込む。

五輪 蘭太郎 「……どう、して…………………おれ、まだ…………」
「しにたく……ない、のに…………」

KP 冷たい床が燃えるような痛みを際立たせる。
かつ、と足音がした。

五輪 蘭太郎 「…………ぅ……?」

五輪 蘭太郎 …? 「…………」

KP 痛みで朦朧とする意識の中で『自分』が君に手を伸ばすのが、見える。
__君は、たしかに死んだ。
………
……

__君は意識を取り戻す。

五輪 蘭太郎 「……ん…?」

KP ふと、身を起こせばそこに痛みはなかった。手首には傷もない。
血で汚れ切っていたはずの服や身体も元通りだ。
あの『自分』もいなくなっている。
いつもの君の身体がそこにはあった。
ただ、君は確かに覚えている。

五輪 蘭太郎 「……生きてる…?」
「でも……あのとき、確かに俺は……死んだはずだ…」

情報

KP ★抵抗失敗…1

メイン

KP 自分があの時、確実に死んだことを。
SAN値チェック1/1d4+1をふってくれ。

五輪 蘭太郎 CCB<=91 【SANチェック】
Cthulhu : (1D100<=91) > 79 > 成功

system [ 五輪 蘭太郎 ] SAN : 91 → 90

五輪 蘭太郎 「……さっきのは、悪い夢……っすか?」
(あいつも、いなくなってる……なんだったんだろう)

KP 君はふと気が付く。
ここは先程までいた部屋ではない。
よく似ているが、別の病室だ。
背後には扉があり、それは君が先程手をかけたものとよく似ている。
無意識のうちに隣の部屋へ逃げ込んだのだろうか。

五輪 蘭太郎 「……開かない……?」

KP 入ってきたであろう扉に手をかけると鍵がかかっていた。
もう戻れないだろう。

五輪 蘭太郎 「進むしか、ないみたいっすね」

KP くるりと部屋を見ればそこは最初にいた病室と置かれたものは大して違いのない病室だ。
鉄板で塞がれた窓、ベッド、点滴スタンド、そして入ってきたのとは別の扉がある。

五輪 蘭太郎 「……なんだ、この部屋……この、有様は…」

KP ただ、そこは異常だった。
ベッドの枕が引き裂かれシーツはぐちゃぐちゃ、テーブルはひっくり返され、何度も壁を殴りつけたのかスタンドはぐにゃりと歪み、壁には傷がついている。
その何かが暴れ回ったような部屋の後に君はひどい恐怖を覚える。
頭の中で声が響く。
これは、紛れもない自分の声だ。

noname __死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない。

KP それは君の心拍をゆっくり止めるような、鮮明すぎる死への恐怖だった。
SAN値チェック1/1d3をふってくれ。

五輪 蘭太郎 CCB<=90 【SANチェック】
Cthulhu : (1D100<=90) > 54 > 成功

system [ 五輪 蘭太郎 ] SAN : 90 → 89

五輪 蘭太郎 「……っ」
「……いやだ」
「死にたく、ない……」

KP __いやだ、死にたくない。
……
冷たい空気がいくらか君に理性をもたらす。

あぁ、帰らなければ。

帰る場所など、あるかわからないが。

情報

KP >ベッドを見る。
>点滴スタンドを見る。
>テーブルを見る。
>部屋を出る。

メイン

五輪 蘭太郎 「帰りたい……」
「でも……どこに……?」
「おれは、どこに帰れば、いいんだっけ……」
「……探さないと」

KP >ベッドを見る。
ベッドは酷い有様だ。
シーツは所々破けており、枕から綿が溢れている。
目星が可能だ。

五輪 蘭太郎 (誰が、こんなことを)
CCB<=96 【目星】
Cthulhu : (1D100<=96) > 26 > 成功

KP 君はその溢れた綿の下からメモを見つける。ぐしゃぐしゃになったメモを。

五輪 蘭太郎 「また、メモ……」

KP 君はそのメモを開く。
そこには歪んだ文字が詰め込まれていた。

情報

ぐしゃぐしゃのメモ 嫌だ嫌だ死にたくない死にたくない死にたくない奪わないでまだ、いやだ殺すな忘れたくない自分が自分で、だから、確かに。死にたくない死にたくない

メイン

五輪 蘭太郎 「これは……え?この文字は……おれ、の…?」

KP びっしり狂ったようにそう書かれている。
震えるその文字に君は確信する。
これは、自分の文字だと。
狂気を感じるそれを目にした君は、SAN値チェック0/1だ。ふってくれ。

五輪 蘭太郎 CCB<=89 【SANチェック】
Cthulhu : (1D100<=89) > 10 > スペシャル

KP ここに、これ以上の情報はなさそうだ。

五輪 蘭太郎 「こんなもの、書いた覚えは……まるで、気が狂ってる……」

KP >点滴スタンドを見る。
点滴スタンドはひしゃげて倒されている。
そこにはメモがはられていた。

それはワープロに似た手書きの文字でこう書かれている。

文字 『名も記憶もなくても。それでも君が君であるその理由は何?』

KP その文字を見た瞬間、君はその質問に答えなくてはいけないという思いに駆られる。

こたえなくては、この質問に。

五輪 蘭太郎 「それは……おれが、ここにいて、存在しているから。……生きて、いるからだ」

KP ……それに答えると君の『答えなくては』という思いは消えるだろう。

あれはなんだったのだろうか、だが、もう不調はない。

点滴スタンドにこれ以上の情報はなさそうだ。

五輪 蘭太郎 「なんだったんだろう……」
「でも、そうか……名前もなにもわからなくても、おれはここにいていいんだよな……」
「……本当に?」

KP >テーブルを見る。
テーブルの周りにはその上に置かれていたであろう資料が飛び散っていた。
『自殺の定義』と書かれている。
テーブルに近付いた君はそれが目に入るだろう。

五輪 蘭太郎 「自殺……」
(自殺は、いけないことだ……あの人が、おれにそう言って……)
(……あの人って、誰だっけ。どうして、自殺しちゃいけないんだったっけ)

KP 『自分で自分を殺すことを自殺という』
『自殺は様々な方法がある』
『首吊りは一般的』
『苦しまない死に方が好まれる』
『自らの命を自分で絶つことは自殺』

そのような文字が、君の目に入るだろう。
また、ひとつ隅に書かれた文字を見つける。
ワープロに似た手書きの文字だ。
『君が君を殺すのも、ひとつの自殺と呼べるのかな』
……資料は破られたり踏みつけられたりしており、これ以上読むことは出来ない。

五輪 蘭太郎 「……行かないと」

KP >部屋を出る。
君は部屋を出ようとする。
すると、ふと風を感じるだろう。
窓も何も無いこの密室から。
不思議に思って振り返れば、窓が開いていた。
外は真っ暗で良く見えない。
鉄板はなく、ただ窓が開かれている。

五輪 蘭太郎 「!…あそこ、鉄板がない……!」

KP 出られるかもしれない、そう思ったのかどうなのか。君はそこにふらりと近寄る。

確かに君はそれに近寄ってしまう。
そして、君は見てしまう。

五輪 蘭太郎 …? 「……………。」

五輪 蘭太郎 「………え?」

KP 音もなく落ちてきたそれは、確かに『自分』だった。
飛び降り自殺、そんな言葉が君の脳裏によぎる。
ただ真っ直ぐに、逆さになってその『自分』は落ちていく。
落ちた先が何であっても確実に死ぬだろう。
『自分』はすぐ目の前を落ちていく。
そして、その目が君を捉えた。
その殺意を強くみなぎらせた目が。
 
自殺する自分をみた君はSAN値チェック1/1d4+1だ。
発狂しても内容を決めずに次へ進むこと。

五輪 蘭太郎 CCB<=89 【SANチェック】
Cthulhu : (1D100<=89) > 17 > スペシャル

system [ 五輪 蘭太郎 ] SAN : 89 → 88

五輪 蘭太郎 …? 「…………」

KP その『自分』は君に指を伸ばす。
君を道連れにしようと。
その指が君に迫る。
迫る。
指を避ける場合は成功値50%で1d100を一度だけ振る。
振らないという選択もできる。
ただし、発狂してる場合は強制で1d100を振って避けようとすること。
このダイスロールが終われば発狂は終わって良い。

五輪 蘭太郎 「……!」
CCB<=50 【指を避ける】
Cthulhu : (1D100<=50) > 38 > 成功

KP 君はその指を避けることが出来た。
それは空をよぎり、憎々しげな目をした『自分』はそれを最後に窓枠の外へ消える。

五輪 蘭太郎 …? 「っ…………」

芥子原 麻人 それからすぐに







ぐしゃり


と、濡れた音が響いた。
骨が砕け、肉が飛び散り潰れる音。
目の前で確かに『自分』の死んだ音を聞いた君は、SAN値チェック1/1d2をふってくれ。

五輪 蘭太郎 CCB<=88 【SANチェック】
Cthulhu : (1D100<=88) > 97 > 致命的失敗
1d2
Cthulhu : (1D2) > 2

system [ 五輪 蘭太郎 ] SAN : 88 → 86

KP ここで致命的失敗か…自分の死に様はこたえるかい?

五輪 蘭太郎 「…………死ん、だ……?」
「おれが、指を、避けたから……?」
(けど……あのままだったら、俺も道連れになってたはずだ…)
(おれは死にたくない……だから、見殺しに……)

KP 君は安堵するかもしれない。
警戒しているかもしれない。
探索しようと何かに手を伸ばすかもしれない。
そして、見てしまう。
窓枠にかかる  指。
血でぬるりと光るそれは、おかしな方向に折れ曲がっている。

ぐじゃ、と肉が擦れる音がした。

五輪 蘭太郎 「は、……⁉︎」

KP 窓の外からずるりと這い出たそれは頭部が砕け、全身から肉をはみ出させ、ひどい鉄の匂いに塗れ、潰れた『自分』だった。

五輪 蘭太郎 「う、ぁ………」

KP どう考えても死んでいる。

死んだ自分を見た君はSAN値チェック1/1d6+1をふってくれ。
発狂した場合は強制で『その場からの逃走』となる。

五輪 蘭太郎 CCB<=86 【SANチェック】
Cthulhu : (1D100<=86) > 48 > 成功

system [ 五輪 蘭太郎 ] SAN : 86 → 85

五輪 蘭太郎 「……ッ、ゾンビ映画かよ……!」

KP 『自分』はそんな状態でも確かに君に手を伸ばす。
潰れてぐちゃぐちゃの肉に化したその身体を引きずって。

五輪 蘭太郎 …? 「………、……、…………」

五輪 蘭太郎 「うっ……ぐ、ぅうっ……!」

KP 君は咄嗟に逃げ出す。
吐き気を催す口元を抑え、その身を翻し、もうひとつの扉へ飛び込むだろう。
それを閉めればがちゃりと鍵のかかるような音がした。

もう、あの『自分』がおってくることは無いだろう。
………
……

ふと、あたりを見ればそこは先程までいた病室とは違う部屋だった。
薄暗い部屋には扉のついた棚がいくつもある。
その中には瓶がいくつも込められていた。
ボロボロのパイプ椅子もひとつ、部屋の中央にある。
また、紙がくしゃくしゃに詰め込まれた小さな本棚もある。
扉は二つあり、『病室』とプレートがかけられた扉はあかない。
もうひとつの扉にはなにもかかれていない。

五輪 蘭太郎 「……はぁはぁっ、はぁっ……、」
「ここは……今までの病室と、様子が違うっす…」

KP 帰らなくては。
帰る場所などあるかわからないが。

情報

KP > 本棚を調べる。
>パイプ椅子を見る。
>棚を調べる。
>部屋を出る。

メイン

KP > 本棚を調べる。
君は、この場所の手がかりとなる資料を求めて、本棚に近づいた。
棚にはくしゃくしゃの紙が無理やり押し込まれている。
ちらりと見ても理解できない言語でなにやら書かれているだけだ。

ここには図書館が可能だ。

五輪 蘭太郎 CCB<=65 【図書館】
Cthulhu : (1D100<=65) > 97 > 致命的失敗

KP やれやれ。どうしたものかな。こうしよう。
本棚を探っていたそのとき、君は床に落ちていた紙に足を滑らせ、とっさに本棚を支えにつかんでしまう。
君は体格に優れていて、体重もそれなりにあるだろう。するとどうなる?
本棚の方がバランスを崩して、君の方に倒れ込んできた。
本棚に潰されて圧死。そんな言葉が君の脳裏を過るだろう。
回避をふってくれ。

五輪 蘭太郎 CCB<=70 【回避】
Cthulhu : (1D100<=70) > 43 > 成功
「ッ‼︎……あぶなかった…!」
「前にも……こんなことがあったような……」
「どこで、だっけ……?」

KP お見事。
君はすんでのところで倒れる本棚を避けた。ひどい轟音が響き、埃が舞い立つ。

君の手には、いつの間にか一枚のメモが握られていた。
少し握りつぶされているものの、広げれば読むことが出来そうだ。

情報

握り潰されたメモ そこには少し震える文字が綴られていた。

迫ってくる、忘れていく。こないでこないでこないでこないで。治るだろうか。こわい。自分が自分ではなくなるから。その前にいっそ。そんな

これ以上は文字の震えが大きくなり読めない。
君は確信する。この字は、君自身のものだ。
ぞわりと恐怖が何故か這い上がる。

メイン

KP SAN値チェック0/1をふってくれ

五輪 蘭太郎 CCB<=85 【SANチェック】
Cthulhu : (1D100<=85) > 66 > 成功
「忘れる…?やっぱり、おれは自分のことを、忘れているんだろうか……何かの病気にかかっていたのか……?」

KP これ以上の情報はなさそうだ。
>パイプ椅子を見る。
パイプ椅子はスポンジが剥き出しになっており、ところどころ錆び付いている。
その上に便箋が1枚乗せられている。

便箋 『君が生きているということは、君が生きているということ。何を犠牲にしても生きていたい?』

KP そこには、ワープロに似た手書きの文字でそう書かれていた。
君はこの問いを見た瞬間にこの問いに答えなくてはという感覚に襲われる。

五輪 蘭太郎 「……生きていたい……けど。誰かが犠牲になるのは、嫌だな」

KP 君はその質問に、答えを返す。
君が答えたその瞬間、ふとその感覚が消えた。

なんだったのだろうか。

だが、もう不調はない。
>棚を調べる。
君は不可思議な感覚を引きずったまま、棚に近づいた。

その棚には大小様々なガラス瓶が収められていた。
薄らと埃が積もっている。
そこにはラベルも貼られているもののどれも擦り切れて読めない。
どれも空っぽであり気になるものは特に見当たらない。

ただ、棚の扉の隅に小さな文字で『調薬室』と書いてあるだけだ。

五輪 蘭太郎 「空っぽの瓶ばっかりだ。……ここは、調薬室だったんすね」
「先輩が、俺にくれた薬も、この中に……」
「……先輩……先輩は、どこに……?」

KP 君の先輩は、どこにいったんだろうな。
記憶に足跡すら残さない面影を求めて、君は部屋を出ていこうとする。
>部屋を出る。
君は部屋を出ようと扉に向かう。
すると、こつんと足に何かが触れた。
見るとそれはコルクで蓋をされた小瓶だった。
さっきまでなかったはずなのに。

五輪 蘭太郎 「……こんな小瓶、あったっけ」
「棚に、戻さないと……?」

KP 君はそれをつい持ち上げてしまう。
その中にあったのは、口や耳から血を流して薬品の中に倒れ込む小さな『自分』の死体だった。

ごぼごぼと血を吐き出す自分のその真っ赤な目が君を見る。

その肌は変色し、目は充血どころか血を流している。

ありえない量の血が溢れている。
__服毒自殺。

そんな言葉が脳裏をよぎった。
すぎた薬は毒にすぎない。誰かが君に言ったかもしれないな。ふふ……

SAN値チェック1/1d6+1をふってくれ。
発狂した場合は発狂内容を決めずに次へ進むこと。

五輪 蘭太郎 CCB<=85 【SANチェック】
Cthulhu : (1D100<=85) > 73 > 成功

system [ 五輪 蘭太郎 ] SAN : 85 → 84

五輪 蘭太郎 「なんだ……これ。俺が、中にいる……?」
「毒で、死んでる……いや、自殺したのか……?」

KP こぷ、と瓶の中の薬品が揺れた。
血で赤く染ったそれはたぷりと『自分』と共に揺れる。
するとあなたの指が勝手に伸び、そのコルク栓を外した。
あなたの意思がどうであろうとあなたの手があなたの唇に瓶を近づける。
刺激臭がする。あなたは本能的に理解する。

これは、毒だ。飲んだら死ぬと。

五輪 蘭太郎 「……っ、ま、て…また、勝手に……!」
「違う、おれは、おれは死にたくない……くそっ」

KP 瓶の中身を飲まないように抵抗する場合は成功値50%で1d100を一度だけ振る。
振らないという選択もできる。
ただし、発狂してる場合は強制で1d100を振って抵抗すること。
このダイスロールが終われば発狂は終わって良い。

五輪 蘭太郎 CCB<=50 【毒を飲まない】
Cthulhu : (1D100<=50) > 22 > 成功

KP 君はその瓶を反射的に投げ捨てる。




やけに澄んだ音とともにそれは砕けた。
小さな『自分』にその破片が突き刺さる。
その『自分』は二つに裂けた。

五輪 蘭太郎 …? 「………」

KP あまりに柔らかに、中身をぶちまけて。
それでも、まだ。
まだずるりと身を起こす。

五輪 蘭太郎 「……げほっ!?」

KP その瞬間君は強い息苦しさを覚えた。
毒がじゅうじゅうと音を立てて気化するのがみえる。
君は必死で扉を開き、次の部屋に飛び込むだろう。

五輪 蘭太郎 (このままここにいたら、死ぬ…!)
(死にたく、ない…)

KP その部屋に入った瞬間、かちゃりと扉から音がした。
鍵がかかったようだ。
あの毒が扉の隙間からはいる気配もない。
助かった。そう思えた。

五輪 蘭太郎 「はっ、はっ……たす、かった?」

KP ………
くるりとあたりを見渡せばここはどうやらレントゲン室のようだ。
床には何枚ものレントゲン写真がばらまかれ、撮影用の台がある。

また、錆び付いたパイプ椅子がぽつんと置かれている。

情報

KP >レントゲン写真を調べる。
>パイプ椅子を見る。
>部屋を出る。

メイン

五輪 蘭太郎 「ここは、レントゲン室か。散らかり放題っすね……」

KP >レントゲン写真を調べる。
床に何枚も積み重なるようにして落ちているレントゲン写真だ。
どれも同じ人のものなのか、似たような骨格をしている。
しかし、そのどれもが異常だった。

五輪 蘭太郎 「?……なんだ、これ……」

KP 首が折れている、
全身の骨が砕けている、
こめかみに穴が空いている、
頭の上半分が砕けている。

こんなふうに骨が折れていたら生きていられないだろう。
まるで死体のレントゲンのようだ。

五輪 蘭太郎 「これ……こんな傷で、生きていられるはずがない…!」

KP そして、なんとなくだが。
気のせいかもしれないが。

自分の体格とこのレントゲンの骨格が似ているように思える。

五輪 蘭太郎 「っ……」
「違う……気のせいだよな?」

KP 漠然とした恐怖に襲われた君はSAN値チェック0/1だ。

五輪 蘭太郎 CCB<=84 【SANチェック】
Cthulhu : (1D100<=84) > 39 > 成功

KP ここには目星が可能だ。
CCB<=96 【目星】
Cthulhu : (1D100<=96) > 40 > 成功
君はそのレントゲン写真の中から1枚のメモを見つける。
折りたたまれており、広げれば読むことが出来そうだ。

五輪 蘭太郎 「……」

情報

メモ 君はそのメモを広げた。そこには


忘れていく忘れていく。ひとつ見つけた。病院なら、ここなら。きっと治る。生きていたい。死にたくない


ただそれだけが書かれていた。
君は確信する。
この字は、君自身のものだ。
ぞわりと恐怖が何故か這い上がる。

メイン

KP SAN値チェック0/1をふってくれ。

五輪 蘭太郎 CCB<=84 【SANチェック】
Cthulhu : (1D100<=84) > 70 > 成功
「やっぱり、俺のメモだ……この筆跡は、俺の字だ。そうだよな……」
「何も、思い出せない……」

KP >パイプ椅子を見る。
パイプ椅子は錆び付いており、中のスポンジがはみ出ている。
その上には便箋が乗っていた。

便箋 『君が生まれたの偶然なのに。それなのに、君はなぜ君であることに執着する?』

KP そこには、ワープロに似た手書きの文字でそう書かれていた。
君はこの問いを見た瞬間にこの問いに答えなくてはという感覚に襲われる。

五輪 蘭太郎 「生きて、考えられてるなら……俺は、そこにいるから」
「俺は、俺であることを、失いたくない」

KP ……君はその質問に、答えを返す。
君が答えたその瞬間、ふとその感覚が消えた。
なんだったのだろうか。
だが、もう不調はない。

五輪 蘭太郎 帰らないと。
部屋を出る。

KP あなたが部屋を出ようとする。
すると突然、右手に重みを感じた。

五輪 蘭太郎 「…………⁉︎」

KP 驚いてそちらを見ると、

いつの間にか、手には黒光りする拳銃が収められていた。

五輪 蘭太郎 「……………拳銃……」

KP 君は手慣れた様子で、弾倉を確かめる。
六発あるうちのひとつしか弾は込められていない。

問題なく使えそうだ。
だが、いつの間に。



SAN値チェック0/1

五輪 蘭太郎 「俺、拳銃なんて、持ってたっけ」
「俺が持ってて、いいものだっけ」
「………いや……俺のじゃ、ないはずだ。持ち主に返さないと……」

KP しかし、移動しようとするも、その扉は開かない。
鍵がかかっているようには思えないのに開かないのだ。

五輪 蘭太郎 「あれ…鍵、かかってないのに、なんで」

KP ふと、強く濃密な鉄錆の匂いがした。
どろりと鼻腔に入り込むそれに身の毛がよだつ。
かとんと音がする。

目線を向けた先、レントゲン撮影用の台、そこから身を起こしていたのは紛れもなく『自分』だった。

同じ顔に同じ身体をした『自分』。

それはどろりと
こめかみから、
右目から、
胸から、
両手首から
血を流していた。

五輪 蘭太郎 …? 「…………」

KP まるで撃たれたかのような穴をそこに開け、血を溢れさせる。

どう考えても生きていられるわけがなかった。

五輪 蘭太郎 「また、俺が……銃で、撃たれて……」
CCB<=40 【拳銃 フレーバー】
Cthulhu : (1D100<=40) > 54 > 失敗
「………ッ⁉︎」

KP 君は銃創によく目を凝らそうとする。しかし、ぽっかりと開いた血を吹き出すその穴をみていると、とてつもない恐怖と罪悪感に身を締め付けられるような心地がした。
しかし、目を逸らしても、君にはわかってしまうんだろう。
__拳銃自殺、そんな言葉が頭をよぎる。
 
『自分』は身を引きずりながら君に近寄ってくる。
血の香りがより濃密になる。

SAN値チェック1/1d6+1。
発狂は内容がそぐわなければしなくてもよい。ただしその場合は追加でSAN値を2削ること。

五輪 蘭太郎 CCB<=84 【SANチェック】
Cthulhu : (1D100<=84) > 48 > 成功

system [ 五輪 蘭太郎 ] SAN : 84 → 83

五輪 蘭太郎 …? 「…………」

五輪 蘭太郎 「う……」
「動くな……!それ以上動いたら、撃つ……!」

KP それでも、「君」は近づくのをやめない。
「君」の死体は、動くのをやめない。

五輪 蘭太郎 「動くな……もう……動かないで……くれ」

KP 君の手には拳銃がある。
逃げ場はない。
自分は近寄ってきている。

__弾は一発。

撃てるのは『自分』と君自身のその身だけ。
ほかの選択肢があろうとも、君の頭に浮かぶ選択肢はたったこのふたつだけだ。
…どうする? 五輪蘭太郎。

五輪 蘭太郎 「あ、ああ……っ!」
(手が震える……なんだ、この恐怖は……今すぐ消えて、なくなってしまいたくなるような、罪悪感は)
(でも、死にたくない。失いたくないんだ。おれは俺を…)
……"俺"が生きるためには、こいつを撃ち殺すしか。
CCB<=40 【拳銃】
Cthulhu : (1D100<=40) > 29 > 成功
俺は引き金を引いた。


血を溢れさせた目の前の『自分』を撃つ。

     ぱぁん
 
 

五輪 蘭太郎 酷く軽い音がした。

その弾は『俺』の頭蓋を砕き、脳髄をあたりに散らしていく。

呆気なく、目の前の『自分』は倒れた。
 

KP ……
どぽりどぽりと血を流し、
それでもまだ指先が君を狙うように蠢いている。
『自分』を撃った。

その事実は確かな重みとして君の首を絞める。

SAN値チェック1/1d6。
発狂は内容がそぐわなければしなくてもよい。ただしその場合は追加でSAN値を2削ること。

五輪 蘭太郎 CCB<=83 【SANチェック】
Cthulhu : (1D100<=83) > 95 > 失敗
1d6
Cthulhu : (1D6) > 4

system [ 五輪 蘭太郎 ] SAN : 83 → 79

五輪 蘭太郎 「……」

KP そのびくびくと動く『自分』に一瞥をやり、君は扉に手をかける。
それは簡単に開き、君はその中に飛び込むだろう。
すると、かちゃりと鍵のかかる音がした。
もう、あの『自分』が追ってくることはないだろう。
顔を上げると診察室のような場所だった。
机や椅子があるものの、その中身は空っぽで何も無いのが見て取れる。

金属でできた扉が一枚だけあり、そこには一枚の便箋が貼られていた。

五輪 蘭太郎 「診察室だ。でも、ここには何も……?」

便箋 『自分が生きるために死ねる? 死ねない?』

KP その下には百合がある。
百合にはリボンがかけられており『死ねるなら口付けを、死ねないならば手折れ』とワープロに似た文字が刺繍されている。

五輪 蘭太郎 CCB<=10 【博物学 フレーバー】
Cthulhu : (1D100<=10) > 78 > 失敗
花を手折る。

     ぱきり。
 
 

KP 君はその百合を手折る。
それは意外なほど簡単に折れるだろう。いや、君の力なら意外でもなんでもないか。
その瞬間、折れた部分からぽたりと血が落ちる。たった一滴だ。

五輪 蘭太郎 「………血が…」

KP それなのにじんと響くような恐怖があなたを襲った。SAN値チェック0/1。

気付くと、扉は薄く開いている。

五輪 蘭太郎 「人……花……、っ」
CCB<=79 【SANチェック】
Cthulhu : (1D100<=79) > 96 > 致命的失敗

system [ 五輪 蘭太郎 ] SAN : 79 → 78

KP 君は自らの手で手折った百合の花を手に、扉を潜った。
潜った扉の先、そこは朽ちかけた手術室だった。施術台には一人の穏やかな笑みを浮かべた男性が座っている。

白衣を着て、まるで医者のような風貌をした男だ。
彼はあくまで穏やかに口を開く。
「ききたいこともあると思うけど。そういうのはいいから、俺の質問にだけ答えてくれ。あと動くのも駄目だ」

五輪 蘭太郎 ……彼がそう言った瞬間、俺の身体は動かなくなった。
ぱくぱくと口が動くだけ。
彼はまた穏やかに微笑み、俺に質問をなげかけてきた。

KP 「さ、お疲れ様。最後に一つだけきかせてくれ。 君は生きていたいかな。その代償が『自分』だとしても」

五輪 蘭太郎 俺は、抗えない。
その質問に答えようと、唇が言葉を紡ぐ。
それと同時になにかが湧き上がってくるのを感じた。
自分の自我をなぞる、透明ななにか。
それはじわりと、俺を侵食しようとする。

俺は理解した。
  (奪われたら、死ぬ。)
 
RESB(14-3)
Cthulhu : (1d100<=105) > 自動成功
俺は、侵食する『なにか』を必死に振り払う。
言葉を紡ぎながら、俺はそれを追いやる。

死にたくない、奪われたくない。

その思いだけを頼りに。その思考に支配されながら。

そしてその『なにか』は、ふと、霧散して消えた。

KP 「………へぇ。そうなるのか、おめでとう。これで君は君だ」

五輪 蘭太郎 男が、興味深そうに俺を見て手を叩いている。
そして何かカルテのようなものをかき、俺に向かって微笑みかけてきた。

KP 「ありがとう、貴重なデータがとれた。お礼にちゃんと返してやるよ」
「記憶も名前も、全て君だけのものだ」
「だから、今はおやすみ」

五輪 蘭太郎 彼がそう告げた瞬間、俺の意識は暗転した。
………
……

__目を覚ます。
そこは自室のベッドだった。
間違いなく、俺の部屋だった。
「……俺…俺は……」
「五輪、蘭太郎…」
「警視庁特殊犯罪零課……風切班の、五輪蘭太郎だ」

KP 君は、自分の名前や記憶があることを確認し、安堵する。身体を見てもなんの障害もない。
あれは夢だったのだろうか。
あの廃病院での出来事を思い出そうとするも、
記憶は砂のようにぼろぼろと崩れていく。
そして、君はそれを僅かにしか思い出せなくなるだろう。
あれは、ただの悪い夢だったのだ。
今日は天気がいい。もう君は『自分』だ。
なんの気兼ねもなく、『君』の日常を送っていける。
だって君は、『自分』なのだから。

  ーーーーーーーーーーー

  END 自殺完遂。
 
ーーーーーーーーーーー

情報

KP SAN値回復1d10。
POW+1d2、INT+1。

メイン

五輪 蘭太郎 1d10 SAN回復
Cthulhu : (1D10) > 9

system [ 五輪 蘭太郎 ] SAN : 78 → 87

五輪 蘭太郎 1d2 POW成長
Cthulhu : (1D2) > 2

情報

五輪 蘭太郎 目星 4
回避 1
拳銃 1
CCB<=96 【目星1】
Cthulhu : (1D100<=96) > 55 > 成功
CCB<=96 【目星2】
Cthulhu : (1D100<=96) > 91 > 成功
CCB<=96 【目星3】
Cthulhu : (1D100<=96) > 1 > 決定的成功/スペシャル
CCB<=96 【目星4】
Cthulhu : (1D100<=96) > 99 > 致命的失敗
CCB<=70 【回避】
Cthulhu : (1D100<=70) > 12 > スペシャル
CCB<=40 【拳銃】
Cthulhu : (1D100<=40) > 38 > 成功
1d10 目星
Cthulhu : (1D10) > 3
信用を成長。
1d10 クリチケ
Cthulhu : (1D10) > 10
拳銃を成長。

KP https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=10684081#76
真相はこちらだ