KP シナリオページ https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=11126080
KP
ーーーーーーーーーーーーーー
『最後の葬式』
ーーーーーーーーーーーーーー
KP
―……人は皆、人生という舞台の『探索者』である。
その道には必ず終わりもあるだろう。
ここであなたが目にするのは、一つの『必ずくる終わりの物語』だ。
推奨技能:目星、図書館
形式:KPレスシナリオ(KPを立てず行うゲームブック)
シナリオ形式:クローズド
プレイタイム:45分~お好きなように。
ロスト:なし
後遺症:場合によってあり
KP
それじゃ、準備はいい?
いこっか。
◆導入
君は仕事や外出を終えて帰宅してきたところだ。
どうにも朝から頭が痛いように感じ、何となく気怠い一日を過ごしていた。
五輪 蘭太郎
「……頭が痛いな…」
「熱は、平熱か。ちょっと疲れてるだけかな」
KP
本当に単に疲れているだけかもしれない。
思えば朝起きてからというもの、耳の奥でカラカラカラという音が聞こえていたように思う。
木枯らしが地面を掠める音のようでもあれば、風に吹いた何か軽いものが転がった音のようにも思える。
だが周りを見ても勿論そんなものはない。
五輪 蘭太郎 風車の回る音?なんだか懐かしい感じがするっすね。
KP
そう聞こえる?そうかもしれないね。ふふ
この後は寝るだけだけど、特にやりたいことはある?
五輪 蘭太郎
やりたいこと……そうだな
今日は幸太郎くんはいないから、ランカと遊んだり読書したり、ゆっくりしてから寝るっすよ。
KP 頭痛薬は飲まなくていい?
五輪 蘭太郎 飲む!おやすみ!
KP
ふふ、おやすみ
君は、その頭痛や気怠さから逃れるように目を閉じるだろう。
そんな頭の奥で、またカラカラカラという音が聞こえたように感じた。
………
……
…
ふ、と目を覚ませば。
そこは古ぼけた教会の中だった。
真紅の長い絨毯が教会の出入り口まで敷かれており、目の前には祭壇が用意されていた。
五輪 蘭太郎 「……ここは?…………教会?」
KP 祭壇の上には黒い柩がそっと置かれている。その隣で牧師と思われる男が何か話しているように思えたが、何を話しているかは解らなかった。
五輪 蘭太郎 それは、声が聞こえにくいってことっすか?それとも、話してる言葉が違う?
KP
声が聞こえない程の遠い距離という訳ではない。君は参列席の最前列に座っている。
この距離で聞こえない訳が無い。
単純に自分とは違う、何処か違う世界の言葉を牧師が発しているのである。
SANc0/1をふって。
五輪 蘭太郎
CCB<=87 【SANチェック】
Cthulhu : (1D100<=87) > 61 > 成功
「……?」
(聞いたこともないような響きだ……まるで、違う世界の言葉みたいな)
……改めて、教会の中を見渡してみるっす。
内装に変わったところはあるっすか?
KP
教会の内装を改めて見てみれば、君以外にも参列者が座っている姿が目に入る。
その全員が喪服を着ており、君自身も喪服を着ている事にも気づくだろう。
五輪 蘭太郎 「え……なんで俺まで……喪服を着てるっすか?」
KP
此処には楽器も、歌を歌う人間も居ないというのに、穏やかな讃美歌がずっと流れ続けている。
参列用に用意された椅子は全て木製で、実に簡素な造りをしている。
五輪 蘭太郎
(葬式…をしているのか?誰の葬式だろう……)
(どうして俺は、葬式なんかに参加してるんだ…?)
KP
これは、葬式だ。君はそう思うだろう。
しかし誰の葬式なのだろうか。
君がこの空間を不思議に思い立ち上がったとしても、誰も何も言わないだろう。
皆下を向いたり、祭壇を見たりと、君以外を見つめている。
五輪 蘭太郎 「……ん?」
KP
不意に自分が立ち上がった席を見てみれば、そこには一つのカードが置いてあるだろう。
そこには
『五輪 蘭太郎の葬式』
と記載されていた。
五輪 蘭太郎 「俺の、名前…⁉︎ どういう……」
KP
そう、君の名前だ。俺の名前でもあるが。
閑話休題。
はっと参列者を今一度見てみれば、
君の家族、友人、仕事の仲間など見知った顔がある。
五輪 蘭太郎 (……風切班長…千輪サン…内海サン……怜弥に、父さん、叔父さん……神童サンに……幸太郎くんまで)
KP
幸太郎くんの喪服は似合ってないっすね。はは。
この葬式は、自分の葬式なのだろうか。
ぞわりとした恐怖が背を撫ぜるだろう。
SANc0/1をふって。
五輪 蘭太郎
CCB<=87 【SANチェック】
Cthulhu : (1D100<=87) > 78 > 成功
「はは、みんな、どうして……俺、ここに生きてるじゃないっすか」
「風切班長も、千輪サンも、内海サンも、こんなことしてる場合じゃないっすよ。仕事もどんないと」
風切 飛鳥 「…………」
千輪 孤雨 「…………」
内海 貴大 「…………」
五輪 蘭太郎 「みんなだんまりっすか…神童サンは、こんな冗談好んでやる人じゃないっすよね?」
神童 大輔 「……………」
五輪 蘭太郎
「神童サン……?」
「………幸太郎くんは……幸太郎くんも、俺のこと見えないんすか?」
猪狩 幸太郎 「………………」
五輪 蘭太郎 「な、なんで何も言ってくれないんすか…これじゃ俺、幽霊みたいだ」
KP
君は周囲の人間に話しかけるが、何を口遊もうと返ってくるのは沈黙だけだ。
それでも君は縋るようにそこに足を向かわせる。
■柩を見に行く
未だ蓋を閉じられることなく、そこに鎮座している柩に否が応でも目がいってしまう。
あのカードの内容が本当であるのなら、そこに納められているのは自分自身だろう。
ある程度の覚悟をもって、その柩を覗き込む。
そこには多くの色とりどりの花が敷き詰められていたが、眠っているのはただのマネキンのようだった。
五輪 蘭太郎 「………マネキン?」
KP
ただのマネキンじゃないよ。
マネキンと言っていいのかもわからない。質感は生々しいまでに人間のそれ。
両手をしっかり組んでおり、丁寧に寝かされている。
服らしいものも来ているが、顔はのっぺらぼうだった。
だが何となくこの遺体に奇妙な程の既視感と、親近感を抱いてしまう。
魂があるとしたらそれに共鳴するかのような感覚だ。
SANc1/1d2をふって。
五輪 蘭太郎
CCB<=87 【SANチェック】
Cthulhu : (1D100<=87) > 92 > 失敗
1d2
Cthulhu : (1D2) > 1
system [ 五輪 蘭太郎 ] SAN : 87 → 86
KP さ、目星をふって。
五輪 蘭太郎
CCB<=96 【目星】
Cthulhu : (1D100<=96) > 40 > 成功
KP
よしよし。俺はやはり目がいいな。
柩の中にある花に紛れて、一枚のメモが見つかるだろう。
〇『メモ』
―――――
不明瞭な肉体を埋める為には
五つの作業が必要になる。
五つの設問に答えてもらわねばならない。
それは彼らが知っている。
―――――
五輪 蘭太郎 「不明瞭な肉体……このマネキンのことっすかね…」
KP
ちらりと柩に寝かされた遺体を見れば、腕や足、額にそれぞれ番号が振られているのが解る。
さて、ここで参列者に改めて話しかけるか、周りを調べることもできる。どうしよっか?
五輪 蘭太郎 周りを見よう…
KP
周りを今一度見てみれば、教会の隅に本棚がある事が解る。
仕舞われている本の数は少ない。
ここには図書館をふれる
五輪 蘭太郎
振るっす。うなれ俺の図書館!
CCB<=65 【図書館】
Cthulhu : (1D100<=65) > 83 > 失敗
KP
ふふ、相変わらず資料整理が下手くそだなぁ
『五輪蘭太郎の軌跡』という書物が見つかるも、君はそれを取り出そうとして余計な一冊が頭上から落ち当たってしまう。
ダメージ1d2をふって
五輪 蘭太郎
1d2
Cthulhu : (1D2) > 2
system [ 五輪 蘭太郎 ] HP : 15 → 13
五輪 蘭太郎 「これ、俺の名前が書いてある……あいてっ!」
KP
〇『五輪蘭太郎の軌跡』
ぺらりと捲ってみれば、そこには君が歩んできたこれまでの経緯が記されていた。
その時の情景や、思い出などには見覚えがあるものの、その出来事に関する記載の章にはまるで何かの作品かのように表題が記されている。
五輪 蘭太郎
「『庭師は何を口遊む』……これ、書いてあるの、庭師事件のことだ…」
(その他の出来事まで……いったい誰が書いたんだ)
(最後の章タイトルは、『自殺病棟』…内容にあまり覚えはない……けど、なぜか寒気がする)
KP 本を読むのに満足したら目星をふって。
五輪 蘭太郎
CCB<=96 【目星】
Cthulhu : (1D100<=96) > 39 > 成功
KP
その他の本を何と無しに見てみれば、見知らぬ名前の本がいくつも残されていた。
全て人の名前だ。
五輪 蘭太郎 (風切班長、千輪サン、内海サンのぶんまである……さすがに、読むのはやめておくっすよ)
KP さて、これで一通り周囲の探索は終わったけれど、後はどうする?
五輪 蘭太郎 もう一度、参列者のみんなを見てみるっす
KP
参列者をもう一度注意深く見てみれば、やはり見知った顔が多くあるのが解る。
けれどそれ以外にも見知らぬ人間が座っている姿も目に入るだろう。
出会ったことも、話したこともないような顔をした人間もいる。
五輪 蘭太郎
「……怜弥も、芥子原先輩も……去飛先輩までいるのか」
(けれど、見たことない人もいる。誰だろう)
KP 試しにひとり、話しかけてみたら?
五輪 蘭太郎 さっきは無視されたのに?
KP 今度は、答えてくれるかもしれないよ。
五輪 蘭太郎
話しかけて、みよう。怜弥に。
「怜弥……俺の声聞こえるか?」
五輪 怜弥 「あ、蘭太郎にーちゃんじゃん。おっひさー♪」
五輪 蘭太郎 「え?あ、ああ、久しぶり……俺の声聞こえてるんだな」
五輪 怜弥 「あはは、どうしたのおかしなこと言って。こんな至近距離で会話してるのに、聞こえるも聞こえないもないでしょ」
五輪 蘭太郎 「あー、うん、それもそうだな……あのさ、これって俺の葬式なんだよ、な?」
五輪 怜弥 「?そうだよ、にーちゃんの葬式。式次第にも書いてあるでしょ」
五輪 蘭太郎 「いや…それはそうだけど。俺はここにいるだろ。本人生きてるのに葬式って、おかしいだろ」
五輪 怜弥 「んーそうだっけ。そうだったっけ?」
五輪 蘭太郎 「普通考えておかしいって。ああもう……なんか話噛み合わないな」
五輪 怜弥 「そうそう、にーちゃん。聞きたいことあるんだった」
五輪 蘭太郎 「聞きたいこと?仕事の話とかは勘弁してくれよ」
KP 彼は、天気の話でもするような気軽さで、こう切り出した。
五輪 怜弥 「君が居た世界には『愛』はあったかい?」
五輪 蘭太郎
「…………愛?」
「なんでまた、藪から棒に」
五輪 怜弥 「いいでしょ、こんな時くらい。答えてよ」
五輪 蘭太郎
「はぁ……愛、愛かぁ……」
「俺にはよくわかんないよ。そんなの」
「でも、そうだな……」
「自分以外の誰かのために、何かしてあげたいとか……喜んでほしいとか……幸せであってほしい、とか…そういった、自分の中に湧いてくる、暖かい気持ちのことを、そう呼ぶのかも、しれない」
五輪 怜弥 「相変わらず、むずかしく考えてるんだな、にーちゃんは」
五輪 蘭太郎 「突き詰めて考えるとそうかなって。大好きな人たちには幸せでいてほしいから」
五輪 怜弥 「ふーん、そっかぁ。にーちゃんの愛って、なんだか祈りみたいだね」
KP
さて、そろそろ会話が終わったかな。
1d2を振ってね
五輪 蘭太郎
1d2
Cthulhu : (1D2) > 2
KP 2
KP
カラカラカラ、という音がどこからか聞こえた。
だがその音が何の音かは解らない。
柩の方からだろうか。
五輪 蘭太郎
「?これ、何の音だろう…棺の方から聞こえてくる」
(メモの通りにしたことで何か変化が起きたのか?様子を見に行ってみよう……)
KP
柩の方を見れば、マネキンのようにのっぺりとしていたその体の質感が少しだけ変化していた。
今にも動きだしそうな、誰かの右腕のようだ。
五輪 蘭太郎
「少し、感じが変わってるな」
(右腕だけが妙にリアルだ……俺が怜弥と話した時点でこうなったのか? 一体何が起きているんだろう)
(正確な年齢、性別は解らないな…)
(また時間を置いてくるか。それまでに誰かと話せるかな……)
KP じゃあ、誰と話そうか?
五輪 蘭太郎
choice[芥子原,神童,猪狩,風切,内海,千輪,五輪蘭太郎] 誰と…
Cthulhu : (CHOICE[芥子原,神童,猪狩,風切,内海,千輪,五輪蘭太郎]) > 千輪
「千輪サン……」
千輪 孤雨 「…………五輪か」
五輪 蘭太郎 「…!よかった、俺の姿見えてるんすね?」
千輪 孤雨 「見えるも何も、目の前にいるだろうが、お前」
五輪 蘭太郎 「そ、そうっすよね。また無視されたらどうしようかと思ったっす!」
千輪 孤雨 「うるさく騒がれるのは敵わんが……お前を無視するつもりはない」
五輪 蘭太郎 「よかったっす…なんか俺、急に自分の葬式に連れてこられてたみたいで…俺、死んだんすかね?」
千輪 孤雨 「さぁな、知らん……が、こうやって目の前で話しているんだから、それはないと否定しておいてやる」
五輪 蘭太郎 「うーん……そうなのかもしんないっすね。棺の中、俺の死体じゃなっくて、マネキンしか入ってなかったっす」
千輪 孤雨 「お前の目にそう見えてるだけかもしれんぞ」
五輪 蘭太郎 「じゃあ、千輪サンも見てくださいっす!棺の中がマネキンなのかどうか」
千輪 孤雨 「……やーだ」
五輪 蘭太郎 「ええ、そこは腰の重さを出すとこじゃあないっすよね、千輪サン!かわいい後輩のために人肌ぬいでほしいなーって」
千輪 孤雨 「お前のことをかわいい後輩と思ったことは……一度もないな」
五輪 蘭太郎 …?
五輪 蘭太郎 「そんな…」
千輪 孤雨 「はは、しょぼくれてんな……まぁ、犬みたいだとは思う」
五輪 蘭太郎 「犬」
千輪 孤雨 「うるさくて、元気のいい犬だ……別に嫌いじゃない」
五輪 蘭太郎 「千輪サン……!」
千輪 孤雨 「あー、下らん話をした……どうせだから、もう少しつきあっていけ」
五輪 蘭太郎
(千輪サンから話をしようって言ってくるの、珍しいな…)
「何か俺に聞きたいことっすか?何でしょう」
千輪 孤雨 「お前が居た世界には『狂気』はあったか?」
五輪 蘭太郎 「狂気……?それは、精神が発狂した状態のことをいってるっすか?」
千輪 孤雨 「どうだかな」
五輪 蘭太郎 「……人がそうなった場面に遭遇したことは何度かあるし、俺自身も正気を失ったり、まともな思考能力を手放してた時期もあったっすね」
千輪 孤雨 「ああ……」
五輪 蘭太郎 「……俺、本当は、刑事やめたほうがいいんじゃないかと、思ったんすよ」
千輪 孤雨 「……」
五輪 蘭太郎 「あんなことをしでかして、刑事としての役割まで投げ捨てて……的場サンを殺そうと、その時俺は本気で思ってたっす」
千輪 孤雨 「あの時、お前を止めるのは骨が折れたぞ………風切の加勢がなきゃ、俺と内海を振り払って殺しにかかっていただろ」
五輪 蘭太郎 「はい。正気じゃあなかったけど、本気だったんで……止めてくれてなかったら、俺は今頃檻の中っすね」
千輪 孤雨 「……はぁ」
五輪 蘭太郎
「狂気は誰でも持ってると思うっす。自分の倫理観や思考を侵す何かを見聞きした時、自分を守るために吹き出る本能の防衛反応なんじゃないかって」
「だからあれも、みんなのためというよりは、俺のためだったんだと思うっす。はは、力だけ鍛えても、心までは強くなれないんすね」
千輪 孤雨 「お前は…そのままでもいいだろう」
五輪 蘭太郎 「…………………」
千輪 孤雨 「…………五輪」
五輪 蘭太郎
「……自分を責めるの、やめられるわけないじゃないっすか」
(あんな仕打ちを忘れるなんて…………それじゃあ本当に、俺は救いようのないクズじゃないか)
「………狂気は、正気を守るためにある。理性を蝕むのは、狂気じゃないはずだ」
(気が触れて、壊れてしまう方が楽な時だってあるんだから…)
KP 狂気について答え終わった?それなら1d2をふってね
五輪 蘭太郎
1d2
Cthulhu : (1D2) > 1
KP 1
KP
カラカラカラ、という音がどこからか聞こえた。
だがその音が何の音かは解らない。
柩の方からだろうか。
五輪 蘭太郎
「今、音が……」
(また何か棺の中に変化があったのかな…気になるけど、もう少しみんなと話をしていこう)
KP 三人目の参列者と話をするんだね
五輪 蘭太郎
choice[父親,母親,芥子原,神童,猪狩,風切,内海,的場,五輪蘭太郎] 誰と…
Cthulhu : (CHOICE[父親,母親,芥子原,神童,猪狩,風切,内海,的場,五輪蘭太郎]) > 五輪蘭太郎
KP/五輪蘭太郎
俺か。いいよ。
何を話そうかな。
「なぁ、少し話をしないか」
五輪 蘭太郎
「ん?……んん?…俺?」
「えっ……俺だよな。偽物……?」
KP/五輪蘭太郎 「ははっ、君がそれを言うか?……君が殺した「俺」だよ」
五輪 蘭太郎 「……??」
KP/五輪蘭太郎 「まぁ、分かってないならいい。どっちが本物で偽物かなんて、どうでもいいよ」
五輪 蘭太郎 「何言ってるか全然わかんないっす。ドッペルゲンガーっすか?」
KP/五輪蘭太郎
「いや、何もない残り滓だ。本来こうして喋れてるかもあやしいな」
「だけど、確かに君だったものだよ、俺は」
「さっさと質問を済ませてしまおう」
「君が居た世界には『友達』はいたかい?」
「俺の中にその答えはない。思い出せないからだ。さぁ、教えてくれよ、俺のことを」
五輪 蘭太郎
「……友達っすか」
「同好の友とか、昔の級友とかはいるっすよ。でも、腹を割って話せる相手ってのは、なかなかいないっすね」
KP/五輪蘭太郎 「そうだったっけ。一人もいなそう?」
五輪 蘭太郎 「……幸太郎くんには、もう少し打ち解けてもいいのかなって、思うっすよ」
KP/五輪蘭太郎 「……君の友達をやるのは疲れそうだな」
五輪 蘭太郎 「……俺もそう思うっすよ。重いやつだって引かれそうだから、なかなか自分のことは話せないっすよね」
KP/五輪蘭太郎 「さぁね。君が話そうと思ったタイミングでいいんじゃないか。知らないけど」
五輪 蘭太郎 「なんか、アンタ、ちょっと素っ気無いっすね……」
KP/五輪蘭太郎
「君に存在を殺された…以上に、元から俺は俺があまり好きじゃなかったのかもしれないな」
「……そんな俺にも、奪われたくないものは色々とあったんだけどな」
五輪 蘭太郎 「……俺、アンタに何かしたんすか?」
KP/五輪蘭太郎 「心当たりがないならいいって。……俺の全ては今や君のものだ。せいぜいがんばってくれよ」
KP さて、会話を終了しよう。1d2をふってくれ
五輪 蘭太郎
1d2
Cthulhu : (1D2) > 2
KP 2
KP
カラカラカラ、という音がどこからか聞こえた。
だがその音が何の音かは解らない。
柩の方からだろうか。
見にいくかい?
五輪 蘭太郎 見に行ってみようかな…
KP
柩の方を見れば、マネキンのようにのっぺりとしていたその体の質感が少しだけ変化していた。
今にも動きだしそうな、誰かの右足のようだ。
また、初めに見た時と比べて、左手も同じような質感に変化しているようだ。
正確な年齢性別はしかし何故か解らない。
五輪 蘭太郎
「また、変化してる…だんだん、人間らしい質感に……」
「俺の体…なのかな。いまいち年齢や性別がわからないから…なんともいえないけど、違う気がするっす」
(また時間が経ったら、変わるかな…どうなるんだろう)
(この棺の中の顔が、どうなってるのか……)
KP では、4人目の参列者と話をするね?
五輪 蘭太郎
choice[父親,母親,芥子原,神童,猪狩,風切,内海,的場] 誰と…
Cthulhu : (CHOICE[父親,母親,芥子原,神童,猪狩,風切,内海,的場]) > 神童
KP 神童さんと話をするんだね。
神童 大輔 「……」
五輪 蘭太郎 「あの、神童サン……」
神童 大輔 「ああ……五輪か。調子はどうだ?」
五輪 蘭太郎 「この通りぴんぴんしてるっすよ!なのになんで俺の葬式が執り行われてるんすかね。本人ここにいるのに」
神童 大輔 「そうか……最近のお前は、色々と心配だったから……そうして元気にしている姿を見ると、安心する」
五輪 蘭太郎 「色々と心配?……なにかありましたっけ?」
神童 大輔
「……いや、よく覚えていないならいい」
「別の話をしよう……」
「お前は、『幸福な思い出』について何か浮かぶものはあるか?」
五輪 蘭太郎
「へ?幸福な思い出っすか?また藪から棒に」
(なんでみんな俺の話を聞きたがるんだろう……)
「生まれてから今まで、そんなの数え切れないほどあるっすよ」
「村でおばあちゃんと過ごした時間……俺の好物のハンバーグとケーキで、毎年誕生日を祝ってくれてた両親……高校の部活動も楽しかったっすよ」
「色々ありましたけど、大人になってからもたくさんあるっす。仕事はもちろん楽じゃあないけど、零課で働くのは楽しいですし。幸太郎くんとは、たくさん楽しい思い出ができたっすね」
神童 大輔 「…そうか。お前が幸せそうで、よかったよ。猪狩と付き合い出した頃は驚いたが……」
五輪 蘭太郎 「それ、みんなに内緒にしてたはずなんですけど、どうしてバレてるんすかね……」
神童 大輔 「それは……お前たちが分かり易すぎるんだろう。目線や声、仕草で案外わかってしまうからな」
五輪 蘭太郎 「はははっ、みんなに隠し事するのも一筋縄じゃいかないっすね。まったく頼もしい限りっすよ」
神童 大輔 「そうだな……こういう仕事をやっているから余計に、お前と猪狩の幸せが長く続けばいいと思う」
五輪 蘭太郎
(葬式っていうか、結婚式の祝辞みたいになってきたな…)
「そうっすね。俺も、そう思うっす。これからも、幸福な思い出を増やして行きたいっすよ」
KP
さて、会話が終わったかな。
終わったなら1d2をふってね
五輪 蘭太郎
1d2
Cthulhu : (1D2) > 1
KP 1
KP
カラカラカラ、という音がどこからか聞こえた。
だがその音が何の音かは解らない。
柩の方からだろうか。
五輪 蘭太郎
なんなんだろうな、この音。
もしかして、棺のマネキンに変化が起きた時に聞こえるのかもしれない。
あともう一人、誰かと話してみよう
KP それじゃあ、誰と話そうか?
五輪 蘭太郎 最後までに、幸太郎くんと話をしてみたいっす。
KP それじゃあ、彼は君が近づいてくると顔をあげて、いつもの朗らかな調子で声をかけてくるね
猪狩 幸太郎 「あ、らんたろー!こっちにくんの待ってたよ!」
五輪 蘭太郎 「待たせてた?ごめん、幸太郎くん」
猪狩 幸太郎 「気にしない気にしない!ちゃんと俺んとこきてくれたし!」
五輪 蘭太郎 「幸太郎君とも話しときたいなと思って。ふふ、まぁいつも色々お話してますけどね」
猪狩 幸太郎 「確かに!……じゃあさ、らんたろーは自分の『人生』について、何か思うところはない?」
五輪 蘭太郎 「人生について…っすか。なんでまたそんなことを」
猪狩 幸太郎 「いいからいいから〜。それか、そっちの蘭太郎が答えてくれてもいいんだよ?」
KP/五輪蘭太郎
俺が?俺は特に語ることはないかな。
でも多分、俺は幸せだったと思うよ。
猪狩 幸太郎 「そっかぁ〜!……幸せ、だったんだね。ね、いつかまた会える?」
KP/五輪蘭太郎 うん。いつかまた、会えるといいね
五輪 蘭太郎 「?こうたろくん、誰と話してるんすか…?」
猪狩 幸太郎 「俺はらんたろーと話してるよ!で、さ。どうなの?」
五輪 蘭太郎
「うーん、そうだなぁ……なんだかんだありつつも、幸せな人生だと思うっすよ」
「正直辛いことはあるけど、嬉しいこと、楽しいこともたくさんあるし。だから、生きるのがんばんないとなって」
猪狩 幸太郎 「そっかそっか!そのために自分の人生が壊れても幸せ?」
五輪 蘭太郎 「人生が壊れる……?それって、失業したり、何か事故にあって大きな怪我や病気をしたり、ってことっすか?」
猪狩 幸太郎 「そんな感じ!人生いろいろあるじゃん?」
五輪 蘭太郎 「そんなこと聞くなんて幸太郎くんらしくないっすね。先のこと考えても仕方ないっすよ」
猪狩 幸太郎 「えーそうかしら。こー見えて結構色々考えてんのよ?」
五輪 蘭太郎 「……まぁ、俺のことはともかく、周りの人が幸せに過ごしてるなら、俺も幸せっすよ」
猪狩 幸太郎 「欲ないなぁ。それもらんたろーらしいけど!もっとさぁ、お金持ちになりたいとかー、出世したいとかー、世界一周!とか。即物的な欲求はない感じ?」
五輪 蘭太郎
「これといってぱっと思いつくのはあんまり。今のままの幸せが一番いいっす。これ以上は罰があたりそうで」
「俺、たぶん幸太郎くんが思ってるより臆病で欲張りっすよ」
猪狩 幸太郎 「そうなの?」
五輪 蘭太郎
「そうだよ。何がおこるかわかんない世の中なのに、最低限周りの人間にだけは大禍なく幸せでいてほしいし」
「自分の人生が壊れるより、人の人生を壊したり、壊れていくのをただ見てるほうが辛いっすね」
猪狩 幸太郎
「それは俺もそうかも!」
「俺も、壊れて欲しくなかったなーって思ってる」
KP/五輪蘭太郎
最後にお別れも言えなくて、ごめんね。
幸太郎くん
KP
……さて、話は済んだかな?
終わったなら1d2をふってね
五輪 蘭太郎
1d2
Cthulhu : (1D2) > 2
KP 2
KP
コロコロコロコロ、という音がいやに近くから聞こえたように思えた。
柩の方からだろう。
何か軽いものを戯れに転がすような音に聞こえた。
五輪 蘭太郎
「……?」
少し音の感じが変わった…?棺の方を見に行くっすよ
KP
わかった。描写しよう。
柩に向かう足取りが、何となく緊張してしまうような感覚を覚えてしまう。
背恰好、年齢、性別どれもがよく解らないあのマネキンのような遺体。
未だ戻っていないのは『頭』。つまりは『顔』である。
ずっと君だと言われていたのだから、勿論覚悟はしているだろう。
けれどどうしても緊張と不安が背をなぞってくるのだ。
あと一歩、もう一歩進めばその顔が拝めるのだ。
KP
その柩の中に眠るのは、『探索者』と呼ばれるPCのそれではない。
だが全く異なる存在という訳ではない。
そこに眠っているのは『探索者』の創造主であり、『PL』とも評される。
『あなた』である。
今この文字を読み、ここまでPCを導いた『あなた』がそこに眠っている。
現実の姿のままの『あなた』がそこにあるというのに抵抗があるのなら、『あなた』の望む『あなた』の姿がそこにあるとしても良い。
名前にしても、『あなた』には現実で呼ばれている名以外の名ももしかしたらきっとあるだろう。
けれど、どんな姿形、どんな名前をしていようと、これは『あなた』『PL』が柩に眠っている。
『PC』を弔う事が『あなた』には出来ても、『あなた』を弔う事は『PC』には出来ない。
その機会があったら、『PC』はなんと言うだろう。『あなた』と『PC』は一心同体に等しいが、お互いに会う事は出来ない。
「自分を操る人間がいるわけない」と吐き捨てるだろうか。「そうか、こういう存在もいるのか」と考えるだろうか。
いずれにしても、思い思いに、その立場に立ち話す事が出来る。
この葬式は、『あなた』を弔う『PC』の為の葬式だ。
KP
そこに居たのは。納まっていたのは君自身などではなかった。
一度たりとも会った事の無い人物がそこに納められていた。
誰なのだろうか、君には想像すらつかない。
五輪 蘭太郎
「俺、じゃない……これは、誰だろう」
(知らない人のはずなのに、他人のようには思えないような)
KP
けれど、とても『他人とは思えない』。
思えば自分は、何かを思考する時、行動する時、奇妙な感覚のようなものを得ていた。
背を押されるような、導かれるようなものだ。
これは本当に細やかなものだった。だが、よくある感覚でもある。
この人間を見下ろして直感的に浮かぶ言葉は「親のような存在」「共同体」というのに等しい。
そうだな、アイデアを振ってみようか
五輪 蘭太郎
CCB<=78 【アイデア】
Cthulhu : (1D100<=78) > 78 > 成功
KP では君はコロコロ、という何かを転がすような音と共に、ひとつの解を得るだろう。
五輪 蘭太郎
「……ずっと、俺のことを見ていた……ってわけじゃあ、ないですよね。けど……確かに、あんたに見守られてたような気がする」
「いつも、おかしな出来事に巻き込まれたりした時、ああ、庭師の事件の時も、そんな感覚を感じることは、あったかもしれないっす」
「俺はずっと、あんたに導かれていたんですかね」
「それでも……」
「あの罪だけは、確かに俺のものなんだって確信がある……」
「それも何かに定められていたのかもしれないけれど。俺は確かに、自分の意志で引き金を引いたんだ」
1d2
Cthulhu : (1D2) > 2
KP 2
KP …その人物の手を見てみれば、サイコロのようなものとメモが握られていた。
KP
〇『メモ』
―――――
転がした先の目が、どんな数字であっても元の場所に戻る事が出来るだろう。
元に戻れば、ここで起きた事の一切を忘れ帰ることが出来る。
けれど、もし
もし良い目であったのならば
夢のような感覚だったとしても覚えてしまうかもしれない。
―――――
KP
今までの1d2の結果得た数字について
合計値×10で判定を、と思ったが10点か。自動成功じゃないか?
せっかくだからダイスを振ろうか。99で判定しよう
五輪 蘭太郎
CCB<=99 【サイコロを振る】
Cthulhu : (1D100<=99) > 44 > 成功
KP
コロコロコロ、何故か聞き馴染んだ音だと思える。
このサイコロの目が何処に向かおうと、どうなっていようと、それに従う他ない。
時にはこれによって危機に瀕して死んでしまう事もあるだろう。
時にはこれによって危機を逃れて生き延びる事もあるだろう。
その時に一喜一憂する存在が、君には居る。
それは共に歩む友人であるかもしれない。
共に出会った人々かもしれない。
けれどそれ以上に、自身の事を考え、共に歩む存在があるのだ。
やがてサイコロの目が決まれば、蝋燭の火が徐々に消されるようにゆっくりと辺りは暗くなっていくだろう。
最後に柩だけが残るが、それすらも最後のひと吹きによって消えていく。
刹那、君は意識を手放してしまうだろう。
………
……
…
目を覚ませば、昨晩眠った場所だった。
辺りを見回しても何ら変わらない日常がそこにはある。
体を覆っていた気怠さや、頭痛も今はない。
耳の奥で鳴っていたあの転がる音も全く聞こえないだろう。
君はあの葬式の情景を何となく覚えている。
覚えてしまっている、と言ってもいいのかもしれないが、けれどそれも必要な認知だったのかもしれない。
自身に何かどうしようもない力が降り注いでいようと、意識さえしなければ何ら変わらないのだから。
どちらにしても出会う事も、触れ合う事も出来やしない。
探索者は時折、コロコロコロというサイコロを振る音を聞く事になる。
だが、その行く先、その未来までは想像すら出来ない。
それだけを除けば、いつも通りの探索者の日常に帰る事だろう。
SAN回復 1d3
五輪 蘭太郎
1d3
Cthulhu : (1D3) > 1
system [ 五輪 蘭太郎 ] SAN : 86 → 87
KP
●後遺症※任意※
PLがダイスロールを行う際に、ちらっとPCが上を見るような動作が発生する。
任意のタイミングでも構わないが、主にSANcの失敗の際でも良いだろう。
五輪 蘭太郎 俺の人生は乱数によって支配されているんすね。
KP
まぁ、知ったところでどうということはないだろう。今までと何も変わりはしないんだから
……さて、これにて「最後の葬式」を終了させてもらうよ。
お疲れ様でした。