二円陣-教死対談 学パロバージョン

教死対談

ルシアン 夏が終わり、秋もそろそろ末に入る頃。
今日はたまたまクラス合同で、国語総合の授業があるらしい。
大学受験に向けて、3年生全員で勉強を教え合うとかなんとか。
自習室に向かえば、既にいろんな生徒たちが席について、好きなように話したり、まじめに勉強に取り組んでいた。
先生に割り振られたペアの相手を探す。僕の相手はダーリャだ。
「……あんまり話したことないけど、大丈夫かな」
部屋の中を見渡して探してみれば、端の席に縮こまって座っているダーリャの姿が見えた。
「あ、いた。……やあ、ウィリケン」/

ダーリャ = ウィリケン 「………ああ、ルシアンか。えっと、……ペアだよね。よろしく」
彼のことはなんとなくのイメージでしか把握してない。
クラスの中でもそこそこいろんな人と話してて、いつも周りに人いるな、ぐらい。
とくに苦手な科目にいい加減向き合わなきゃなのも相まって、どうしても眉根に皺がよってしまう。
それでも一応、あいさつだけはして。/

ルシアン 「うん、よろしく。……隣、失礼するね」
たまに後輩の子と話している姿は見かけるけど、こうして面と向かって話すのは初めてかもしれないな。
伏し目がちな動作に、おそらく人と話すことがあまり得意じゃないんだろうな、と適当にあたりをつける。
「そうだな、えっと。この教科で分からない個所はある?」
「たぶん、古文以外ならある程度は教えられると思う。苦手な範囲を教えてほしいな」/

ダーリャ = ウィリケン 「……………どこがわかんないのか、わかんない……」
ちいさいこえでぼそぼそ……
「…………その、誰がなに考えてるか、とかの……が、いちばん…ぜんぜん……」/

ルシアン 「ああ、なるほど。文章問題はやり方が分かればきっと大丈夫。じゃあ最初から……時間が許す限り、出来るところまでゆっくり復習しよう」
参考書を開く。念のために1年の頃の参考書も持ってきておいて良かった。
自分用にまとめたノートをダーリャに見せる。
「土台がしっかりしてないと、応用とかも出来ないから、まずは1年の頃の振り返りからやってみようか」/

ダーリャ = ウィリケン 「んぐ……ぅ……。は、はい……よろしくおねがいします…」
もう参考書を見ただけでゲンナリしてくる。今すごい「イヤ!!!」って顔してるんだろうなあ…。/

ルシアン その顔見てちょっとだけ笑うかな……。
「ふふ、じゃあまずは──」
ノートを見せながら、例題を読み上げる。
この下線から読み取れる、主人公の気持ちを以下の中から選べという、読み取りの基礎問題だ。
「ウィリケン、まずはきみなり回答を選んでみて。間違っていても大丈夫だから」/

ダーリャ = ウィリケン 1d100 成功値10 (1D100) > 8
ハッ……!!?

ルシアン えらい!

ダーリャ = ウィリケン 「………え、えっと……b…?」
カンでなんとなく…やってる、というのは多分わかってしまうかも。
問題の意図がわかってない顔はしてる。/

ルシアン 「うん、正解だよ。なんでbが正解なのかっていうと、主人公はこの下線より前の描写で……」
何となく、で当たったなら雰囲気は読み解けているんじゃないかな?
そう思って問題を解説する。
「「出来事」「言動」「気持ち」……この三つを抑えれば、文章問題って実は案外簡単に解けるんだよ」
「例えば、傍線部で「なんでこの気持ちになったの?」って聞かれてたら、こういう出来事があって、こういう言動をとったからっていうのを探してみればいい。ヒントが文章の中に残ってるからね」/

ダーリャ = ウィリケン 「………じゃあ、こっちの問題もおなじ、ふうに…?」
似たようなやつをさして、聞いて…みる。
「………おなじ、ふうに……あー……」
「……なんでこんな遠まわしなことばっかするの、このひとたち」
文章の中を読み取ろうとするけど……さっぱり理解ができない登場人物にキレそうになる。
声上げそうになって…そうだ、ここ自習室だ。おさえなきゃ…って…。/

ルシアン 「確かにちょっと遠回しだよね。この問題文の人たちって」
「全員が素直だったら問題にならないから、必要なことではあるんだろうけど」
どうしてこうなるのか、を再び解説していく。
そのたびにどんどんダーリャの顔が面白く歪むものだから、つい笑ってしまった。/

ダーリャ = ウィリケン 「うーー………。……りくつがわかんないんだよ……。もっと分かりやすい……規則性とかがほしいんだよぉ……」
なんだよ”気持ち”ってぇ、と思わず机に土砂崩れする。
「………きみの…解説は、わかりやすいけどさあ…。……作者、……えっと、顔もわかんない知らない人間のさあ、考えてることなんかさあ……」
頭からケムリ出てそう、ってぐらい。法則がしっかりしてる数字の世界に行きたい、と唸る。
目の前にいるやつをじと…と見上げる。/

ルシアン じと、と見られてまた笑ってしまう。こんなにも嫌そうに勉強をしている人を見るのは、身近な人だとユースティスくらいだから、なんだか面白くて。
「そうだね。分からないよ、知らない人間の気持ちなんて。実際、ここにこうって書いてあるけど……本当は何も考えてないかもしれないし」
「でも、分からないことを理解しようっていう気持ちは大事なんじゃないかな。……そしたら、人付き合いも楽になるよ?受け流せるようになるしね」/

ダーリャ = ウィリケン 「………どうしても、こう、……見るだけで『嫌』ってなるんだよ。……りかい、するまえに。……言い訳、だけど」
しょぼ……と耳(のような癖毛)が下がる。ように、見えるかも。
人付き合いのことも、そこそこ言い返せなくて。
「………できるやつはいいよね、とかは無いけど。……じ、…自分ひとりじゃ、なんかうまくできなくて……。先生、とかにも……話しかけるの…うまく、できない」
「…………逃げてばっかだ、こう考えると」
しょも………となる。勉強しにきたのに、なんだか愚痴ってしまうのも…しょも、となってしまって。
せっかく教えてくれてるのにごめん、と小さく謝る。/

ルシアン 小さく丸まってしまったダーリャに、目を丸くして笑いかける。
別にいいんじゃないかなあ。逃げたって。それも一つの道なんだし。
「見るだけで嫌だって思うものは誰にでもあるよ。出来なくたって、落ち込まなくていいと思う」
「自分一人じゃできないなら、僕に声かけてくれたっていいし。先生に話しかけるくらいなら手伝えるからね」
「大丈夫? 一旦休憩を挟もうか」
小さく謝るダーリャの頭を撫でようとして、手を止める。さすがにそんなに仲良くもない人から撫でられるのは嫌だろうし。
手を引っ込めて参考書を閉じた。/

ダーリャ = ウィリケン 「………うん。頭疲れた…。あまいもの食べたい」
「………えっと、……何か飲む?自販機いく、から」
人の考えに疎くても、なんとなく彼が自分のことを慰めようとしてくれてるのは分かる。
鞄の中にあるお菓子を取りに行くついでに、お茶の一本でも持ってこようかなと。/

ルシアン 「あ、自販機行くならついて行くよ。僕も甘いもの食べたいし」
参考書を手に取って席を立つ。……自分よりもはるかに背丈が低くて一瞬びっくりしたけど、まあそういうこともあるよね。
「ミシェルとルーカスがくれたお菓子が鞄に入ってて……一人じゃ食べられる量じゃなかったから、良かったら一緒に食べてくれない?」/

ダーリャ = ウィリケン 「あ……ミシェル、……と、ルーカスの。………もしかしたら、同じかも。ミシェル、たまに……くれるから」
知ってる名前が出て、少し目線が上を向く。上……
「………ルシアン、背、高いな……」/

ルシアン 「彼、いつもお菓子くれるよね。美味しいし助かるよ」
「……背? ああ、うん、179cmあるからね。声聞こえにくくない? 大丈夫?」/

ダーリャ = ウィリケン 「……へいき。うちにいるひとも……けっこう、おっきいから。慣れてるよ」
廊下のロッカーに入れてる鞄をごそごそ…。多分いっしょのお菓子だ。ビ〇コとかかな。/

ルシアン 「そう。ああでも、聞こえにくかったら言ってね」
鞄から貰ったお菓子を出す。だいたいはダーリャと同じで、あとは自分で持ってきたチョコレートにクッキーに……。/

ダーリャ = ウィリケン 「………ふ、あはは!…ホントに多いね。お菓子屋でもやるの?」
鞄からどんどんとお菓子が出てくるのに、思わず笑ってしまって。見た目に合わず甘党なのかな、と思っちゃう。/

ルシアン 「お菓子屋になれたらいいけど、お菓子を作る才能がないから……。これは買ってきたやつで、こっちは貰い物。美味しいからおすそ分けするね」
クッキーと小包のチョコレートを三つずつ渡す。余ったら誰かと一緒に食べられるくらいの量だ。/

ダーリャ = ウィリケン 「わ……あ、ありがと。おいしそう……こんなにいいの?」/

ルシアン 「うん。家にもたくさん残ってるからね。……食べ過ぎると兄さんに怒られるんだ。虫歯になるぞって」
「だから貰ってくれると助かる」/

ダーリャ = ウィリケン 「おにいさん……お兄さんいるんだ。…えっと、じゃあ…待ってね。……これあげる」
近くの自販機でいそいそ缶コーヒーを買ってきて、はい、と渡す。
ブラックと加糖と迷って……ふたつ結局買った。
「甘いのと、甘くないの。先にどっちか選んで。……僕はどっちにしようか、迷ったから」/

ルシアン 「ありがとう。お菓子がたくさんあるし、甘くないのを貰おうかな」
「ウィリケン……、同い年だしダーリャって呼ぼうかな。うん」
「ダーリャも甘いもの好きなの?」
ミシェルにお菓子を貰ってるみたいだしなあ。/

ダーリャ = ウィリケン 「……うん。好き。家で、つくることとか……ある、ぐらいには」
名前呼び、なんとなく居心地がふわふわしてしまう。
話すのうまいんだなあ、となんとなく。イメージが変わるな…。/

ルシアン 「いいね。僕も作るんだけど、お菓子だけはあんまり成功しなくて……」
失敗してしまった数々の炭を思い出して苦笑する。
「料理なら簡単なんだけど。ダーリャはお菓子作りの方が得意?」/

ダーリャ = ウィリケン 「料理……も、イェルケル……あ、えと、一緒に住んでる人…が、遅くなるときは作る…」
「お菓子は…分量きっちりしてるし、決まった手順で作れておいしいものが出来るから。…そういうのが、得意なの。多分」/

ルシアン 「ああ、さっきも規則性がある方が~って言ってたね」
「確かにお菓子作りってきっちりやれば美味しく出来るんだけどなあ。……つい砂糖入れすぎたりしちゃって……」
「ちゃんときっちり作れるのってすごいよ」/

ダーリャ = ウィリケン 「………そうなのかな。ああでも、砂糖ちょっと多くしたりは……するね。たまに」
頭痛くなっちゃいそうな甘さがいいよね、と。
「……あのさ、気になってるんだけど、聞いていい?……なんか、放課後に…たまにお菓子会してるひとたちいるって……の……」/

ルシアン 「ああ、甘味同好会か。うん。集まってるね」
「僕と、ミシェル、ルーカス……あとは生徒会のヨド・フォルセティ。何となく勝手に集まって、勝手にお菓子を食べてるんだ」
「たまにゲームを持ち寄ってやったりとかもするけど、基本的にお菓子食べるだけだから……ダーリャも参加する?」/

ダーリャ = ウィリケン 「うん……あの、ちょ、っと……気に、なってた。……なんか、けっこういるね」
実はずっと前から気にしてた、なんてのはさすがに言えない。
メンツの顔を思い出してみると…みんな明るくてよく喋るひとたちで。ちょっと、いけるかな…と不安にはなるけど。/

ルシアン 「人数はまあ……確かにいるけど、集まったり集まらなかったりで緩いから、ダーリャも気負わずに参加できると思うよ」
「無理に人と話す必要もないからね。僕だって話しかけられたら返すけど、同好会にいるときは自発的にしゃべることはそんなにないし」
食べるのに夢中で……とはちょっと言えなかった。/

ダーリャ = ウィリケン 「……つ、……次! えと……あの、いつ……あ、あつまる…?」
苦手なことから逃げてるという自覚はあった。けど、それだけじゃダメだってのもなんとなく分かってて。
だから、だから。チャンスなんじゃないかと思った。人と話すのもなにもかも。/

ルシアン 「次?ええと、すぐだと……明日かな?」
スマホを確認して、グループのやり取りを見返す。だいたい誰かが「ここのお菓子が美味しい」とか、そういう話がきっかけで集まったりするから。
「このグループにダーリャも入れようか?みんな多分、っていうか絶対喜びそうだし。……無理にとは言わないけど、どうする?」/

ダーリャ = ウィリケン 「あ、明日………。……え、うぇ、……い………」
思ったよりすぐでびっくりして。
けれど、焦ってしまい『いれて』の一言がなかなか出てこない。こういうところが本当に嫌だ。
ルシアンの袖を引いて……『行きたい』と。せめて。/

ルシアン 袖を引かれて、ダーリャが言いたいことを考えてみる。
集まることに対して興味を持っていたし、悪い方向ではないことは確かだろう。
「ダーリャ。グループに入れてもいいなら、ゆっくり頷いて。もう少し考えたいなら、もう一回袖を引いて?」
言葉で出ないなら行動にさせてみればいいかもしれないな。そう思って、出来るだけ優しく声をかけた。/

ダーリャ = ウィリケン 「…………」
少し屈んで、目線を合わせて提案してくれる。
声が出ない、喋れないというのを彼は察したのかも、と気付いて。不甲斐ないなと思いながら…それでも、なんとか声に出したいなと。
ゆっくり深呼吸して。
「………いれ、て。……グループ。……僕、も」/

ルシアン 小さく、でもしっかりと紡がれた言葉に頷いて、IDを交換する。
それから一言、グループの方に『ダーリャが甘味同好会に仲間入りするよ』とメッセージを送ってダーリャを招待した。
「ふふ。おすすめのお菓子を共有できる友人が増えて嬉しいよ。ありがとう、ダーリャ」/

ダーリャ = ウィリケン 「……あ、ありがと……。………これって、買ったやつ、のがいいのかな。…持ってくの」
数少ない『トーク』の欄に、グループがひとつ追加された画面を。両手で携帯をもち、眺めてしまう。
しゅぽしゅぽと慣れない頻度で通知がきて、びっくりして思わずルシアンの方を見てしまう。/

ルシアン 「作ったやつでも大丈夫。僕もたまに作って持っていくし」
予想通り、賑やかになったグループの通知欄を見て、それからダーリャの方を見る。/

ダーリャ = ウィリケン 「つ、……つくる。…じゃあ」
たぷたぷ、と挨拶文を書いて、作ったのを持っていくからなにがいい?とグループに聞く。
多分、他の人から見たら…文章が堅い、かもしれない。でも楽しみで、つい操作しながら頬がゆるむ。
ちらちらとルシアンの方をみながら…これでいいのかな、だいじょうぶかな、と。/

ルシアン 確認するようにこちらを見てくるダーリャに、大丈夫だよというように頷いて笑う。
今度お菓子の作り方でも教えてもらおうかな、なんて呑気に考えながら。
「明日、楽しみだね。今度は僕も何か作って持って行こうかなあ」/

ダーリャ = ウィリケン 「……たのしみ。…うん、ルシアン作ったのも…食べて、みたい」
「あ……明日。あした、じゃあ……あれ、まって。……えっと、どうしよう。もいっこ……いい?」/

ルシアン 「僕が作ったものは味の保証はできないけどね……。どうかした?」/

ダーリャ = ウィリケン 「……その、………最近えっと、たまに声かけてくれる…後輩が、いて。……甘いもの好き、というか……そういうお店、たまに誘ってくれる…ので、……」
「い、あの、一緒…に、と……どうかというのを……デスネ…」
もしかして場違いなのだろうか…と、しりすぼみに…。/

ルシアン 「いいんじゃないかな。誰も文句は言わないだろうし」
むしろこっちが邪魔にならないかな?大丈夫かな?とは思うけれど……本人たちがいいならいいんじゃないだろうか。/

ダーリャ = ウィリケン 「……じゃ。じゃあ……声、かけてみる…。その、いつもこっちが誘われてるばかりで…。先輩らしいことをしてない、って思って…」/

ルシアン 「……ふふ、うん。僕たちはいつでも歓迎するし、後輩くんからオッケーが出たらいつでもこのグループに追加して」/

ダーリャ = ウィリケン 「ありがと…。あ……えと、追加……。や、やり方だけ教えて…」
特定の相手としか連絡をとってない画面を…ちょっとそれが恥ずかしいけど、見せながら教えてもらって。
「………ともだちみたいなやり取りだ。なんだか」
そんな空気に、なんとなく笑ってしまう。/

ルシアン 柔らかい笑みを浮かべるダーリャにつられて、僕も笑ってしまう。
話してみると意外にも穏やかに話せて、なんだか嬉しくて頬が緩む。
「あはは。これからも甘味同好会で一緒になるし、きみともっと話してみたいから。きみさえ良ければ僕と友達になってほしいな」/

ダーリャ = ウィリケン 「……もっと早く、話しかけてみてたらよかった」
こんな時期になってやっと知れるなんてね、と小さく。
外では葉っぱが落ち始めていて、吹く風は冷たい。だんだんと冬が迫り…別れももうあと少しでくる。そんな時期に、やっとだなんて。/

ルシアン 「確かに、もう少し早かったら高校で話すことも出来たかもしれないね」
視線につられて外を見れば、もう秋も終わりに差し掛かっている。
僕たち3年生はすぐそこまで卒業が迫っていた。確かに、少しだけ寂しさはあるけれど……。
「でも、卒業したから同好会の付き合いもそこで終わり、とはならなそうだよ。このメンバー」
ヨドもルーカスも、何だかんだ言ったってミシェルも。
みんな集まるのが好きなんだろうなと思っているし、僕だってそうだ。だからきっと卒業したって、このメンバーでなんとなく会うというのは続きそうな予感がする。/

ダーリャ = ウィリケン 「………そういうの、ほんとの友達って言うのかな。……いいね、すごく」
自分もそんな中に加われる…のかどうかはまだわからないけど、ルシアンの話を聞いてると…いつもなら悲観的な意見で頭がいっぱいになるのに、そういうのがないなって。
「……もうちょっと、がんばってみるよ。明日のも。………勉強、も」/

ルシアン 「僕はダーリャとも一緒に何となく集まったり、遊んだりできる関係になれたらいいなって思っているよ。もちろん、きみの負担にならない範囲でだけどね」
「勉強ならいくらでも付き合うから呼んでよ。……運動はちょっと無理だけど」
「困ったことがあったらすぐに声かけて。手伝いできる範囲で手伝うからさ。遠慮しないでね」/

ダーリャ = ウィリケン 「ふふ……ありがとね。…じゃあ、そろそろ戻ろ。息抜きも出来たし」
優しいなあ、と笑ってしまう。ともすれば利用されちゃいそうなぐらい。
このほんの短時間でずいぶん印象の変わった同級生と、また自習室に戻って。
今日は帰りにお菓子の材料を買って帰ろう。
何がいいかも考えなきゃな。勉強の妨げにならない程度に。/