1日目


. :
『曼荼羅(まんだら)』
曼陀羅とも書き、サンスクリット語。
円板、円輪の意。壇、輪円具足などと訳す。
『カバラ(Cabbala)』
カバラはヘブライ語の動詞キッベール。
「受け入れる」「伝承する」の名詞形で、「受け入れ」「伝承」を意味する。
 
. : ■本シナリオでは、技能が失敗した場合でも振り直しが可能だ。
■また提示された技能は全て任意とする。
■ダイスを振らないという選択をとっても良い。
. : 【事前情報】
1)どんな理由であれ命を断ちたいと思ったことがある探索者限定。
2)探索者はメモ帳とペンを持っている。
3)どんな探索者が参加しても構わない。(継続探索者推奨)
4)推奨技能は<目星><図書館>。
5)推定時間は30分~1時間程度。
6)本シナリオはKP不要シナリオだが、KPを立てても良い。
7)本シナリオは受渡し型シナリオで、プレイし終えたら誰にでもこのシナリオを渡すことが可能だ。また、複数人に渡しても良いとする。
. : では、開始していきましょう。よろしくおねがいします。
『まんだらかばら』
卯憑 真白 : よろしく…
. : ある日のことだ。貴方は街中を歩いていた。
突然目の前から走ってきた人にぶつかるだろう。あまりに突然で貴方はその場に尻餅をついてしまう。ぶつかってきた相手は汗だくで、顔面も蒼白。そして貴方を、ジ、と見つめた。
それと同時に、貴方はその場で意識を失った。
. :  
. : 貴方が気がつけば薄暗い部屋だ。
蝋燭が点々としており、自分は布団の上に横になっていた。荷物も横にある。
ふと気づけば、自分は死装束を着ているではないか。枕元には屏風が立てて飾られている。
見知らぬ空間で、着た覚えのない服。そんな事実に貴方は動揺するかもしれない。
. : ■<SANCロール 0/1>
卯憑 真白 : 1d100<=91 【正気度ロール】
(1D100<=91) > 29 > 成功
卯憑 真白 : ……死に装束。日本式の葬儀かな。これは。
なぜ自分がそんな恰好でこんなところに寝ているのか、皆目見当がつかない。あのぶつかってきた相手は誰だったんだろう。
周囲に置いてあるもの…屏風も、枕元に置くのは葬送儀礼のひとつではなかっただろうか。
卯憑 真白 : とりあえず、部屋全体をぼんやり見渡す。なんだろう、この部屋は…。
卯憑 真白 : CCB<=25 【目星】
(1D100<=25) > 42 > 失敗
卯憑 真白 : …わからない。こういうの見るのは得意じゃないんだ。考える方は好きだけれども、いつも後ろ向きな方にしか考えられない。
. : 貴方はふと、この部屋にメモが置いてあることと、襖があることに気づく。
. : ■できること
・襖を見る
・メモを見る
卯憑 真白 : メモ…が、気になる。何…?
. : あれ?メモがない……
. : あったあった
. : 【image_01】

2018年12月16日

ここは一体、どこなのかしら?
気づいたら死装束を着てるし、気味が悪過ぎる。
私がこのメモを書いているのは、枕元にメモがあったからよ。
そこにこんなことが書いてあったの。

「この空間に留まり続けてはいけない。この辺獄では全てが最後、塵になる。
 それは人間も、この紙も、全て例外はない。
 この紙を見た者がいるならば、どうか、
 今すぐこの紙と同じようにあったことを書き記し、あったところと同じ場所においてほしい。
 この空間に呼び寄せられた者のための、道標となるよう。頼む。」

だって。律儀に同じ文章を書かなくても良かったかしら?
今すぐなんてあるから、とにかく書いてみたわ。
でも、この人の言っていることは本当みたい。呼んだらメモが塵になって消えたんだもの。
とにかく私もここから抜け出さなきゃ。塵になるなんてゴメン。
どーなってんのよ全く。

卯憑 真白 : 「……なんだ、このメモ。全てが塵になる…?」
卯憑 真白 : 「本当のことなのか、これが。読んだらメモが塵になって消える…?」
卯憑 真白 : 襖の方をしらべてみる…。
. : 貴方が襖を調べてみれば、すんなりと開くだろう。
開けてみれば、薄暗い廊下が見える。襖は4枚、どうやら部屋は4つあるようで、「理の間」「知識の間」「絆の間」「真実の間」と記されている。
それを認識したと同時に、元いた部屋の襖は勝手に締まるだろう。
卯憑 真白 : 「あ……」
メモは一応持って出てくるよ。閉まっちゃった…。
. : 元いた部屋に対しても目星が可能です。
卯憑 真白 : CCB<=25 【目星】
(1D100<=25) > 9 > 成功
卯憑 真白 : あっ 成功した
. : ■元いた部屋対して:<目星成功>
「死の間」と書かれている。襖を引こうとしても開かず、もう引き返せないようだ。
卯憑 真白 : 「……”死の間”……。じゃあ、死んでたってこと、なのかな。いつの間に…」
卯憑 真白 : 「…………。……置いて、きちゃったのかな。…」
卯憑 真白 : そうだな…一番近いのは?
. : まあ理の間やろか
卯憑 真白 : じゃあそこに行く
卯憑 真白 : ああ、そう……荷物は回収してあるよ。
. : 了解です、では…
. : <理の間>
貴方が扉を開けると、一見整理された普通の部屋で、机や本棚があるだろう。
ここに何かめぼしいものはあるだろうか?
. : めぼしいものを探す場合は<目星>をどうぞ。
卯憑 真白 : CCB<=25 【目星】
(1D100<=25) > 69 > 失敗
卯憑 真白 : ない…
. : 一度他のところを探索したら戻って振れることにしようね!
卯憑 真白 : わかった……
卯憑 真白 : 次に近いのは?
. : 知恵の間でしょうか…
卯憑 真白 : ならばそこへ行く
. : <知恵の間>
貴方が扉を開けると、壁中に本棚が敷き詰められていた。この中からめぼしいものは見つかるだろうか…?
. : <図書館>
卯憑 真白 : CCB<=70 【図書館】
(1D100<=70) > 46 > 成功
. : ■めぼしい本を探す場合:<図書館成功>
<塵を踏むものについて>と書かれた書物を見つけることが出来る。
. : <塵を踏むものについて>
時空を外れた辺獄のような領域に住むとされる人間型の神。小さい子供ほどの大きさしかなく、悠久の時の中で朽ち果てたミイラのような萎びた姿をしている。
その名を、「クァチル・ウタウス」という。
潜在意識に死への欲求を持つ人間は彼を引き寄せ、また逆に、彼に魅かれることもある。クァチル・ウタウスに触れたものは例外なく即座にとてつもない時間が経過したかのごとく塵と化す。
クァチル・ウタウスについて書かれた「カルナマゴスの遺言」という禁じられた書物があり、そこには、禁じられた言葉が書かれている。だが、その禁じられた言葉、禁じられた書物には、大きな代償がつく。
書物を読まず、口にしないことをお勧めする。
. : ■<SANC 1/1D3>
卯憑 真白 : 1d100<=91 【正気度ロール】
(1D100<=91) > 70 > 成功
system : [ 卯憑 真白 ] SAN : 91 → 90
卯憑 真白 : 「………」
黙読する。これは読んでいいものなのかな…?この言葉は口にはしないようにするけれど。
. : 最後のページにメモが1枚挟まっていることに気づくだろう。
読むことができる。
卯憑 真白 : メモ?読む…
. : 【image_03】

2018年12月16日

禁じられた言葉だなんて本当、物騒なこと書いてあるわねもう。
そうそう、元あったメモにこんなことが書いてあったわ。

「ここが塵を踏むものの住む時間と空間の隙間の辺獄というのなら、
 やはりここは危険な場所だ。
 この空間から脱出出来ないか方法を考えなくてはならない。」

脱出できる方法はどこだってのよお
あと、<絆の間>の襖を開けようと思ったんだけど
なんだか怖くて止めちゃった。女の勘ってやつかしら?
早く家に帰りたいわ

卯憑 真白 : 「……」
そういえば、メモ帳とペンを持ってるんだったな。これまでのメモを書き写した方がいい?
. : お好きにしましょう。
卯憑 真白 : …………。
『この空間に留まり続けてはいけない。この辺獄では全てが最後、塵になる。
 それは人間も、この紙も、全て例外はない。
 この紙を見た者がいるならば、どうか、
 今すぐこの紙と同じようにあったことを書き記し、あったところと同じ場所においてほしい。
 この空間に呼び寄せられた者のための、道標となるよう。頼む。』
『先駆者のメモあり。自分の前に居たのはどうやら女性のようだ。上の文章を書き写して、彼女もメモを残していた。私もそれにならうことにする。』
卯憑 真白 : このメモを…もう入れないようだから、死の間の襖の前に落としておくよ。
卯憑 真白 : もう一枚…あったな。知恵の間に戻り、さっき読んだ本を分かりやすい場所に置く。
本の上にメモを残すよ。
卯憑 真白 : 『ここが塵を踏むものの住む時間と空間の隙間の辺獄というのなら、
 やはりここは危険な場所だ。
 この空間から脱出出来ないか方法を考えなくてはならない。』
『先の女性は、<絆の間>に対し”嫌な予感”を感じていたようだ。私はまだその部屋へは行っていない。予感は、当たるのだろうか。』
卯憑 真白 : 書き終えたらさっきの部屋…理の間へもう一度行く。今度はメモを探してみよう。
. : わかりました。ハウスルール適用により、振り直しは+20でどうぞ。
卯憑 真白 : CCB<=25+20 【目星】
(1D100<=45) > 94 > 失敗
卯憑 真白 : おお…出目が…
卯憑 真白 : まだ見当たらないな。メモを探す、って行動にフォーカスをあててもう一度はどう?
. : んああ……よいでしょう、ハウスルール適用で*2、どうぞ!!
卯憑 真白 : CCB<=25*2 【目星】
(1D100<=50) > 69 > 失敗
卯憑 真白 : この部屋呪われてるんじゃない?
. : ミツカラナイネ……
卯憑 真白 : しょうがない、嫌な予感が~って書いていた部屋は飛ばして…いや、行くか。絆の間へ行こう。
. : <絆の間の襖前>
絆の間の襖にふれると、ゾクリ、と背筋が凍るだろう。なんだか嫌な予感がする。
. : ■<SANC 0/1>
卯憑 真白 : 1d100<=90 【正気度ロール】
(1D100<=90) > 54 > 成功
卯憑 真白 : 「………」
卯憑 真白 : やっぱり、さっきの部屋でなにか見つけてないのが気になる。
探索扱いにして戻って探せない?
. : いぃぃ……ぃい、でしょう 戻ってヨシ
卯憑 真白 : 次は自動成功か…ようやっと見つけた。
. : ■めぼしいものを探す場合:<目星成功>
貴方は<逆さごとについて>と書かれた本を見つけるだろう。
. : <逆さごとについて>
逆さごととは、通常の生活には存在しない”死”というものを意識し、死者の世界と日常を区別するために行われることを意味する。
古くより死の世界は現実の世界とは真逆の世界があると信じられていたこともあり、逆さごとは言わば風習として葬儀の場で行われるようになった。
. :  「逆さ屏風」
屏風の絵柄が天地逆になるようにして故人の枕元に飾ることを逆さ屏風と言う。
「左前」
故人に衣装を着せる際に衽を右ではなく左を前にして重ねる着せ方。故人側に右の衽が、そして左側の衽が上にくるように重ねる。
「魔除けの小刀」
亡くなられた方を魔物から守る魔除けとして魔除けの刀は故人の足元に刃を向けて置く。
. : 一番最後のページにメモが挟まっている。読むことができる。
卯憑 真白 : ああ、やっとメモだ…。何度この部屋を探しただろう。
. : 【image_02】

2018年12月16日

逆さごとねぇ。今の私が着てるこの服も死装束で左前ってことよね?
どういうこと?私、死んじゃったわけ?
いやいやそんなことないでしょ。
一人だとなんだか落ち込んじゃうわね。
しっかりしなきゃ。

卯憑 真白 : 「……」
前の人の感想だった…。これ以外にはない、ってことだよね。
. : ないですね。
卯憑 真白 : じゃあ……同じように、本を分かりやすい場所に出しておいて、その上にメモを乗せる。
卯憑 真白 : 『私たちは目覚めたとき、死に装束を着せられていた。つまり、死んだものという扱いになっていたということだ。
 この部屋がどのような部屋なのかは不明だが、あの屏風もそういうことか。』
卯憑 真白 : メモを乗せて…これ以上ヒントがないようなら、大人しく絆の間の方へ行くよ。
襖をあけて入る。
. : <絆の間>
部屋に入ると、中はとても薄暗く、ひんやりしている。
貴方の視界に入るのは、恐ろしい姿をした生き物。ミイラのような萎びた姿、手足はひきつれ、硬直し、動かない。髪も目も鼻もなく、網目状の皺に覆われており、例えるならば そう……
一度も呼吸したことがない中絶胎児のようだった。
. : ■<SANC 1D6/1D20>
卯憑 真白 : わあ…
卯憑 真白 : 1d100<=90 【正気度ロール】
(1D100<=90) > 61 > 成功
卯憑 真白 : 1d6
(1D6) > 4
system : [ 卯憑 真白 ] SAN : 90 → 86
卯憑 真白 : どきどきした…。なんだろう、これ…。
. : その生き物は、一言も声を出さず、動かず。ずっとその場に佇んでいるようだった。
. : 彼に触ることも可能です。
卯憑 真白 : いや、触らないよ…。
卯憑 真白 : 「……”塵を踏むもの”…?であるのなら、……触ったらいけないよね。たぶん……」
卯憑 真白 : メモを残そう。部屋の前に…。
卯憑 真白 : 『中を確かめた。ミイラのごとく干からびた、ちいさな死体に似ているものがひとつ、安置されている。気分のいいものではないため、部屋に入らないことをすすめる。部屋の中には、それ以外はなにもなかった。入らない方が身のためだ。』
卯憑 真白 : 絆の間の前に落として、最後の部屋を確認する。真実の間…。
. : <真実の間>
襖を開けてみれば、中は一番最初の、自分が目覚めた部屋と全く同じ作りになっている。
そして、布団の上では……自分が、寝ていた。まるで死んだように、綺麗な寝顔だ。手には「カルナマゴスの遺言」と書かれた本を持っていた。
その横にはメモが置いてある。
卯憑 真白 : 「あ……。……僕だ、これ…」
卯憑 真白 : 「…………死んでいるようだ。……死んでいるのかな」
卯憑 真白 : 本には触れず、メモを見る。
. : 【image_04】

2018年12月16日

逆さごととは、通常の生活には存在しない死というものを意識したものってあったけれど、
それなら、その逆さを全て逆転したらどう?
真実の間でそうすれば、現実にも反映されるんじゃない?

でも、ここで寝ているもう一人の私が真実の存在なら、今の私は一体何?
あとこの魔除けの小刀の使い道は?

この部屋で寝てる私が「真実の間」だから真実の存在の私。
となると、今の私私が元いた部屋は「死の間」だったから
はあもう頭ぐちゃぐちゃ。
怖いけど、死にたくないし。やるしかないわね。

. : この部屋では<目星>が振れます。これは…もう一度見ているってことにして+20でもいいかな…?
卯憑 真白 : CCB<=25+20 【目星】…
(1D100<=45) > 53 > 失敗
卯憑 真白 : +20でもだめだった やっぱ見る気がないよ
. : そうだな…<アイデア>もどうぞ
卯憑 真白 : CCB<=85 【アイデア】
(1D100<=85) > 14 > スペシャル
卯憑 真白 : その出目がもういっこ前にさあ
. : ■<理の間>を探索し終えている場合:<アイディアロール>成功
貴方は自分がここから出る方法を思考する。
「逆さ屏風」「左前」を逆にさせ、そして、この部屋の自分が”真実の自分”だとしたら、死の間にいた自分……すなわち現在の自分は、自分の死の概念そのものなのでは?と感じる。
. : そうだな…ここで足元を見れば小刀が置いてあることに気付くかもしれません。
. : これ目星いらんやろ 出しますね
卯憑 真白 : ええ……
. : ■目覚めた部屋で目星に成功しておらず、部屋内の全てを理解してない場合:<目星ロール>成功
貴方が部屋の中を見渡し、確認すれば、至って普通の小刀が、足元に刃を向けて置かれていることと、枕元に飾られている屏風の柄が逆さになっていることに気づくだろう。
更に、死装束を着ているため、衽が右ではなく左を前にして重ねられている。
. : この魔除けの小刀を、自分自身に突きたてれば良いのではないか?と思うだろう。
卯憑 真白 : 「……自害を、しろと。そういうわけか」
卯憑 真白 : 書き残しておこう。メモを。
卯憑 真白 : 『これまで訪れた部屋の情報から察するに、このまま”真実の間”の私が死んでいる状態であるのなら、私は死に続けるらしい。
 逆に言えば、この逆さ屏風を元の位置に正し、死に装束を生者のものに整えれば、それは死体としての私ではなくただの寝ている私として存在するのではないだろうか?
 小刀の使い道としては、今現在筆をとっている”私”の処分ではないだろうか。”死の間”で目が覚め、死を背負った私は、正しい私とは別の存在だと思う。
 もうひとつ。本は読まない方がいい。命がおしくなければ。』
卯憑 真白 : ……逆さ屏風を元の位置に戻し、死に装束を生者のそれに戻す。
あとは…この小刀で、喉をひとつきにして終わりだ。
. : ■探索し終えたと判断し、元の世界に戻るためにすべきと思った行動をとった場合
貴方が自分が元の世界に戻るべく、必要だと思った行動はとっただろうか?
次の指定されたページに行ったら、もう後戻りすることは不可能だ。
よく考えて、思い残すことのないよう考えたのちに、ページをめくってほしい。
卯憑 真白 : いいよ。戻るならさっさと戻りたい。
. : このページに来たならば、もう後戻りは出来ない。
貴方には、このシナリオで振った技能の回数はいくつか教えてほしい。
SANCロールや能力値ロールは回数から除外されることはない。全ての技能に当てはまる。
卯憑 真白 : つまり、今まで振ったダイスの数ってこと?
. : そういうことになりますね
卯憑 真白 : ちょっと待って…
卯憑 真白 : 12回だった
. : 貴方は長くこの空間に留まりすぎた。指先から、サラサラと塵となり始める。
貴方は自分の行おうとした行動が間に合うだろうか?
. : ■<幸運ロール1/2>
卯憑 真白 : CCB<=85/2 【幸運】
(1D100<=42) > 52 > 失敗
卯憑 真白 : ああ………これは………
. : 【END:A】
サラサラと貴方の指先から、手首、腕、全てが塵になっていく。
助かる方法もなく、薄暗い部屋の中。今までの人生に想いを馳せるだろうか?
命を断ちたいと思った時のことを後悔するだろうか?それとも、今の自分を堂々と受け止めるだろうか?
貴方は最後の砂の一粒となり、消滅した。
. : お疲れ様でした。ロストです。
卯憑 真白 : おああ……ロストしてしまった……おつかれさまでした
. : 【背景】
この事件の始まりは、一人の魔術師だった。その魔術師は人生に絶望し、とても後ろ向きな人間だ。そんな彼は冒涜的知識を身につけていくうちにどんどん精神を病んでいく。
後ろ向きな彼は世界を滅ぼすつもりもない、人々を支配するつもりもない。最終的に、彼が望んみ行き着いた場所は「死」だった。
そして、死や消滅への欲求を持つ者の彼の元に、招かれざるものであり、塵を踏むもの「クァチル・ウタウス」は降り立つ。彼はクァチル・ウタウスに導かれ、クァチルが住む時間と空間の隙間の辺獄へとたどり着く。
死を望む彼はその空間で、「カルナマゴスの遺言」を探す。「カルナマゴスの遺言」に書いてあるという、クァチル・ウタウスに触れた一節。
それを口に出して読むと、異常に加速した時間流に巻き込まれ、まるで無限の時間を過ごしたかのように、朽ち果て塵と化し、風に吹かれて消えてしまうという。
当初の目的だった死。
だが、経験したことない冒涜的な現象に、彼は死に恐怖を感じ始める。“死にたくない”。
. : そう思った彼は、どうすればこの空間から抜け出せるか、メモを残しながら考える。
だが、彼はこの辺獄に長く居すぎたのだ。気づいた時にはすでに遅かった。彼は、朽ち果て塵と化し、風に吹かれて消えてしまった。
残ったのは脱出へのヒントがあるメモだけ。そのメモでさえ、時間が経てば塵となってしまうだろう。
そのことがきっかけで、時折この辺獄には、一瞬でも死を考えた人間が引き寄せられる。
今までにこの辺獄に留まりすぎたせいで塵となり朽ち果てた者や、見事脱出した者もいるだろう。
皆はメモを残した。この空間では長いこと止まり続けると、塵になる。
人間でもメモでも例外はない。
この空間では死に近い場所、ということで、全てが”逆さ事”になっている。
さあ、この辺獄に導かれた君のたどり着く先は……?