私悪 -吊死愛-

情報

KP 【事前準備】

キャラコマ
・「盤面から削除」を選択し、権限をPLのものにしてください。
・ステータスに間違いがないか確認をおねがいします。

PL
・「ハウスルール」のタブを確認し、内容の把握をお願いいたします。

ハウスルール

KP 【ダイスについて】
・技能値はCCBで振ってください。
・SANチェック以外のスペシャル、クリティカル、ファンブルを採用します。
 クリティカルの際は「クリチケ」か「スペクリ表」から選択、ファンブルの際はKPの自由か「ファンブル表」を強制。
・通常ダイスは描写後そのまま振って大丈夫です。茶番ダイス、チョイスなどは自由にお振りください。
・KPのガバ3つでクリチケ1枚贈呈します。おわび。PLからの指摘でも増えます。

【ソロ向けルール】
ダイスロール失敗からの振り直しは、2回目で+20、3回目で*2、4回目で自動成功

【特別措置】
・行き詰った場合は、探索者の秘密(その場での構造も可)をKPにおしえてください。
 笑顔になったKPがヒントを出す可能性があります。
【発狂について】
・一時、不定と同時に発症した場合、どちらも併発します。
・複数人数向け、感情特化のオリジナル発狂表あり〼。
・一時的狂気のアイデアでクリティカルしたときの処理は以下のどれかになります。
①狂気2つ目を贈呈
②クトゥルフ神話技能+1%
③クリチケ1枚

【一時発狂表】一度に5以上SANを喪失した際に振ります。
1:気絶、あるいは金切り声の発作
2:パニックに陥り逃げ出す
3:肉体的ヒステリー、感情の噴出
4:独り言、多弁症
5:その場に釘付けの恐怖症
6:殺人癖、自殺癖
7:幻覚、妄想
8:反響動作、反響言語
9:異食症、寄食症
10:昏迷、あるいは緊張症

【長期発狂表】一定時間内に最大正気度の1/5以上喪失した際に振ります。
1:健忘症、昏迷、あるいは緊張症
2:激しい恐怖症(恐怖の対象が見え続ける)
3:幻覚
4:奇妙な性的嗜好
5:フェティッシュ、執着
6:制御不能のチック、交流不能
7:心因性視覚障害、難聴、四肢の機能障害
8:短期の心因反応
9:一時的偏執症
10:強迫観念にとらわれた行動

【ちょっとえっちな事故ファンブル表】
1:わけもなくムラムラしてきた…
2:つまづいて同行者にちゅー!
3:突然でてきたちゅんちゅんにびっくり!同行者に抱き着いちゃう!
4:突然服がはじけちゃう!なんで!?
5:同行者がなんだか性的に見えちゃう…
6:なんだかちゅーされたくなってきた…
【成長】
・セッション終了後、「成長判定」で技能値以上の数字が出たら成長。本編で成功した技能のみ行える。
・成長チャンスは、一技能につき1度のみ。STRなどの能力値は成長不可。
・成長で技能値が90を越えた場合、「技能を極めたという精神効果」により即座に2d6の正気度回復。

通常成功(初期値含) 1D10
クリティカル・ファンブル 1D10+5
1クリ出たら即時1D10
【スペクリ表】
1:500円(1クリなら1000円)が懐から出てくる 正気度回復1
2:次の技能+10%
3:ダイス振り直し券
4:なにかなごむことが起きる 正気度回復1d3
5:ばんそうこうが落ちてた!HP回復1d3
6:出張してきた顔のない幻覚さんの鼓舞激励!正気度回復1d3+HP回復1d3

【ファンブル表】
1:タン=ス神の襲来!ダメージ1or正気度喪失0/1
2:つまづいて同行者のズボンをひっさげる!哀しみで次の技能-10%
3:目にゴミが入る!or耳から草が生える!次の目耳を使う技能が半減
4:トラウマ微刺激!正気度喪失0/1d3
5:なぜか頭上からタライが!?HP喪失1d3
6:出張してきた顔のない幻覚さんの無意味な叱咤!正気度喪失0/1d3+HP喪失1(ビンタ)
【RPについて】
ひととおりRPが終わったら「/」「〆」「終了」のどれかを末尾に書いてください。
あくまで目安なので、必ずしもつける必要はありません。
また、「RP可」とKPが書いた場合、描写の最中でもキャラをうごかして構いません。

雑談

KP 待機KP

PL お待たせしました!

KP おつかれさまです!
ゴハンを用意できてまことにえらい

PL いや本当にすみません、お待たせしました。

KP こちらのセッションですが、OPがえらく長いので食べながらゆっくり進めましょうか

PL ありがとうございます……!

KP まずは画面のところにキャラコマ表示をおねがいします!

PL ぽちっとな!

KP ヨシ ありがたし
ではタイトルコールから始めて行きましょう

メイン

 _ わたしにとってそれはほかのどの感情でもなく、
恣意的に名前をつけるのだとすれば「悪意」でした。
 
しかし世の中で昼寝をするように横たわって居るそれらは全て
わたしにとって悪意でしかありませんでした。
 
従って、私はひとが持ち合わせている
ごく有り触れた感情について
お話ししようと思っているのです。
 
悪意とは松本のことです。
 
( それでも、どうにか。 )
 
 「 私悪 」
 

雑談

倉内衣織 松本、、、ひとし

メイン

00 序文
 

01 わたしにとってそれはほかのどの感情でもなく、恣意的に名前をつけるのだとすれば「悪意」でした。
しかし、世の中で昼寝をするように横たわって居るそれらは全てわたしにとって悪意でしかありませんでした。

従って、私はひとが持ち合わせているごく有り触れた感情についてお話ししようと思っているのです。

今は食事をしています。クリーム色をした豆乳の中にシリアルが浮かんでいます。少し時間が経ってしまったので、硬かったそれらは柔らかくなってきてしまい、口に入れて歯で潰すとまた砂糖の甘みと豆乳の乳臭さを感じます。

わたしはこの食事が大嫌いでした。

02 食事を終えました。話を戻しましょう。
悪意とは松本のことです。

03 松本はわたしにとって、友人や親友だのといった言葉で形容してしまえる関係かも知れません。
他にも人間二人の関係性を示す言葉は沢山ありますが、最も自分の感じているものに相応しいものを探し出そうという気は一切ありません。

松本は平凡な男で、何が可笑しいのか私には皆目見当がつきませんでしたが、常時笑みを浮かべているような男でした。
そして鬱陶しい奴でした。わたしの勉強への態度や成績、社会への意欲というものに、こと煩く口出ししてきたのです。
それは松本には関係の無い話だとわたしは一蹴して話を終えようとしますが、そんなとき松本は決まって踵を返したわたしより先回りして肩を掴み、正面から「話は終わっていない」と言うのです。
彼にとって話が終わっていなくても、わたしにとってはとっくに済んだ話です。彼の主張に付き合ってやる義理もありません。
わたしは彼の、血管や筋肉が筋張り浮かび上がっている腕を一瞥すると、軽く手の甲ではたきます。そして、離しなさいとだけ言って彼の次の行動を待ちます。
そうすると、決まって彼は一等強くわたしの肩にその手指を食い込ませた後に、脱力したように力を抜いて腕をだらりと下げます。
そのときの松本はまさに雨に降られた野犬のようでとても情けないです。

雑談

KP こちらだいぶ長い文章が続きますので、もし「流すのが早い!」とかがありましたら言ってください…!

PL はーい!今のところ大丈夫です!ありがとうございます!

メイン

04 生え揃った眉を八の字にさせて次に訪れる自分への罰を恐れながらも受け入れようとしているのです。

わたしはそんな松本の輪郭をなぞって瞳孔にそのまま写生してから軽く溜息を零します。
その、わたしのくちびるから発せられる紙片一枚揺らせやしなさそうな微かな吐息ですら、松本の首を絞めます。
まるで死刑宣告をされた囚人かのように肩を大きく揺らして、真っ黒な瞳孔は震えるように、餌の位置を知らせる蜜蜂のダンスのような曲線を描きます。
その速度がどんどん上昇して、回り続けることで一つの模様を描く駒のようになってしまう前に、声を掛けます。

05 “ きみには関係ない ”

06 松本にとってこれほど怖ろしい言葉はない筈です。
目論見通り、彼は感情が服を着ているかというほどに分かりやすく狼狽えました。
松本は声にならない、嬰児のような言葉を二、三程空気中に溶かし込んでは、言葉が自らの意思を思って形を成すことを期待しているようでした。
しかし言葉にはいのちがありませんので、何時まで経ってもそれらは何の意味も持たない音のままでした。
 

07 わたしは知っていました。
もう随分と前から、それこそ松本の心に悪逆の花が芽吹いた頃、過ちを犯したいという欲求に蝕まれた頃からです。
彼の心は悪意に呑まれている。彼はその薄っぺらい仮面を、無害で無能な犬のような笑顔で諂うことで、生まれたときから彼の内側に存在し片時も離れることがない悪意を下手糞に覆い隠していたのでした。

わたしは松本に初めて出会った時から、彼が持ち得る物だとして提示している全てが偽りで、彼にとっての本物は、その一切の不純物が含まれていない悪意だけなのだと理解していました。
だからと言ってわたしは松本になんて興味ありません。従って関わる気も毛頭ありません。
わたしは彼を遠巻きに見つめるだけの只の同級生でした。
わたしにとって松本はこの程度です。
しかし不幸なことに松本にとっては違う話なのです。
 

08 ある日の事でした。
その頃は梅雨の時期で毎日湿気の多いこと、目の粗い曇り硝子のような毎日を過ごしていました。
使い古された空気では息が詰まるようで、窓際の席に座っていたわたしはこの汚濁のような教室から逃れるべく、窓を開けて其方側に顔を向けました。

するとそこには見慣れた男の見慣れない表情がありました。
教室棟からは遠く離れた場所に位置する焼却炉の前での出来事だったので、詳細に彼の様子を眺めることはできませんでした。
しかし、切り揃えられた短髪と整えられた眉、何でもかみ砕いてしまいそうな頑丈な顎、クラスメートよりも頭一つ出る長身。
彼が、松本が珍しく偽りない表情で立ち尽くしているのがわたしには理解できました。
不出来な木偶の棒しかいないこの教場で、彼の本性に唯一気が付いているのがわたしでしたから。
折り紙を千切って貼り付けたような歪な仮面は全て剥がれ落ち、そこには純然たる悪意だけが爛々と顔を出していたのです。

焼却炉からは途絶えてしまいそうなほど細い煙が揺ら揺らと、自分の向かうべき居場所を探るように立ち昇っていました。
べたつく肌と眉を顰めさせる土の匂い。もうすぐ雨が降るのでしょう。
牛乳の上に出来る膜みたいな薄い何かが自分を覆いつくしているかのように全ての感覚がぼうっとしていました。いえ、ただ一つにだけわたしは酷く鋭敏な傾きを持っていたことを自覚しています。

それが松本です。
 

09 授業が始まりました。
内容は全て頭に入っているため、出席することにのみ意味がある無駄な時間でした。
座学は良いのです。教師から万が一指されたとしても、内容を諳んじて答えることが出来ます。

しかし、実習活動だけは駄目でした。
担当している大柄な熊のような男は、体操着を持っていないだけでその授業時間全てを費やして生徒を詰る性根の腐った奴だったからです。
酷く憂鬱でした。今朝見た時よりも分厚くなった空の雲が地面に落ちてきて、全てを潰してしまえばいいのに、と幼稚な逃避に耽るほどにわたしの心持ちは暗澹たるものでした。

わたしは勿論何も持っていません。しかし、出席しなかったことには出来ません。わたしにとって最も恐ろしいのは悪逆の松本でも、淫行教師熊先生でも、暴力が思考伝達手段になった両親でもなく、何かから逃げ出した自分というものだったからです。
二進も三進もいかないと諦めがついたわたしは、制服姿で体育場へと向かいました。
整列している間、誰かが笑っているのが聞こえました。音はやがて視覚化され、形を受け取りそこに立ち現れます。「クスクス」という文字がすっかり古びた体育館の黒柿色の壁を我が物顔で闊歩していくのを見送りました。
 

10 熊先生といえば、松本よりもお芝居の下手糞な大根野郎なので、「クスクス」を自分の肩で躍らせながら、わたしに体操着はどうしたと問い尋ねるのです。
この男が分からない訳ないのです。分からないのであれば猿以下の阿呆か、瞽者(こしゃ)かの二択でしょう。
「無くしました」と事実を誠実に回答する私を怒鳴りつけると、猿以下の阿呆は私の制服に手を掛けました。

後はいつも通りの授業でした。いつも通りにしてしまえば何て事は無いので、わたしは平静通りに過ごしました。
 

11 放課後のことでした。
わたしはいつも通り教室で日が暮れるのを待ちました。
早く家に帰ったとしても待っているのは家仕事と酒瓶、強烈なアルコールとヤニの臭い。益を成さない穀潰しだけです。

授業が終了したことを報せる鐘の音を引き換えに、喧しい蠅どもが遠ざかり、やがて教室にはわたしと静寂と埃の匂いだけになります。
たった三人だけになることを待ち侘びながら、本を読んで小汚い教室が橙に染まるのを時折眺めます。

夜は大嫌いです。わたしから自由を奪い去ってしまうから。
大嫌いな夜に取って代わられてしまう寸前の、悲鳴にも愉悦にも似た刹那的な橙が世界を染め上げるとき、わたしの心の海はようやく凪ぐのです。
その下にどんな佞悪醜穢(ねいあくしゅうわい)とした混沌が広がっていようとも、純度の高い橙が全てを塗り潰し何も言わせずに静寂を守ってくれるのです。

いつものように橙色の教室で、息を吸って吐いたり、掌を夕日に向けて血管を透かしてみたりしていた時でした。
静寂を引き裂くように木製の扉が軋む音がして、乱暴に誰かが三人だけの世界に立ち入って来ました。
 

12 それは、松本でした。

わたしが何かを口にする前に、彼は闘牛のような猛然たる勢いでわたしの胸倉を掴み顔を寄せました。
衝撃に寄ってわたしの胸ポケットに入っていた万年筆が床へ落下し、ぶつかり合う軽妙な音が古い木目に響きます。

それはまるで、一日の始まりを報せる鳥の鳴声のようです。
或いは婚姻を誓う夫婦を祝福する鐘の音です。

彼の荒い呼吸が繰り返されるたびに、わたしの前髪が縁側に飾られた風鈴のように揺れるのを、どこか他人事のような心持で見つめていました。
 

13 ” どうしてきみはなにも言わないのか “
 

14 噛んでいたのか、血が昇っているのか、そう問い詰める彼の唇からは僅かに血が滴り、顎から床へ一滴落下してゆきました。
不思議とそれが瞼の裏に張り付いたように痛烈に印象に残っていたのですが、今思い返せばそれが、この後の二人の行く末を物語っているように思えたからなのかもしれません。

“ 話を聞いているのか!全部分かっているんだろ! “

松本はより強く胸倉を掴みわたしを引き寄せました。
詰められているわたしと言えば、そんなに強い力で握りしめれば、皺になってしまう。汚れていないシャツはもうあと此れ一枚しかないのに、などと考えに耽っていました。
そんなわたしが気に召さなかったようで、松本は突然、わたしの首にその血管の浮き上がる大きな手を回してきました。そして、ぎゅうぎゅうと手加減無しにわたしの気道を圧迫してゆきます。

頭に酸素が供給されずに視界も思考も斑模様を描きます。斑点が群れを成して踊る様に天井の一角へ吸い上げられてゆきます。本で見たあのザラメのような流星群――又は皿洗いを終えた後の排水溝のようでうつくしかったです。
何だか可笑しく思えてきました。わたしも盆暗共と同じになってしまったのでしょうか。
 

雑談

PL 失神の描写、良

KP わかる

メイン

15 橙色に染まった涙を流す松本は、本当に世界で一番愛おしい命に思えたのです。

わたしは、きちんと毎日母親の手によって皺を伸ばされているであろう松本の学生服を引っ掴み、鼻骨がぶつからないように一寸だけ顔を傾けながら、打ち捨てられた紙屑のように顔を歪ませている松本のその血の滲む唇に自分の唇を重ねました。
松本は魂が束縛から解き放たれたかのように身体中の力を弛緩させました。それと同時にわたしも唇を離し、濡れた感触のあるそこを舐め取ってみました。
松本の血は美味しくありませんが、あの窓の出っ張り部分みたいなクリーム色した豆乳よりかはマシに思えます。
 

16 “ きみが私の制服を焼き捨てたことか? ”

“ きみが、私が世話をしていた飼育小屋の鳥を殺したことか?きみが私の上履きをトイレのバケツに突っ込んでいたことか?きみがあの淫行教師に私は卑猥な阿婆擦れだと伝えた事か?きみが私の両親に不良少年だと嘯いていたことか?それとも―― ”
 

17 恐らく松本が待ち焦がれていたことを仕様が無く、念仏を唱える法然のように淡々と発声を繰り返しました。

しかしわたしの言葉を途絶えさせたのは、涙を何粒も滴らせる松本の顔の、その晴れやかなことでした。
呆けているわたしを構わず、彼は、上履きを履いていないために泥だらけになったわたしの足に頬ずりをします。
絶えず流れゆく松本の涙がわたしの甲を滑り落ちていきました。頬ずりを繰り返す度に土だの埃だのが、生え揃えられた松本の髪やふさふさとした眉に付着してゆきます。
そんなことは全く気にならないような様子で、顔全体を使ってわたしの足を癒すかのように彼は何度も何度も頬ずりを行いました。
そして粗方綺麗になったように思われた頃、教室の橙は藍へとその色を変えようとしていました。
藍は好きな色ではなかったので、この場から出て行きたいような心持になりましたが、彼はわたしを離そうとはしませんでした。
 

18 “ 俺は、きみの制服や体操着を盗んで焼いて捨てた ”
 

19 “ きみが世話をしていた生き物小屋の鳥を、部活で使っている竹刀で突いて殺した。きみの上履きで自分を慰めたあと、そのままトイレのバケツに突っ込んで、きみが来た時分かるように置いておいた。熊田先生は部活中にも生徒をそういう風に見ていることは知っていたから、抵抗できないきみは恰好の的だと思って、先生の授業に問題点を感じていることを織り交ぜながらきみが家でされていることを伝えた。きみの親御さんは俺のことを信頼してくれているのを知っていたから、きみが家にいないとき先生といけないことをしていると涙ながらに伝えた。勿論俺はずっと前からきみがお父さんからそれよりも酷いことをされているのを知っていたけど。そうなったのも、きみがそうされたいと望んでいると、けしかけたのは俺だ ”

呼吸も返答も挟む余地を与えずに、松本は一息にそう吐露しました。
 

20 “ ああ、きみが私の父親に、そう仕向けさせたのは知っている。きみは随分私のことを知っているような口をきくけど、それよりも私はきみのことを知ってる ”

机の上に腰かけて見下すわたしを、松本は蜘蛛の糸を見つけた犍陀多のような顔で見つめ微笑み問いました。

21 “ では俺がきみのことを愛しているのも ”
 

22 “ ああ、勿論 ”
 

23 はじめからそういうふうに出来ているかのように、わたしは間髪入れずに答えます。
松本は顎を大きく開いて舌を突き出したかと思うと、べろべろとわたしの足を舐めあげました。
指の隙間から爪の隙間まで自分の舌を這わせなかった箇所などないように、丁寧に丹念に舐めあげました。
それは非常にこそばゆいような感覚で、足の皮膚の薄い敏感なところを繰り返しねちっこく舐められるものですから、まるで心臓を彼に舐められているようなそんな気持ちがして、大層不愉快な快感でありました。

“ きみがわたしを愛するのは罪を赦すからでしょう ”

“ 俺がきみを愛するのはきみだけが俺を赦すからだ ”
 

24 “ ではきみは、赦された ”
 

25 その言葉を聞くと松本は切れ長の目を大きく見開き、動きを止めました。
そしてまるでそうすることを計算されて造られた機械仕掛けの人形のように、床に転がっていた万年筆を自分の首にあてがいました。
 

26 “ いや、まだだ ”
 

27 それが、松本が生きていた頃の最後の言葉であり行動です。

彼は自分の血潮が全てわたしに降り注がれるように前のめりに倒れ、わたしを抱きすくめました。
今でもまだ彼の冷たくなっていく温度を覚えています。
彼の心臓が脈打っていた頃の人を溶かすような体温よりも、静かになった裸の体温の方が余程松本らしいように、わたしには思われました。

このようにして松本は赦されました。
松本の信仰が松本を救ったのです。
 

28 死ぬことは恐ろしいことでしょうか。
空を飛んでみたい気持ちがあります。

死の有害性を唱えた哲学者がいたように憶えていますが、はじめから奪われているわたしにとって生こそがわたしを束縛する唯一のものでした。

その日の夜、豆乳のようなクリーム色した窓の出っ張り部分に立ってみました。
夜は大嫌いです。夜風が薄汚いヤニ臭いカーテンを揺らします。あの時の松本の荒い呼吸で揺れたわたしの前髪みたいに。
松本はもういません。赦されてしまったから。
彼が証明した事実が、彼の血潮を浴びた刻から瞼の裏に張り付いてしまって離れません。
生きていることは不条理で、不合理で、間違っている。

空を飛んでみたい気持ちがあるのです。
 

29 それでも、どうにか。
 

- - SANc 1d10/1d100


(この時点で SAN 値の増減はしなくて良い)

雑談

KP というのが序文でした

PL ああああああああぁぁぁ

KP 好きそうだと思った

PL 松本。よかったね……
おれ、これ、すき

KP ここで部屋の全体を引いて見るといままでの文章が張られています(ネタバラシ)

PL おわおわおわおわほんまや
空を飛んでみたい気持ちがあります。という言い方、書き方に、どれほどの想いがあろうかと想像するだけで、その想像する余地だけで
僕は死ねる

KP ニコ……
この文章、「わたし」の性別は不明なのがまた好
余白がうまい

PL わかる

KP 「空を飛んでみたい気持ちがあります」の一文にどんな感情がこもっているのか…

PL 松本に一体何を見たのだろう

KP 悪意の松本になにを見て…ふふ
ハッ メインの方のダイスをおねがいいたします!
忘れてた

PL ご馳走様でした……(ダブルミーニング)
はっ!

KP ふふ…
私はこの文章だけで白米が食べられる

メイン

倉内衣織 CCB<=73 SANチェック (1D100<=73) > 38 > 成功

雑談

KP えら~~~~~!!!!

わーい!  

メイン

倉内衣織 1d10 (1D10) > 8

雑談

KP ふふ 名前

PL よくやるこれ

メイン

KP このSAN減少は現在のSANに反映をしなくて大丈夫です。
続けていきます。

雑談

PL 出目ちょっとたかいな

メイン

PL はい

KP  
 
しきりに蠢いている。
視界の中に動くものは、あってほしいと願ってしまうほど、無い。
しかしあなたは感覚として蠢くような気配を、覚醒してからというものずっと感じ取っていた。
――漸く、ゴツゴツとした岩肌に壁に書き連ねられた最後の文字を、あなたは読み終えた。
壁というのは些か不適切かもしれないが、それ以外にこの物質を表現する方法をあなたは持ち合わせていなかった。
直に壁に触れてみたこともあったが、見た目とは裏腹に、押し付けた指が沈むほど柔らかい。しかし衝撃は吸収されてしまうばかりで破壊することは不可能だった。
さて、このあたりからRPを挟んでいただいて大丈夫です。

倉内衣織 ……なんだ。ここ

KP まずはあなたの現在の状況をお伝えしましょう。
あなたはここをどこかの洞窟だと考えている。
そして、ここに迷い込んでから、もう三日程経過している。
自分の意識ではそのように捉えているが、それが正しいかどうかの判断はつかない。
何故ならばここには自分一人しか存在しない為である。
ここに来た当初、どうにか脱出できる術はないかと洞窟内をあちこち散策してみたことがある。
結果として出口のようなものはみられなかったが、代わりに壁の記録を発見することができた。
壁には赤褐色で、あなたの読解できる言語でびっしりと文字が書き連ねられていた。
そして何も無く誰も居ないこの空間に唯一垂らされた一本の蜘蛛の糸の如く、縋る様にしてあなたはこの文字を読み続けた。
そうして三日が経過した今、糸はプツリと途切れた。
辺りをどれだけ探し回っても、目を通していない文字はもう見当たらない。
読了してしまったのだ。
この閉鎖的な空間で身一つのあなたが存在しているということを示していた、唯一の存在・意義・娯楽を失ってしまったことに、気が付いた。
SANc 1/1d5

倉内衣織 CCB<=73 SANチェック (1D100<=73) > 3 > 決定的成功/スペシャル
えええ

KP なんと!?まずはクリチケを一枚どうぞ

雑談

KP 出目がいい!?!?

倉内衣織 わぁい

メイン

倉内衣織 クリチケはキャラシに適当に書き添えて置けば良いでしょうか?

KP キャラコマの「ステータス」というところに追加する形で書いてもらえるとありがたいです!
やり方は分かりますか?

pl 出来ました

KP うまい!ありがとうございます!

雑談

pl ドヤ顔しちゃったな

メイン

KP さて、現状が分かったところで。
あなたのできることを開示いたします。

情報

KP ・《地質学》 / 《知識》-20 / 《ナビゲート》を振る
・《地質学》 / 《博物学》-20 / 《知識》の半分 を振る
・改めて周囲の探索をする
・周囲を破壊しようと試みる
・大声を出す

雑談

KP あまりに完璧なドヤ顔 KPでなきゃ見逃しちゃうね

情報

pl  

メイン

KP 情報タブに現在できることを貼りつけました。また、これ以外にしてみたいことがありましたら提案も可能です。
ただし、実際にしてみて意味があるかどうかは分かりません。

雑談

KP ふふ そこは情報!

倉内衣織 あうっ、変なとこに書いちゃった
すみません

KP かわいいので赦します

倉内衣織 ありがとうございます
早速降りますね、メインで

メイン

倉内衣織 CCB<=42 知識 (1D100<=42) > 23 > 成功

雑談

PL いけたよ

メイン

KP こちらは「《地質学》 / 《博物学》-20 / 《知識》の半分」の行動でよろしいでしょうかしら

雑談

KP えらすぎる……

メイン

PL はい

KP では、えらえらの成功情報を。

情報

KP 《地質学》 / 《博物学》-20 / 《知識》の半分

→ 洞窟内の構造は非常に複雑怪奇であり、自然発生された物とは考えにくい。温暖化等によって発生したガス爆発によって生成されたような印象を受ける。
日本ではそういった洞窟が観測されることは珍しく、あなたの記憶にある爆発作用で生成される自然洞窟の例は、シベリア地方だ。

メイン

KP 情報タブに貼りつけました!

雑談

倉内衣織 し、しべりあ
送られた?

メイン

倉内衣織 ふむ……

雑談

KP シベリア送りになったいおりくん

PL 赤くなかったんだ……

KP 名前のところはこんなに赤いのに

倉内衣織 失礼しちゃいますよね

KP ひとりきりでシベリア送りにされてかわいそう

メイン

倉内衣織 (大声を出せば誰か気付くだろうか……)

雑談

倉内衣織 少し寂しい

メイン

KP 大声を出してみますか?

倉内衣織 はい

KP 以前も試みたことがあったが、あなたは「誰かに気付いてもらえる」ことを願い、再度大声で助けを求める。
が、その行為もむなしく、体力を消費するだけで徒労に終わった。
あなたの出した大声は洞窟内に反響することもなく、そのしわがれた声は壁面或いは何処かへと収音されていった。
自分は果たしてこんな声だっただろうかと、まるで他人の物のように感じる。
あなたが考えているよりもあなたの精神状態は、礎の朽ちた塔のように不安定なものらしかった。
恐ろしさに身を震わせるが、自身を搔き抱くその細腕すらも己のものでない様な見覚えが無いように思い始めてしまう。
SANc 0/1

倉内衣織 CCB<=73 SANチェック (1D100<=73) > 32 > 成功

雑談

PL ほっ

メイン

KP あまりにえらすぎる 天才の出目?

倉内衣織 どや

KP かわいい

PL 僕もそう思います

KP やっぱりそう思うよな
さて、ほかにしてみたいことはありますかしら

PL 先程の……地質学って2択ありましたが、別の選択肢ということでよろしかったでしょうか?それとも、手段が違うだけで調べる内容は同じ?

KP  
「《地質学》 / 《知識》-20 / 《ナビゲート》」と「《地質学》 / 《博物学》-20 / 《知識》の半分」は出る情報が違いますね。
別の選択肢、として捉えていただいて大丈夫なものです!

PL では
《地質学》 / 《知識》-20 / 《ナビゲート》を振ります
知識マイナス20で

KP どうぞ!

倉内衣織 CCB<=85-20 知識 (1D100<=65) > 100 > 致命的失敗
どうして

KP ???
では……ハウスルールに則り、ファンブル表を振らせていただきます。
祈れ…!!!!
1d6 どれがでるかな?ファンブル表 (1D6) > 4
4:トラウマ微刺激!正気度喪失0/1d3

PL ぐわぁ

KP と とらうま……なにか なにかありますか

倉内衣織 …………にょろにょろ?

KP なるほど…
では、あなたは壁に手を這わせ出口を探そうともがきます。
ふと、あなたの手にむにゅりとした感覚が……。

倉内衣織 ひっ

KP 見ると、そこには潰れてひしゃげた芋虫が体液を飛び散らせてあなたの手にへばりついています。
思わず声をあげて手を引くけれど、よく見るとそこには何もなく、手にもなにもついていません。
それがすり減った精神の見せる幻覚だったことは言うまでもないでしょう。
というわけで、正気度喪失0/1d3をどうぞ!

倉内衣織 CCB<=73 SANチェック (1D100<=73) > 18 > 成功

KP えらい!

PL つよいこ

倉内衣織 っ、しっかりしろ。衣織。倉内衣織。(唇をかみ締めます)

雑談

KP かわいいなあ……

PLもそう思います  

KP あっ!PLもそう思いますさん!PLもそう思いますさんじゃないですか!

メイン

KP 失敗した情報は、他の技能を振ったあとでまた振り直すことができます。

雑談

PLもそう思います こわいねくらいねきもちわるいね、よしよし

メイン

PL わぁい

雑談

KP たったひとりでこんなところに三日も閉じ込められて、最後の希望の糸すらたったいま途切れてしまって
かわいそうだね よしよし…

倉内衣織 泣かないぞ

メイン

倉内衣織 (しっかりしなきゃダメだ、もう一度辺りを調べてみよう)

雑談

KP 強い子!えらい子…!

メイン

KP 改めて周囲の観察をする、でよいでしょうか。

pl はい

KP では、描写をしましょう。

雑談

倉内衣織 正直こんなに早くファンブル表のお世話になると思ってなかった

メイン

KP 周囲には先ほど憶い出したような壁しかない。
床も壁と同一の素材でできている。どこまで歩いても同様の壁と床が続くばかりで、景色の変わる様子は見られない。
以前覚醒したばかりの頃にここを一度歩き回ったこともあったが、体力を消耗するだけだった。
あなたはそれを思い出し、諦めて項垂れた。

雑談

KP 出るときは出るファンブルくん

倉内衣織 おのれ……(ギリィッ)

メイン

倉内衣織 (当てずっぽうでも、もしかしたら脆い部分があるかもしれない。どこか破壊してみるか……?)

PL 破壊を試みます

KP あなたは一縷の望みに賭け、もろい部分を探して周囲の破壊を試みてみる。
が、すぐに不可能だと分かってしまう。どこもかしこも身の詰まった音しかせず、謎の柔らかい素材はあなたの与える衝撃をみな吸収してしまった。
僅かばかりの体力が無意味にすり減って行くだけだった。

倉内衣織 うぐぅ……

KP 先程の失敗したものをもう一度振り直してみますか?

Pl やります

KP では、ハウスルールに則り+20で振り直しをどうぞ!

倉内衣織 CCB<=85-20+20 知識 (1D100<=85) > 8 > スペシャル

雑談

PL 乱高下してるな

メイン

KP えらいです!!!

情報

KP 《地質学》 / 《知識》-20 / 《ナビゲート》

→ 湿度が高く、呼吸に支障はない。
あなたの知り得る範囲では場所に検討はつかないが、やはりどこかの洞窟なのだろうと推察できる。
壁面の文字を読める程度に光が差し込んでいることから、どこかは外に繋がっているのかもしれないが、やはりその出口らしきものは全く見当たらない。

メイン

KP 情報タブに内容を送りました。

PL 確認しました。一体ここどこなんだ……

KP さて……
ここに来て、壁面の文字という支えを失ったあなたに忍び寄るものがある。
それはずっと目をそらし続けていた「死」という概念だ。
何も無いあなたが唯一手にしているものは「死」だけ。
自分はこのまま訳の分からない場所でゆっくりと野垂れ死んで逝く。
その可能性が首をもたげ、あなたへと手を伸ばしていた。

??? 「――――、……」

KP 茫然自失状態のあなたに声が掛けられる。
幻覚だけでなく、いよいよ幻聴すらも覚え始める頃なのかと。正気と取っ組み合いを始めようとしたあなたは、視界に影を捉える。
いよいよ自分は狂ってしまったのだと乾いた笑いが出た。ような気がした。
しかしそれは意思を持ってあなたに近づいてきた。

卯憑 真白 「………そこにいるのは、誰? …もしかして、いおり?」

倉内衣織 「せん、ぱい……?」

卯憑 真白 「……よかった。やっと、自分以外に会えた…。僕だよ、卯憑だよ」

雑談

倉内衣織 先輩ーーーー!!!!
SAN値が回復するまである

メイン

KP ここにきて初めて、あなたは自分以外の人間に出会った。
そこにいたのは、あなたのごく近い知り合い……卯憑真白だった。

雑談

KP SAN99まで回復しそう

倉内衣織 もう怖いものは無い

メイン

KP 彼は、「自分の足で歩いて」あなたへ歩み寄り、「右手」を出してあなたの頬に触れた。

倉内衣織 「あぁ、良かった。人が居るなんて……しかもそれが先輩だなんて……心強いです」

卯憑 真白 「うん。……ずっとここにいて、一人は慣れていると思っていたけれど……。それでも、おかしくなりそうで」
「それでも、きみに会えて……本当に、よかった。……」
「……きみは、本物だよね。…僕の見ている、幻覚じゃないよね」〆

雑談

KP RPなど大丈夫ですか…!?

メイン

倉内衣織 「こちらこそ、平気です。先輩は、どうしてここに……?」

雑談

倉内衣織 すみません!更新できておらず……!更新しました!

メイン

卯憑 真白 「うん……。気付いたらここにいて、それから…出口を探したりして、休みながらずっと歩いてて……」

雑談

KP あらま 戻ってこられてよかった…!

メイン

倉内衣織 「僕と同じ……のようですね。大変だったでしょう」

雑談

倉内衣織 ご心配おかけしました!

メイン

卯憑 真白 「……ちょっと、まいってた。このままここで…一人で死ぬのは、………君になにも言えずに死んでしまうのは、少し…寂しかったからさ」
「君は、ここにどれぐらいいたのかな」

倉内衣織 「先輩……。」
「僕は……恐らく3日以上はここに。ただそれも定かではありません」

卯憑 真白 「そっか…。多分、僕も同じぐらいだ」
「………ねえ、少し聞いてもいい?」

倉内衣織 「……はい?」

卯憑 真白 「……いおりは、痛覚は残ってる?」

倉内衣織 「……痛覚、ですか?」
「はて、確かめたことも考えたこともありませんが……」

KP 聞かれて思い出すのであれば、破壊を試みた際たしかに自分の両の手に「痛み」があったことを思い出しますね。

倉内衣織 「……あります。おそらくは」

卯憑 真白 「……そっか。…僕にはなんだか、それがないみたい」
「なにをしても、痛みみたいなのを感じなくて……。なんだか、ずっとぼんやりしてる」

倉内衣織 「それは……ここに来てからずっと?」

卯憑 真白 「うん」

KP さて…では、この辺で
探索者は初めて己以外の人間と出会う事で協力し、助力を仰ぐことが出来るだろう。
これ以上この場に探索できる物は何もない。それは三日間を通じてあなたが、頭がおかしくなってしまいそうなほど痛烈に理解していることである。
あなたたちは壁面の文字に対して、今まで生きてきた中で蓄えた知識を以て思考することができる。

PL おお

情報

KP 壁面の文字情報に対して技能を判定することができます。
これはPLから「この箇所に技能を判定したい」という宣言を受けて開示していくものです。
技能の種類はKPから提示するため、明言して頂かなくて大丈夫です。

メイン

KP というわけで、やれることを情報タブに貼りつけました。

PL ふむ
この部分……箇所、ということは、先輩と一緒に壁面を追う形ですよね

KP そうですね。
最初からじっくり腰を据えて見ていくもよし、勘に頼って「ここ」という箇所を指摘するもよしです。
ただし、全文に必ず情報があるとは限りません。

PL 虱潰しでは時間がかかるな……
いや、でも他に手段もなし、順にやっていこうかと思います

KP ふむ。
では、壁の文字を改めて最初から追っていくということで。

PL はい

卯憑 真白 「君は、この文字をずっと読んでいたの?どういう話だった?」
横で一緒に文字を追おうか

倉内衣織 「そうですね……強いていえば“松本”と呼ばれる男の子についての話と……それから」
大まかに綴られた内容を語ります

卯憑 真白 「……ずいぶん長い独白だね。でも、これにもなにか意味があるのかも」

KP では、件の文章を別タブにて文節づつしたためていきます。
「ここを調べたい」という指摘があれば、ストップをおかけください。

倉内衣織 はい

壁面の文章

01 わたしにとってそれはほかのどの感情でもなく、恣意的に名前をつけるのだとすれば「悪意」でした。
しかし、世の中で昼寝をするように横たわって居るそれらは全てわたしにとって悪意でしかありませんでした。
従って、私はひとが持ち合わせているごく有り触れた感情についてお話ししようと思っているのです。
今は食事をしています。クリーム色をした豆乳の中にシリアルが浮かんでいます。少し時間が経ってしまったので、硬かったそれらは柔らかくなってきてしまい、口に入れて歯で潰すとまた砂糖の甘みと豆乳の乳臭さを感じます。
わたしはこの食事が大嫌いでした。

02 食事を終えました。話を戻しましょう。
悪意とは松本のことです。

倉内衣織 ストップ

KP はい!
ではメインへ

メイン

倉内衣織 「悪意……というのが、気になって」

卯憑 真白 「悪意…。ここでは『松本のことです』って書かれてるやつ?」

倉内衣織 「はい。態々、悪意なんて……」
「悪意。と呼ぶのも分かるには分かるのですが……それこそ、筆者の悪意を、感じて……」

卯憑 真白 「……筆者が、『松本』を悪に仕立ててる…ってことかな」

倉内衣織 「はい、そう仕向けたようにすら思います。膨らむ風船を眺め続けたような」

卯憑 真白 「……いおりには、そう感じる文章だったんだね。僕はまだ全貌を把握していないからなんとも言えないけれど…こうして、意見を聞くのは楽しいね」

KP ここまでの文章には振れる技能はとくにありません。

倉内衣織 はい
「……正直僕も、先輩とこんな風に話したのは何だか久しぶりで……一緒に謎解きをしているようで、楽しいです」〆

卯憑 真白 「そうだね。……続き、見ていこっか」

倉内衣織 「はい」

壁面の文章

03 松本はわたしにとって、友人や親友だのといった言葉で形容してしまえる関係かも知れません。
他にも人間二人の関係性を示す言葉は沢山ありますが、最も自分の感じているものに相応しいものを探し出そうという気は一切ありません。
松本は平凡な男で、何が可笑しいのか私には皆目見当がつきませんでしたが、常時笑みを浮かべているような男でした。そして鬱陶しい奴でした。
わたしの勉強への態度や成績、社会への意欲というものに、こと煩く口出ししてきたのです。
それは松本には関係の無い話だとわたしは一蹴して話を終えようとしますが、そんなとき松本は決まって踵を返したわたしより先回りして肩を掴み、正面から「話は終わっていない」と言うのです。
彼にとって話が終わっていなくても、わたしにとってはとっくに済んだ話です。
彼の主張に付き合ってやる義理もありません。
わたしは彼の、血管や筋肉が筋張り浮かび上がっている腕を一瞥すると、軽く手の甲ではたきます。そして、離しなさいとだけ言って彼の次の行動を待ちます。
そうすると、決まって彼は一等強くわたしの肩にその手指を食い込ませた後に、脱力したように力を抜いて腕をだらりと下げます。
そのときの松本はまさに雨に降られた野犬のようでとても情けないです。

04 生え揃った眉を八の字にさせて次に訪れる自分への罰を恐れながらも受け入れようとしているのです。
わたしはそんな松本の輪郭をなぞって瞳孔にそのまま写生してから軽く溜息を零します。
その、わたしのくちびるから発せられる紙片一枚揺らせやしなさそうな微かな吐息ですら、松本の首を絞めます。
まるで死刑宣告をされた囚人かのように肩を大きく揺らして、真っ黒な瞳孔は震えるように、餌の位置を知らせる蜜蜂のダンスのような曲線を描きます。
その速度がどんどん上昇して、回り続けることで一つの模様を描く駒のようになってしまう前に、声を掛けます。

05 “ きみには関係ない ”

06 松本にとってこれほど怖ろしい言葉はない筈です。
目論見通り、彼は感情が服を着ているかというほどに分かりやすく狼狽えました。
松本は声にならない、嬰児のような言葉を二、三程空気中に溶かし込んでは、言葉が自らの意思を思って形を成すことを期待しているようでした。
しかし言葉にはいのちがありませんので、何時まで経ってもそれらは何の意味も持たない音のままでした。

倉内衣織 ストップ

KP よし
メインへ!

メイン

倉内衣織 「ネタばらし、になってしまうんですが……松本は筆者のことを好きだったらしいです」

卯憑 真白 「ネタバレしちゃうの?ひどいなあ。ふふ」

倉内衣織 「すみません、少し自分本位で…………。それで、筆者もこの時点でおおよそ察しは着いている、とは思うんですが、やっぱりこの突き放した言い方も、わざとなのかな、って」
「先輩は、何か気付くこととか、ありますか?」

卯憑 真白 「僕?…そうだな……」
CCB<=17*5 アイデア (1D100<=85) > 37 > 成功
「……ここまでの文章を読んだ感じだと、『松本』のことはすごくよく書いているのに…筆者、『私』のことは……ぜんぜん書いてないな、って思ったよ」

倉内衣織 「筆者自身のこと……?」

卯憑 真白 「彼…彼女かもしれないけど。……松本の描写は、まるでなぞるみたいに鮮明だけどさ。この『私』は、自分のことをまったく語り口に出さないなって。…まるで自分に興味がないのかなって、思っちゃうよね」
「そんなふうに自分への興味がごくごく低い『私』が、『松本』に好意を向けられたら……どう、感じるのかな、って」
「……それだけ」

倉内衣織 「……なるほど、」
真白の言わんとすることは、言葉に出来ずとも理解した、かも。〆

卯憑 真白 「……少し、冗長に語っちゃったかも。続き見てこっか」

倉内衣織 「はい」

壁面の文章

07 わたしは知っていました。
もう随分と前から、それこそ松本の心に悪逆の花が芽吹いた頃、過ちを犯したいという欲求に蝕まれた頃からです。
彼の心は悪意に呑まれている。
彼はその薄っぺらい仮面を、無害で無能な犬のような笑顔で諂うことで、生まれたときから彼の内側に存在し片時も離れることがない悪意を下手糞に覆い隠していたのでした。
わたしは松本に初めて出会った時から、彼が持ち得る物だとして提示している全てが偽りで、彼にとっての本物は、その一切の不純物が含まれていない悪意だけなのだと理解していました。
だからと言ってわたしは松本になんて興味ありません。
従って関わる気も毛頭ありません。
わたしは彼を遠巻きに見つめるだけの只の同級生でした。
わたしにとって松本はこの程度です。
しかし不幸なことに松本にとっては違う話なのです。

08 ある日の事でした。その頃は梅雨の時期で毎日湿気の多いこと、目の粗い曇り硝子のような毎日を過ごしていました。
使い古された空気では息が詰まるようで、窓際の席に座っていたわたしはこの汚濁のような教室から逃れるべく、窓を開けて其方側に顔を向けました。
するとそこには見慣れた男の見慣れない表情がありました。
教室棟からは遠く離れた場所に位置する焼却炉の前での出来事だったので、詳細に彼の様子を眺めることはできませんでした。
しかし、切り揃えられた短髪と整えられた眉、何でもかみ砕いてしまいそうな頑丈な顎、クラスメートよりも頭一つ出る長身。
彼が、松本が珍しく偽りない表情で立ち尽くしているのがわたしには理解できました。
不出来な木偶の棒しかいないこの教場で、彼の本性に唯一気が付いているのがわたしでしたから。
折り紙を千切って貼り付けたような歪な仮面は全て剥がれ落ち、そこには純然たる悪意だけが爛々と顔を出していたのです。
焼却炉からは途絶えてしまいそうなほど細い煙が揺ら揺らと、自分の向かうべき居場所を探るように立ち昇っていました。
べたつく肌と眉を顰めさせる土の匂い。もうすぐ雨が降るのでしょう。
牛乳の上に出来る膜みたいな薄い何かが自分を覆いつくしているかのように全ての感覚がぼうっとしていました。いえ、ただ一つにだけわたしは酷く鋭敏な傾きを持っていたことを自覚しています。
それが松本です。

雑談

倉内衣織 ううぅーーーん、

壁面の文章

倉内衣織 ストップ

KP はあい!

メイン

倉内衣織 「……『私』って冷たいふりをしておきながら、やっぱり松本を意識してるんですよね」
「……それとも、描かれていないだけで他に誰かいるのかな?」

卯憑 真白 「クラスメイトはいるみたいだけど、空気みたいだね」
「……ずいぶん意識してるのは、見てとれるね。好きの反対は無関心っていうけど、これじゃまるで無関心になりきれてない」

倉内衣織 「まるでツンデレ……」
「すみません、話が逸れそうですね。よく読み直してみましょう」

卯憑 真白 「ふふ、ツンデレ。言われてみればそうだね」
笑いながら続きを読んでいこうか

壁面の文章

09 授業が始まりました。内容は全て頭に入っているため、出席することにのみ意味がある無駄な時間でした。座学は良いのです。教師から万が一指されたとしても、内容を諳んじて答えることが出来ます。
しかし、実習活動だけは駄目でした。担当している大柄な熊のような男は、体操着を持っていないだけでその授業時間全てを費やして生徒を詰る性根の腐った奴だったからです。
酷く憂鬱でした。今朝見た時よりも分厚くなった空の雲が地面に落ちてきて、全てを潰してしまえばいいのに、と幼稚な逃避に耽るほどにわたしの心持ちは暗澹たるものでした。
わたしは勿論何も持っていません。しかし、出席しなかったことには出来ません。わたしにとって最も恐ろしいのは悪逆の松本でも、淫行教師熊先生でも、暴力が思考伝達手段になった両親でもなく、何かから逃げ出した自分というものだったからです。
二進も三進もいかないと諦めがついたわたしは、制服姿で体育場へと向かいました。
整列している間、誰かが笑っているのが聞こえました。音はやがて視覚化され、形を受け取りそこに立ち現れます。「クスクス」という文字がすっかり古びた体育館の黒柿色の壁を我が物顔で闊歩していくのを見送りました。

10 熊先生といえば、松本よりもお芝居の下手糞な大根野郎なので、「クスクス」を自分の肩で躍らせながら、わたしに体操着はどうしたと問い尋ねるのです。
この男が分からない訳ないのです。分からないのであれば猿以下の阿呆か、瞽者(こしゃ)かの二択でしょう。
「無くしました」と事実を誠実に回答する私を怒鳴りつけると、猿以下の阿呆は私の制服に手を掛けました。
後はいつも通りの授業でした。いつも通りにしてしまえば何て事は無いので、わたしは平静通りに過ごしました。

11 放課後のことでした。
わたしはいつも通り教室で日が暮れるのを待ちました。早く家に帰ったとしても待っているのは家仕事と酒瓶、強烈なアルコールとヤニの臭い。益を成さない穀潰しだけです。
授業が終了したことを報せる鐘の音を引き換えに、喧しい蠅どもが遠ざかり、やがて教室にはわたしと静寂と埃の匂いだけになります。
たった三人だけになることを待ち侘びながら、本を読んで小汚い教室が橙に染まるのを時折眺めます。
夜は大嫌いです。わたしから自由を奪い去ってしまうから。大嫌いな夜に取って代わられてしまう寸前の、悲鳴にも愉悦にも似た刹那的な橙が世界を染め上げるとき、わたしの心の海はようやく凪ぐのです。
その下にどんな佞悪醜穢(ねいあくしゅうわい)とした混沌が広がっていようとも、純度の高い橙が全てを塗り潰し何も言わせずに静寂を守ってくれるのです。
いつものように橙色の教室で、息を吸って吐いたり、掌を夕日に向けて血管を透かしてみたりしていた時でした。
静寂を引き裂くように木製の扉が軋む音がして、乱暴に誰かが三人だけの世界に立ち入って来ました。

倉内衣織 ストップ

KP お、はあい!

メイン

倉内衣織 「……3人?」

卯憑 真白 「どこか、気になるところがあった?」

倉内衣織 「いや、この……3人って……誰のことだろう。って?『私』と、松本はあとから入ってきたからあと2人……」
「二人……?」〆

卯憑 真白 CCB<=85 アイデア (1D100<=85) > 86 > 失敗
「…………なんだろう?僕はちょっと、わからなかった…」

KP いおりくんもフレーバーでアイデアをどうぞ。

倉内衣織 CCB<=60 アイデア (1D100<=60) > 38 > 成功

KP えらい!!
では、「やがて教室にはわたしと静寂と埃の匂いだけになります」の文章から察して…これらを”三人”と称したのでは?と思い至るでしょう。

倉内衣織 なるほど……

KP また、

整列している間、誰かが笑っているのが聞こえました。音はやがて視覚化され、形を受け取りそこに立ち現れます。「クスクス」という文字がすっかり古びた体育館の黒柿色の壁を我が物顔で闊歩していくのを見送りました。

こちらの文章に対し、《アイデア》/《知識》/《精神分析》 のいずれかが振れます。

倉内衣織 では、知識を

KP どうぞ!

倉内衣織 CCB<=85 知識 (1D100<=85) > 86 > 失敗

KP なんてこと

倉内衣織 ここで……?

卯憑 真白 CCB<=80 知識 (1D100<=80) > 8 > スペシャル
「…もう少し前の文章だけどさ、ここ。……これって、『共感覚』みたいなものだなって、ふと思って」

倉内衣織 「『共感覚』……1つの感覚から別の感覚を得る能力、とかそんなやつでしたっけ?」

卯憑 真白 「うん。…『私』のこれも、音を同時に文字として捉えてるのかなって」

倉内衣織 「……てっきり、ただの比喩かとばかり……確かに言われてみれば」

卯憑 真白 SCBRB(80,75) 精神分析代用 (1d100<=80,75) > 2[決定的成功/スペシャル,決定的成功/スペシャル] > 成功
あ……

倉内衣織 えっ

卯憑 真白 クリチケ、あげる

倉内衣織 わ、わぁい?

system [ 倉内衣織 ] クリチケ : 1 → 2

卯憑 真白 「……共感覚は精神的負担が大きい、って説があってね。鬱病の罹患者が症状を訴えていた際、共感覚の現象も併発してた……っていう例も、あるみたい」
「だからというわけではないけれど……『私』も、精神的負荷がかなり大きい生活を強いられていたんじゃないかな。環境もさながら、こうした特異体質も」

倉内衣織 「人には見えないものが見える暮らしか……」
想像だにできない世界観に目眩を覚えながら大きく息を吐きます〆

卯憑 真白 「考えただけで疲れそうだよね」
いおりの背中を撫でて、次の文章に目を通そう

壁面の文章

12 それは、松本でした。
わたしが何かを口にする前に、彼は闘牛のような猛然たる勢いでわたしの胸倉を掴み顔を寄せました。
衝撃に寄ってわたしの胸ポケットに入っていた万年筆が床へ落下し、ぶつかり合う軽妙な音が古い木目に響きます。
それはまるで、一日の始まりを報せる鳥の鳴声のようです。
或いは婚姻を誓う夫婦を祝福する鐘の音です。
彼の荒い呼吸が繰り返されるたびに、わたしの前髪が縁側に飾られた風鈴のように揺れるのを、どこか他人事のような心持で見つめていました。

13 ” どうしてきみはなにも言わないのか “

14 噛んでいたのか、血が昇っているのか、そう問い詰める彼の唇からは僅かに血が滴り、顎から床へ一滴落下してゆきました。不思議とそれが瞼の裏に張り付いたように痛烈に印象に残っていたのですが、今思い返せばそれが、この後の二人の行く末を物語っているように思えたからなのかもしれません。
“ 話を聞いているのか!全部分かっているんだろ! “
松本はより強く胸倉を掴みわたしを引き寄せました。
詰められているわたしと言えば、そんなに強い力で握りしめれば、皺になってしまう。
汚れていないシャツはもうあと此れ一枚しかないのに、などと考えに耽っていました。
そんなわたしが気に召さなかったようで、松本は突然、わたしの首にその血管の浮き上がる大きな手を回してきました。そして、ぎゅうぎゅうと手加減無しにわたしの気道を圧迫してゆきます。
頭に酸素が供給されずに視界も思考も斑模様を描きます。斑点が群れを成して踊る様に天井の一角へ吸い上げられてゆきます。
本で見たあのザラメのような流星群——又は皿洗いを終えた後の排水溝のようでうつくしかったです。
何だか可笑しく思えてきました。わたしも盆暗共と同じになってしまったのでしょうか。

15 橙色に染まった涙を流す松本は、本当に世界で一番愛おしい命に思えたのです。
わたしは、きちんと毎日母親の手によって皺を伸ばされているであろう松本の学生服を引っ掴み、鼻骨がぶつからないように一寸だけ顔を傾けながら、打ち捨てられた紙屑のように顔を歪ませている松本のその血の滲む唇に自分の唇を重ねました。
松本は魂が束縛から解き放たれたかのように身体中の力を弛緩させました。
それと同時にわたしも唇を離し、濡れた感触のあるそこを舐め取ってみました。
松本の血は美味しくありませんが、あの窓の出っ張り部分みたいなクリーム色した豆乳よりかはマシに思えます。

16 “ きみが私の制服を焼き捨てたことか? ”
“ きみが、私が世話をしていた飼育小屋の鳥を殺したことか?
きみが私の上履きをトイレのバケツに突っ込んでいたことか?
きみがあの淫行教師に私は卑猥な阿婆擦れだと伝えた事か?
きみが私の両親に不良少年だと嘯いていたことか?
それとも—— ”

17 恐らく松本が待ち焦がれていたことを仕様が無く、
念仏を唱える法然のように淡々と発声を繰り返しました。
しかしわたしの言葉を途絶えさせたのは、涙を何粒も滴らせる松本の顔の、その晴れやかなことでした。
呆けているわたしを構わず、彼は、上履きを履いていないために泥だらけになったわたしの足に頬ずりをします。
絶えず流れゆく松本の涙がわたしの甲を滑り落ちていきました。
頬ずりを繰り返す度に土だの埃だのが、生え揃えられた松本の髪やふさふさとした眉に付着してゆきます。
そんなことは全く気にならないような様子で、顔全体を使ってわたしの足を癒すかのように彼は何度も何度も頬ずりを行いました。
そして粗方綺麗になったように思われた頃、教室の橙は藍へとその色を変えようとしていました。
藍は好きな色ではなかったので、この場から出て行きたいような心持になりましたが、彼はわたしを離そうとはしませんでした。

18 “ 俺は、きみの制服や体操着を盗んで焼いて捨てた ”

19 “ きみが世話をしていた生き物小屋の鳥を、部活で使っている竹刀で突いて殺した。
きみの上履きで自分を慰めたあと、そのままトイレのバケツに突っ込んで、
きみが来た時分かるように置いておいた。
熊田先生は部活中にも生徒をそういう風に見ていることは知っていたから、
抵抗できないきみは恰好の的だと思って、先生の授業に問題点を感じていることを織り交ぜながらきみが家でされていることを伝えた。
きみの親御さんは俺のことを信頼してくれているのを知っていたから、
きみが家にいないとき先生といけないことをしていると涙ながらに伝えた。
勿論俺はずっと前からきみがお父さんからそれよりも酷いことをされているのを知っていたけど。
そうなったのも、きみがそうされたいと望んでいると、けしかけたのは俺だ ”
呼吸も返答も挟む余地を与えずに、松本は一息にそう吐露しました。

20 “ ああ、きみが私の父親に、そう仕向けさせたのは知っている。
きみは随分私のことを知っているような口をきくけど、
それよりも私はきみのことを知ってる ”
机の上に腰かけて見下すわたしを、松本は蜘蛛の糸を見つけた犍陀多のような顔で見つめ微笑み問いました。

21 “ では俺がきみのことを愛しているのも ”

22 “ ああ、勿論 ”

倉内衣織 ストップ

KP はあい!

メイン

倉内衣織 「…………僕が真白先輩のこと、特別に思っていた事を、先輩はご存知でしたか?……って、そんなわけないですよね」

卯憑 真白 「………どうだろう。君が、僕のことを気にかけてくれているのは…なんとなく、わかっていたけれど」
「……でも、理由がない。僕には、人に好かれるようなものはないから…」

倉内衣織 「……そんな事ないのに。」
「こほん。話を戻します。……仮に。気付いていたとして、先輩は放っておきますか?」

卯憑 真白 「………気付いていても、僕はそれに触れない。…そもそもが自意識過剰で片づけてしまっていただろうし、気の迷いだと僕は思うだろう」
「……今は、君が僕のことを好いていてくれているのは十二分に理解しているよ。過程がどうであれ、君はなにもできなくなった僕のそばに居てくれているし」

倉内衣織 「…………そういえば、先輩の足……それも痛覚がないから?」

卯憑 真白 「わからない。気付いたら、これも前の通りに戻ってたよ。この右手もそう」
無傷の両の手をひらひらと顔の前で振ってあげよう

倉内衣織 祈る様に手を取って確かめます
「……本物、みたいですね」

卯憑 真白 「うん。でも…体温は感じるけど、痛みはまったく感じない」

KP さて…この辺で

“ 俺は、きみの制服や体操着を盗んで焼いて捨てた ”
中略
ああ、勿論 ”

こちらの文章群に対し、《アイデア》 が振れます。

倉内衣織 CCB<=60 アイデア (1D100<=60) > 96 > 致命的失敗
どうして

KP どうして

卯憑 真白 CCB<=85 アイデア (1D100<=85) > 25 > 成功

倉内衣織 先輩だいすき!

KP このファンブルは……そうだな、あなたがせっかく彼に与えた”愛情”が欠落してしまったように感じ、一時的に精神が不安定になってしまいます。
SAN-1で…!

倉内衣織 ぐはっ……今反映させていいですか……

KP いいですよ!

system [ 倉内衣織 ] SAN : 73 → 72

倉内衣織

KP ヨシ

卯憑 真白 「……この一連の流れ、『告解』みたいだね」
CCB<=80 知識 (1D100<=80) > 23 > 成功

倉内衣織 「……キリスト教、ですよね。」

卯憑 真白 「うん。正確には、”キリスト教の幾つかの宗派によって行われる、罪の赦しを得るのに必要な儀礼”……ってやつだね」
「ほら、僕の仕事は…この系統のお墓を扱ってるから。必然的にさ、知識が必要になるんだ」
「…この儀礼には悔い改める心が必要不可欠でね。そのうえで罪の告白と償いが必要なんだ。内容は宗派によって違うけど、だいたいこんな感じの手順かな」

KP そう言って、真白は以下のことを教えてくれます。
「告解」の手順
まず初めに、どんな罪を犯したかを思い出す。
次に、罪を痛悔し、再び犯さないことを司祭に誓う。
痛悔とは、犯した罪に対して心から嫌悪感を持つことである。この心の出づる所は、神への愛でなければ
ならない。自分の罪の醜さを恥じたり、罰への恐怖に由来されるものであってはならない。
その後は、司祭に命じられた償いを可及的速やかに果たす必要がある。

倉内衣織 「ふむ……」

卯憑 真白 「これらを踏まえて見ると、彼はこの『告解』をしようとしたんじゃないかなって…どう?」

倉内衣織 「赦しを乞う……然るべく手順は踏んでますね。では、彼にとっての赦しって……」

卯憑 真白 「……キリストの教えであるなら、真心から完全に悔い改めれば罪の赦しを受けることができる、とあるね」
「罪深い行いは苦しみと痛みをもたらすけれど、主の赦しによって安堵と慰め、喜びがもたらされる……。そういう教えがある」

倉内衣織 「…………こんなの救済じゃない」

雑談

KP ニコ……………(腰を据える)

メイン

倉内衣織 「すみません、宗教にどうこういうのはナンセンスですよね」
「………………気をつけます」

雑談

PL (会釈)

メイン

卯憑 真白 「ううん、いいよ。僕がキリスト教徒というわけではないし、これは知識として知っているだけ」
「きみが何を”救済”としているかは、きみの自由だ。僕はそれを尊重する」

倉内衣織 「……一緒に迷い込んだのが、先輩でよかった」

卯憑 真白 「ふふ、同じことを僕も考えてるよ」
「……続き、見る?それとも、もう少し考察をしてみる?」

倉内衣織 「考察。というか、気に止まったことがひとつ」
「犍陀多って、蜘蛛の糸を見つけた後、結局落ちてしまうんですよね……それは自身の罪を悔い改めなかったから。傲慢さゆえに堕ちた。或いは落とされた。」
「……告解に、掛かっているのかなって。おもっただけです。あまり深く捉えなくても大丈夫だと思います」〆

卯憑 真白 きみの考えを、聞いているよ。
ちいさくうなずいて、次の文章に目を通す。

壁面の文章

23 はじめからそういうふうに出来ているかのように、わたしは間髪入れずに答えます。
松本は顎を大きく開いて舌を突き出したかと思うと、べろべろとわたしの足を舐めあげました。指の隙間から爪の隙間まで自分の舌を這わせなかった箇所などないように、丁寧に丹念に舐めあげました。
それは非常にこそばゆいような感覚で、足の皮膚の薄い敏感なところを繰り返しねちっこく舐められるものですから、まるで心臓を彼に舐められているようなそんな気持ちがして、大層不愉快な快感でありました。
“ きみがわたしを愛するのは罪を赦すからでしょう ”
“ 俺がきみを愛するのはきみだけが俺を赦すからだ ”

24 “ ではきみは、赦された ”

25 その言葉を聞くと松本は切れ長の目を大きく見開き、動きを止めました。
そしてまるでそうすることを計算されて造られた機械仕掛けの人形のように、床に転がっていた万年筆を自分の喉にあてがいました。

26 “ いや、まだだ ”

27 それが、松本が生きていた頃の最後の言葉であり行動です。
彼は自分の血潮が全てわたしに降り注がれるように前のめりに倒れ、わたしを抱きすくめました。
今でもまだ彼の冷たくなっていく温度を覚えています。
彼の心臓が脈打っていた頃の人を溶かすような体温よりも、
静かになった裸の体温の方が余程松本らしいように、わたしには思われました。
このようにして松本は赦されました。
松本の信仰が松本を救ったのです。

メイン

卯憑 真白 SCCB<=85 アイデア (1D100<=85) > 53 > 成功
「……このへんの文章、気になるかも」

倉内衣織 「松本の信仰が……というところですか?」

卯憑 真白 「うん……」

KP 松本は顎を大きく開いて舌を突き出したかと思うと、べろべろとわたしの足を舐めあげました。
中略
“ ではきみは、赦された ”

こちらの文章群に対し、《知識》+20 が振れます。

倉内衣織 CCB<=85+20 知識 (1D100<=105) > 16 > スペシャル
極端

KP えらい!!!

情報

KP 《知識》

→ あなたはこの箇所を読んだ際「罪の女」を思い出した。
罪の女とは、新約聖書に登場する多くの罪をイエスによって赦される女性を指す。
罪深い女は、『イエスの足を自身の涙で濡らし、それを自分の髪の毛で拭った。そしてイエスの足に接吻をし、香油を塗った』とされる。
あなたは、この話に対しての一つの解釈を知っている。
『罪の女は、罪を赦されたから、その罪を赦したイエスを愛した』というものだ。
その後イエスは女に対して、「あなたの信仰があなたを救った」と語ったとされている。

メイン

KP また、ここから派生して《アイデア》が振れます。

倉内衣織 通常値でよいですか?

KP はい、通常値でおねがいします。

倉内衣織 CCB<=60 アイデア (1D100<=60) > 88 > 失敗
うーん

KP あなたの入手した情報を卯憑に共有した場合、そちらで振ってみることも可能です。

倉内衣織 では、真白先輩へ
「真白先輩……罪の女ってご存知ですか?」

卯憑 真白 CCB<=80+20 知識 (1D100<=100) > 14 > スペシャル
「うん。知ってるよ」
「……いおりは、この文章を見てそれを連想した?」

倉内衣織 「はい。……足への接吻、となると意味合いも生まれますから……」

卯憑 真白 CCB<=85 アイデア (1D100<=85) > 16 > スペシャル

倉内衣織 出目の良さ

卯憑 真白 「……この、『わたし』に被せた血液……もしかして、香油の代用?」

倉内衣織 「かも知れませんね……酷く、辻褄が合うので」

卯憑 真白 「…………きっと、むせかえるほどの生と死のにおいがしただろうね」

倉内衣織 「……そりゃあユダも愛想を尽かすでしょうね」

卯憑 真白 「ふふ、かもね」

雑談

KP 終了時間となりましたが…もう少しで壁面の文章は終わるので、そこまで進めても大丈夫でしょうか…!?

PL はい!

KP すみません、ありがとうございます!

PL いやこちらこそ……ありがとうございます!

壁面の文章

28 死ぬことは恐ろしいことでしょうか。
空を飛んでみたい気持ちがあります。
死の有害性を唱えた哲学者がいたように憶えていますが、はじめから奪われているわたしにとって生こそがわたしを束縛する唯一のものでした。
その日の夜、豆乳のようなクリーム色した窓の出っ張り部分に立ってみました。
夜は大嫌いです。夜風が薄汚いヤニ臭いカーテンを揺らします。
あの時の松本の荒い呼吸で揺れたわたしの前髪みたいに。
松本はもういません。赦されてしまったから。
彼が証明した事実が、彼の血潮を浴びた刻から瞼の裏に張り付いてしまって離れません。
生きていることは不条理で、不合理で、間違っている。

空を飛んでみたい気持ちがあるのです。

29 それでも、どうにか。

メイン

卯憑 真白 「……これで、全部か」

倉内衣織 「……太宰治の空真似のような文章ですよね」

卯憑 真白 「そうだね。でも、嫌いじゃないな」

KP 死ぬことは恐ろしいことでしょうか。空を飛んでみたい気持ちがあります。
死の有害性を唱えた哲学者がいたように憶えていますが、はじめから奪われているわたしにとって生こそがわたしを束縛する唯一のものでした。

こちらの文章群に対し、《アイデア》 / 《図書館》 が振れます。

倉内衣織 では、アイデアを

KP どうぞ!

倉内衣織 CCB<=60 アイデア (1D100<=60) > 83 > 失敗
今日どうした衣織くん

KP 前半まではえらえらのえらだったのに

卯憑 真白 CCB<=85 アイデア (1D100<=85) > 67 > 成功

倉内衣織 キャー!せんぱーい!

卯憑 真白 「いおりはさ、『コウモリであるとはどのようなことか』って本を読んだことはある?トマス・ネーゲルってアメリカの哲学者が記した本」

倉内衣織 「……はて。すみません、初めて聴いた題名です。詳しく教えてください」

卯憑 真白 「この本では、死がもたらす有害性について「剥奪説」を用いて説明しているんだけどね。……僕も読んだのはだいぶ前だから、うろ覚えなところはあるけど」
CCB<=80+20 知識 (1D100<=100) > 21 > 成功

倉内衣織 (ファンサしてのうちわ)

卯憑 真白 「剥奪説、っていうのは『死は生が内に含んでいるすべての善きものを無に帰してしまうがゆえに悪である』っていう見解を説明した物でね」
「端的に説明をすると、生きている間発生する事象が人間にとって幸福であれ不幸であれ、もたらされるということ自体が積極的価値を持った恩恵であり、善いことってこと。それゆえに、それら一切を剥奪する死は悪である………っていう説」
「……死が生きる喜びの全てを剥奪してしまうって考え方だね」

倉内衣織 「……僕自身の感想は、置いておきます。ただ『初めから全てを奪われている』筆者にとって……その限りではなかったのでしょう」

卯憑 真白 「『私』にとって、この考え方は絶望にも近いだろうね。なんたって『私』にとっては…死が救いですらあるんだから」

倉内衣織 「……死は、救済である。か」

雑談

KP 死は救済

倉内衣織 オリバーくんが起きちゃう気がする

メイン

卯憑 真白 「………死こそが、生の苦しみを終わらせてくれる唯一の方法。……」
「なんて、さ」

雑談

KP 温まってきたな

メイン

倉内衣織 「一部、頷けます。生の苦しみは誰も否定することはできませんから」
「けれど、然るべく死ねるのは『私』だけです。松本は、ずっと与えられ続けていたんですから」
「死ぬなんて、そんなの早抜けだ。」
「………………また話しすぎましたね」

卯憑 真白 「……きみは案外、自分のことは話さないからさ。こういうのが聞けて楽しいよ」
「これじゃあ、勝手に松本がお膳立てして場を作って、それで彼は勝手に救われていっただけだ。『私』は……神に見立てられても、それは松本の中でだけの話で」
「……早抜けしていかれた『私』…の、こころもちが…”空を飛んでみたい気持ち”なのかな」

倉内衣織 「先輩は飛んだりしないでくださいね」
「しない、と思いますけど」

卯憑 真白 「……しないよ。だって、君を置いていったら…君が悲しむでしょう?」

倉内衣織 「ええ。もちろん。ご存知でしたね。」

卯憑 真白 「下手を打てば、きみは僕の後を追ってきそうだから。…それはとても悲しいことだし、僕の望むところじゃない」

倉内衣織 「そりゃあ……追うのかなぁ。その時になってみないとわかりませんが……もちろん悲しみますよ。……どうせなら、」
「………………あれ。なんて言おうとしたんだっけ」

卯憑 真白 「……ふふ、なんて言おうとしたの?」

倉内衣織 「…………」
ライフルを握る感触を、鮮烈に思い出しました。けれどそれは競技用ではなく、冷たい木と鉄で出来た目的の大きく違う何かで。それ以上は口を開きません。

卯憑 真白 フレーバーで聞き耳を振ってみる?

倉内衣織 是非お願い致します

卯憑 真白 じゃあ、聞き耳をどうぞ

倉内衣織 CCB<=60 聞き耳 (1D100<=60) > 23 > 成功

PL もう!この子はフレーバーばっかり!

卯憑 真白 「……きっと、僕はそれを望むよ」
ちいさくちいさく漏らしたそんな一言が、きみの耳にも届くだろうね

倉内衣織 思わず抱きしめたくなる衣織くん必死に我慢しますね

KP ふふ、ではこの辺で今日は一度幕を閉じましょう
時間超過にお付き合いいただきありがとうございました…!
次は明日、3/25の21:00~となります。

PL はい!こちらこそ、遅くまでありがとうございます。
明日もよろしくお願いします!

KP 明日もよろしくおねがいします!
では、ゆっくりお休みを…おやすみなさい!

PL おやすみなさい!

雑談

PL こんばんは!すみません。今ちょうど帰宅したところで……充電と!煙草の時間を10分ほど頂けませんでしょうか!!?!

KP おつかれさまです!
おおおん了解しました!!あれだったら30分開始にしますか!?

PL あああお気遣いありがとうございます!充電的に助かります!

KP では30分開始で!!
わたしもその間にヤニカスしてきます
待機KP
飲み物とかゴハンの準備だいじょうぶそうでしたらこちらに書き込みおねがいします!

PL おまたせしました!!
毎度おまたせしてすみません、いけます!

KP おつかれさまです!
遅くまでお仕事おつかれさまですぜ…

PL 恐縮です……!ありがとうございます!
海月さんもお疲れ様です

KP ふふ じゃあ遊んでいきましょうか
今夜もよろしくおねがいします!

PL はい!よろしくお願いします!

メイン

KP  「 私悪 」
  ―2日目
そういえば、こちらのシナリオの注意事項として「KPCが出ることは口外禁止」となっています
大丈夫だとは思われますが、念のため
昨日申し忘れてしまいました…!

PL なるほど!承知致しました!

KP SCCB<=80 シークレット幸運 (1D100<=80) > 48 > 成功

雑談

PL ひえっ

メイン

卯憑 真白 「わっ……!?」

KP あなたが思索に耽っていると、突然洞窟の床が不安定に揺れる。
足場がぐらつき、体勢が崩れる。体力の無いあなたたちは簡単に転んでしまうだろう。
《回避》/《幸運》-20

倉内衣織 幸運マイナス20で振ります

KP どうぞ

倉内衣織 CCB<=80-20 幸運 (1D100<=60) > 62 > 失敗
あうちっ

卯憑 真白 CCB<=85-20 幸運 (1D100<=65) > 53 > 成功

KP 失敗したいおりくんは、受け身を取れずに転んでしまいます。
HP-1d2

倉内衣織 1d2 (1D2) > 2
いたい

KP 《アイデア》も一緒にどうぞ。

倉内衣織 CCB<=60 アイデア (1D100<=60) > 20 > 成功
あっ

KP えらい!!

倉内衣織 よかった!セーフなやつ!

KP この三日間の間、この洞窟に揺れなんて一度も発生しなかった。
あなたはそのように記憶している。
尋常ではない揺れと耳を劈く地響きに、この洞窟が崩落する危険性があることをあなたは悟る。
この場所に、体力のない自分に、残された時間は僅かなのだと否が応でもその様に理解してしまうだろう。

情報

KP ◆探索者がとれる行動
(ED分岐に直接影響しない) 足を舐める / 罪の告白をする

メイン

KP 現在あなたがとれる行動を情報欄に載せました。
また、これ以外の行動も提案次第で可能です。

倉内衣織 お、おぉ……
では……そうだな……
松本にならって、罪の告解をします

KP では、少し描写を。
突然強い地鳴りがし、今までで最も強く大きな揺れが発生する。
あなたたちは何かに捕まっていなければ立っていることすらできないだろう。
お互いに近くの壁にもたれかかるようにして、揺れが収まるのを待つ。
轟音の中でミシミシという軋むような音が耳に入る。それは自分の足元から聞こえているようだった。
そして特段大きな割れるような音が鳴ったかと思うと、地面が隆起し、自分の目線よりも高い岩壁が生えてくる。
それはまるであなたたちを阻むかのように、二人の間にそびえ立った。

卯憑 真白 「うわ……。え、何これ…。 そっちは大丈夫…!?」

倉内衣織 「は、はい!身体は無事です!先輩は!?」

卯憑 真白 「だいじょぶ……」

KP 岩を詳しく調べたい場合、《目星》をどうぞ。

倉内衣織 では、振ります
CCB<=61 目星 (1D100<=61) > 10 > スペシャル

PL 極端

KP えらい!!
岩肌の丁度自分の顔と同じ高さの辺りにひびが細かく入っており、小さな点々とした隙間が空いている。
続けて《アイデア》をどうぞ。

雑談

倉内衣織 あっ(察し)

メイン

倉内衣織 CCB<=60 アイデア (1D100<=60) > 13 > 成功

KP まるで面会室などによくある、声を通すための通声穴のように思えた。
そこまで考えるとまるで簡易的な懺悔室のように思えてくる。
一度そう思い始めると、もはやこの場所が教会の一室のようにしか見えない。

雑談

PL さては君PLのリアルアイデアとリンクしてるな?

KP あらあら リアルアイデアはどんどん採用していきましょうね

PL はぁい

KP (おもしろいのでの顔)

PL ひぇ……

メイン

倉内衣織 「先輩……これ、『懺悔室』ですよね……教会とかの」
「僕、なんだか見覚えが……あるんです」〆

卯憑 真白 「……でも、なんで急にこんなのが」

倉内衣織 「……仮に、どちらかが『私』で、どちらかが『松本』なら」
「……僕が『松本』にならって、罪を告白しようとしたから、なのかもしれません」

卯憑 真白 「…………。……きみは、それをするとして……それなら、僕はそれを聞く立場になるのかな」
「…………だとしたら、僕はきみのしたいことに沿いたいと思うよ」

倉内衣織 「ありがとう、ございます」
「……ねぇ。先輩。真白先輩。僕は貴方を傷つけました。縛り、閉じ込め、独占しようとしました。それは何か悪いものの悪戯だったかもしれませんが……それでも間違いなく、僕の心根にあった欲望そのものでした」
「誓って言えることは、それは、悪意などではない……と、言う事です。けど、それで貴方の手足を奪ったのも、事実です。到底、許されることではありません」

雑談

KP にこ……にこ………にこ…………

メイン

倉内衣織 「仮に、本当に罪が許される時が来るのなら、それはこの先ずっと貴方のために生きて、貴方と添い遂げられた時だと思っています。でもそれは、反省や償いではなく」
「…………好きです、愛しています。真白先輩」
「すみません、話が、逸れました。……これが僕の罪です。あなたを傷つけたこと。もしも許されなかったとしても、僕は罪を抱えて生きていきます」

雑談

KP んんんんんんnnnnnnnnnnnnnnnnn
んぐう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
好きだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

メイン

倉内衣織 「罪は消えません。罪は引き摺って生きていく。貴方が好きだから。それが僕の思う贖罪です」〆

雑談

PLもそう思います  

KPは満足して昇天しました次代に引き継ぎます  

メイン

卯憑 真白 「………僕は聖職者ではないし、きみの罪に対し『赦す』と軽率に言える立場ではない。でも、聞くことはできる」
「……そうだな。………僕も、罪を告白したいんだ。聞いてくれるかな」

倉内衣織 「…………はい。聴きます。ちゃんと聴いています」

卯憑 真白 「ありがとう。……」
「………きみは、あれからずっと、僕の傍に居てくれてるよね」
「起きた出来事は覆らない。君のしたことは消えないし、僕の手足は……きっと、戻っていないんだ。だってこれは、僕の見ている夢だから」
「…………僕は、きみの『罪』に寄りかかり、甘えている。きみが僕に対して感じている責任を、いいように扱って……きみの、人生を食いつぶしている」
「……被害者であることを盾にしているんだ。はは、醜いだろう?」
「………これを告白したとして、荷を下ろした気になれるのはきっと僕だけだ。きみのその、優しさにつけ込んで……これからも、きみの行為を貪って生きるんだ。きっと」

雑談

PL ソンナコトナイヨ…ソンナコトナインダヨ……

メイン

卯憑 真白 「………どちらが”悪意”なのだろう。僕は、あの出来事がね……おきてよかったとさえ、思っている」
「きっかけだったんだ。ひとつの。………」
「…………ごめんね。ありがとう、聞いてくれて」

倉内衣織 「……僕の方こそ、ありがとうございます。ようやく、ようやく先輩と、ちゃんと話が出来た。そんな気がしましたから」
「ありがとう、ございます……」

KP あなたは、あなたたちは、自身の罪を告白する。
ようやく、この異質な空間で自身の罪と向き合ったのだ。
ふと、どこからかカラリという軽妙な音が聞こえる。
そちらを見やれば、地面の端に光る何かが転がっているのが分かる。
よく目を凝らして見てみれば、それはペンのように見えた。

PL 手に取ってみてもいいですか?

KP あなたがそれを拾おうと手を伸ばした時だった。
懺悔室を模していたあの岩壁が突然うねり、一部分が突き上げるようにして猛然とあなたへと襲い掛かってくる。

卯憑 真白 「! いおり…!」

倉内衣織 「っ!?……せん」

KP 卯憑が注意を促すように叫んで、走り出す。あなたが理解することができたのは、そこまでだった。
まるで人の掌のような形をしたそれは、明確な意思を持っているかのような動きであなたを捕えようとする。

常軌を逸した状況に、SANc 0/1d4

倉内衣織 CCB<=72 SANチェック (1D100<=72) > 59 > 成功

PL 立ち向かえ強い子

KP ペンの方角へと視線を向けていたあなたは咄嗟に構えることが出来ず、すぐさまに対応することができなかった。
そんなあなたを卯憑は突き飛ばし、二人は縺れ込むようにして倒れる。

卯憑 真白 「っ……。 ねえ、だいじょうぶだった…!?」

倉内衣織 「は、はい!先輩は!?怪我は!?」

KP 卯憑は依然あなたを心配している様子だった。
様子をみるのであれば、<目星>ができます。

倉内衣織 では、目星を振ります
CCB<=61 目星 (1D100<=61) > 54 > 成功

KP 卯憑自身は全く気に留めていないようですが、右足の足首が溶け、中の骨が見えるほどの大火傷を負っています。
焼かれた瞬間に焦げて傷口が固まったのか、流血などはしていない。

SANc 0/1d2

倉内衣織 CCB<=72 SANチェック (1D100<=72) > 79 > 失敗
うぐっ……

KP ふふ 堪えてますね

倉内衣織 きゅっと唇を噛みます

KP では正気度喪失1d2をどうぞ…!

倉内衣織 1d2 (1D2) > 1
(  ‘ᾥ’ )

KP (´◉◞౪◟◉)

system [ 倉内衣織 ] SAN : 72 → 71

卯憑 真白 「怪我……痛いのはないから、だいじょうぶだよ」

倉内衣織 「……けれど、大怪我です。ごめんなさい、僕が鈍くて……」

卯憑 真白 「大怪我…? ……どこ?…自分じゃ、わからなくて」

倉内衣織 「…………そう、ですか。」
「きっと、大丈夫です。一緒に出る方法が、すぐに見つかります。見つけますから、ね」

卯憑 真白 「うん。……きっと、出られるよ」

KP 万年筆は、あなたの少し離れたところ。卯憑のうしろあたりに落ちているのが見えます。

倉内衣織 警戒しながら、万年筆に手を伸ばします

KP <目星>が振れます。

倉内衣織 では、振ります。
CCB<=61 目星 (1D100<=61) > 13 > 成功

KP 拾い上げると、ペン先の方が錆びれていることに気が付く。
あなたは壁面の文字を思い出し、それが「松本」が自害する際に使用したものなのではないかと思い至ってしまう。
SANc 0/1

倉内衣織 CCB<=71 SANチェック (1D100<=71) > 1 > 決定的成功/スペシャル

KP !?
クリチケをどうぞ!!!

PL もう何も怖くない

system [ 倉内衣織 ] クリチケ : 2 → 3

KP あなたが万年筆を持つと、それに熱さを感じ始める。まるで万年筆自体が発熱しているかのように熱い。
それと同時に、辺りには黒い煙が漂い始める。
周囲を見渡そうとしたあなたを遮る様に、あなたの脳内に記憶が流れ込んでくる。
——たなびくカーテンに従って、シルエットが浮かんでは消えていく。
燃えるような美しい夕日が地平線に飲み込まれようとしている。
日の暮れかけた埃っぽい教室で、向かい合うのは学生服の二人だ。少し口を開いて、見つめ合って、そして——。

雑談

PL 多分今の衣織くん、半分オリバーなのでは……

メイン

KP あなたは確信する。
この万年筆は「松本」が自害をする際に使用したものだ。この赤銅色の錆は彼の血液によるものだ。
理解すると同時に視界を、或いは瞼の裏側を覆っていた彼らの記憶は消え去って行った。
黒い煙も霧散し始めている。
万年筆は既に熱を失い始めていた。
しかしあなたには妙な緊張が訪れていた。早くなる鼓動と荒くなる呼吸。
 
息を吸って、吐いて。
 
無意識下で繰り返されるそれに、空気中に溶けていく黒い煙が呼吸の流れに従って揺らめいた。
あなたは確信を得る。
確信を得たと同時に、稲妻に貫かれたような情動が、自身の内側から溶け出す岩漿(がんしょう)のように溢れ出てきた。
 
“ この万年筆で人を傷つけたくて仕方がない ”
 
それはほかのどの感情でもない。
ひとが持ち合わせているごく有り触れた感情だ。
 
恣意的に名前をつけるのだとすれば、
 
——「悪意」。

情報

KP 〇探索者の悪意  PL共有情報

現在探索者は、『万年筆で人を傷つけたい』という「悪意」に蝕まれている状況である。

この状況下で、欲求に反するような行動(探索をし直す等)をしたい場合は《POW*5》に成功する必要がある。

失敗した場合はより強い情動に突き動かされる。
自分またはKPCを傷つけることをしなければ、他の行動は出来そうにない。

雑談

PL ああああああああぁぁぁ

情報

KP この状態に陥ってしまった探索者は、次に取る行動を以下の三つから選択する他ない。

・KPCを殺害する

・殺害しない / 何もしない

・自害する

雑談

KP ニコシ…

PL いかんですよこんなの!!!!!!!!!!!!!!!

メイン

倉内衣織 「あ、ぁ…………」

雑談

KP 悪意のシナリオなので!!!!!!!!!!!!!!
半分オリバーくんとなったいおりくん がんばってくれ…

メイン

倉内衣織 一先ず、落ち着け。落ち着けと自分の手首を握りしめます。(殺害しない/何もしない)

卯憑 真白 「……いおり、どうしたの?」
様子がすこしおかしいのを感じ取り、近寄ろうとする…

倉内衣織 「先輩。今は、少し……ごめんなさい」酷く異様なほど冷静に振舞おうとします

卯憑 真白 「でも、………」

KP あなたは何もしないことを決意した。
しかし、そんなあなたの決意を知ってか知らずか、残酷にも情動の波は押し寄せてくる。
《POW*3》

倉内衣織 CCB<=({16}*3)

PL  おっとぉ

KP CCB <={POW}*3
あるいは
CCB <=16*3
これでいけます…かね…!? (1D100) > 29
パラメーターが入ってないので16*3でいけるかも

倉内衣織 CCB<=16*3 (1D100<=48) > 6 > スペシャル

KP えら…!!!

PL この子すごいな!?

KP 成功 →
あなたは、内側からせり上がる化け物じみたそれを抑え込むことに成功した。
この後は自由に行動して良い。行動の度に発生する《POW*5》判定もなくてよい。

卯憑 真白 SCCB<=75 心理学 (1D100<=75) > 57 > 成功
「………きみは、………なにかを抑え込んでる?」

倉内衣織 「……はい。でも、もう大丈夫ですよ、先輩」
「こんな衝動、今更だ」

雑談

卯憑 真白 にこ……

倉内衣織 にこー

メイン

卯憑 真白 「………でも、すごく辛そうだ。…なんできみに、こんなに何度も…」

倉内衣織 「何故でしょうね……死神に気に入られてるのかも知れません」

雑談

KP あ~~~~~~~~~~っはっはっはっはっはっはっは
あっはっはっはっはっはっは

PLあっはっは     

メイン

卯憑 真白 「……ねえ、なにを持ってるの?」

倉内衣織 「これですか?万年筆です。そこに落ちていました……もし、宜しければ、必要な時まで持っていてくれませんか?万が一のことがありますから、僕が持っているのは、危険かも知れません」

卯憑 真白 「僕が……?」
SCCB<=85 アイデア (1D100<=85) > 4 > 決定的成功/スペシャル
あ……
クリチケあげるね

倉内衣織 わぁい

卯憑 真白 「万年筆………。……ああ、……そういう、ことか」
「………これは、きみが持っているべきかもしれない。ねえ、あの文章を思い出して」
「……僕に、痛覚がないのも。きっとそういうことだ」

倉内衣織 「…………そう、ですか。」
「そうか……」

卯憑 真白 「……これはね、僕の見ている夢だ。ずっとふわふわしていて、現実味もなくて。だから、……きっと、きみの危惧しているほど、負担はない」

倉内衣織 「それでも、傷つけたくないんです。
……すみません、これはわがままですよね。責任をもって、僕がお預かりします」
ポケットに深深と万年筆を突っ込みます

卯憑 真白 「……夢だとしたら、それを見ている当事者をどうにかしなきゃ……それは覚めないかもしれないじゃないか」
「僕は……きみに、こんな場所に永遠に居てほしいわけじゃない」

倉内衣織 「はい、けれどどちらが……生の縛りから解き放たれるべきか、まだ迷ってるんです。出来るなら」
「出来るなら僕は自害したい」
「それが戻る方法なのかも、しれないから」〆

卯憑 真白 「……きみには、痛みがあるんだろう。きみは僕よりきっと、ここを”現実”と認識している」
「…………聞いたことがあるんだ。たとえ夢の中であろうと、認識の深さによってはそこで死んだら…そのまま、現実でも死んでしまう、と」
「都市伝説や出鱈目かもしれないけど、僕は……。………仮にこれが夢だとして、覚めたときにきみがいないのは……心底、堪えるよ」

倉内衣織 「……お互い、死なせたくないから……これじゃあ押し問答ですね」
「わかりました」
「ではせめて、ひとつだけお願いがあります」

雑談

どうする気だかとてもハラハラする  

メイン

卯憑 真白 「………聞けるものなら、喜んで」

倉内衣織 「先輩……座って、足を出していただけませんか?」
「……『右足』を」

卯憑 真白 「………わかったよ」
体育座りみたいにして、右足を差し出そう。
痛みの自覚はないけれど、ここで自分の怪我に気付くだろうね。

倉内衣織 沈黙したまま、先輩の脛と、足の甲、それからつま先にキスをします。
「すみません、これはただの誓いです。絶対生きて出ましょうね。先輩」〆

雑談

KP ン゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛

PL お前にはこれがよく似合うよ倉内衣織

メイン

卯憑 真白 「………生きて、……」
「………”殺す”なんていうから、きっとそれがとても酷いことに聞こえるのかもね」
「…………倉内衣織。…ねえ、きみのその手で、僕を”救って”くれるかい」

雑談

PL ア゛゛゛ヅッッ

メイン

倉内衣織 「……はい、お任せ下さい」

雑談

KP PLの即死

メイン

倉内衣織 「貴方のための、僕ですから……」
「“救済”を、執行します」

雑談

KP ァ゜!!!!!!!!!!!

メイン

倉内衣織 ポケットから万年筆を取り出します。〆

雑談

PL KPの殉職……

メイン

KP 卯憑は敬虔な信者のように、両の手を胸の前で組み、上を向いて細い首を露にする。
あなたは、万年筆をその首に突き立てなければならないだろう。

倉内衣織 先輩の頬に手を添える。夢の中だとしても綺麗だなぁ。これが真っ赤になるのなら、もしかしたら白と赤ですごく映えるかもしれない。けれどそれ以上に、僕は
この人を救いたい。

雑談

吊死は免れないんですよ゛゛゛゛゛゛゛゛゛  

メイン

倉内衣織 万年筆を、大切な人の首筋に垂直にあてがって、こんなことが以前もあったような、既視感を覚える。ああでもその時は引き金を引かなかったっけ。今度は万年筆か……その方が、おじさんのすぐ側にいられるから……これも悪くないな。

「先輩、またね」

右の手に渾身の力を込めました。〆

KP あなたは持っていた万年筆を卯憑の首元へ突き立てる。
白く柔らかな皮膚はあっけなく破れ、命を湛えた赤い濁流があなたの手を、卯憑の髪を濡らしていく。
彼の身体を巡っていたそれは、冷えたあなたの手には熱いほどに感じられた。
あなたは、自らの手で一つの命を奪った。
温かかった体温が、脈打っていた鼓動が、ゆっくりと消えていくのが分かる。
もう二度と卯憑の閉ざされた瞼が開くことは無いだろう。
十二分に理解できた。何故なら、自分はそれを奪った当事者だからだ。
 
――それでも、どうにか。
 
生きて居たい。
ーー生きて欲しい。
 

雑談

PL ああああああああぁぁぁあああ

メイン

KP 罪の上に罪を塗り重ねることになっても、小さく救われない魂を救済しなくてはならない。
そうして積み重なった死の上に生きることこそが、自身に課せられた最大の罪であり、償いであるからだ。
血に塗れた手を胸にあてる。
あなたの鼓動は、一定のリズムを保って脈打っている。
自分は生きている。命を奪ったことでそれをより強く実感している。
そんなあなたの鼓動とは裏腹に、意識はゆっくりと暗闇へ溶け込んでいく。
まるで灯火が消えていくように視界が黒く染まって行く。
ああ、これであなたは―――
 
――救済、されたのだろうか。
 

雑談

PL ぅぁぁぁぁああ

メイン

KP  
 
はあ、はあ、…………はあ。
 
「、っは…」
 

雑談

PL うわぁ!!!!!!?!

メイン

KP 耳障りな激しい呼吸音が鼓膜を震わせた。
蠅の羽音のような不快感を煽るそれに頭がおかしくなりそうで、振り払うように上体を起こした。
あなたが目を覚ますと、そこは自室の寝具の上だった。
肌着が張り付くほどにべっとりと汗をかいている。
振り返れば、寝具にも自分のシルエットを描くように汗が染み込んでいる。
怖ろしい悪夢を見ていたようだった。しかし何も思い出せない。
思い出さない方が善いとでもいうかのように思考が記憶の扉を開けることを拒絶している。
ところで、あなたは卯憑と同室で寝ていますか?
それとも、寝室は別にありますか?

PL こいつ過保護なんで同室ですよ

倉内衣織 同室です

KP 了解しました。では、続きを。
「はあ、はあ、はあ」
やけに煩いその音の出所が自分の乾いた唇からだと理解して、漸く呼吸を落ち着けることが出来る。
口呼吸を繰り返していたからか、喉が乾燥しきっている。舌が痺れているようで声がうまく出ない。
あなたが意識を覚醒した後思わず見やった両の掌には、血の跡も何もついていない。
何故自身の掌を夢中で見つめたのか、その理由も分からないままに所以の無い安心感に包まれる。
隣を見やれば、卯憑がちいさくまるくなって寝ている。
その頬は青ざめ、寝汗が浮いている。今日はそんなに寝苦しい日だったのだろうか。

雑談

倉内衣織 やはりうさぎ……

メイン

KP 張り付いた髪の毛やじっとりとした湿気が気持ち悪い。
隣で寝ている彼を起こさないよう風呂に向かおうと思い至って、起き上がったあなたの視界に入るものがある。
――それは古びた万年筆だ。
酷く錆びており、汚らしい。筆記用具として機能することはないだろう。
あなたがその万年筆を見つめていると、どこかざわざわとした謂れのない不安感に包まれる。
ここで、あなたの日常に戻る前に、覚えのない万年筆を捨てるかどうか、選択することが出来る。

倉内衣織 捨てません。絶対に。

KP では、捨てないということで。

倉内衣織 はい。

KP あなたはどうしてか、それを捨てることが出来なかった。
どうしたいということもないが、捨てることは躊躇われた。
しかし視界に入れていれば矢張りざわざわとした、迷子になったかのような不安感に包まれてしまう。
あなたはそれから視線を外して、風呂へ向かう。
どうするか、それはまた後日考えよう。
考えることは何時だって出来るのだから。
 
あなたは風呂に入り、再度眠りにつくだろう。
今度こそ、悪夢を見ないように祈りながら。
あなたはそうやって、何かを奪って何かを忘れながら、日々を生きていくのだ。
 
――外では陽が昇り始めていた。
 

END- 『私悪』
 

KP ―悪意とは【 倉内衣織 】。
 
PC、KPC、ともに生還。
おつかれさまでした!

PL お疲れ様でしたぁぁぁぁいやぁ
うゎぁぁぁあ
楽しかったぁぁぁぁ

情報

KP 生還報酬

SAN 回復 1d3
罪を告白した 1d6
足を舐めた 1d3

メイン

PL 泣くかと思った

KP ふふ よかった~~~~~!!!!生還して頂けて…!!!!

PL いやほんと導いて頂いたようなものですから先輩に……本当にありがとうございました

情報

KP ■ AF「松本の万年筆」
薄汚く、筆記用具としての機能はない古びた万年筆。
触れているとざわざわとした謂れの無い不安感に駆られる。
所持している間、殺人を犯しても SAN 値の減少は確定で 1。
(シナリオに持ち込む際には各 KP に必ず確認を取る事)

メイン

KP 露骨な誘導をしてしまい申し訳ないと思いつつ救済してほしくて…

PL それは僕もそう……

KP 救済 ありがとうございます
最高でした……

情報

KP 【成長】
・セッション終了後、「成長判定」で技能値以上の数字が出たら成長。本編で成功した技能のみ行える。
・成長チャンスは、一技能につき1度のみ。STRなどの能力値は成長不可。
・成長で技能値が90を越えた場合、「技能を極めたという精神効果」により即座に2d6の正気度回復。

通常成功(初期値含) 1D10
クリティカル・ファンブル 1D10+5
1クリ出たら即時1D10

真相

KP 【 真相、背景或いは夢 】
わたしと松本という二人の人物がいた。そのように認識している。
詳細なプロフィールに関しては探索者の知る所ではない上、本シナリオには関係がないため一切を省く。彼等の本名も性別も何も本当の事は何も知らない。「わたし」と「松本」という名称も貴方の中で想像しやすいように置き換えられただけのものなのかもしれない。罪の意識を持つ探索者は「わたし」の強い感情に呼び寄せられるように、或いは別の所以あってか、「生きている悪夢」——サクサクルース(マレモンp173)の中に取り込まれる。この時点で探索者には正気度判定が発生しており、セッション内で出た目がどうであれ探索者は自身の正気を削られ、平常時とは程遠い状態へと陥る。
その為に貴方は「生きている悪夢」の中で生じる非現実的で冒涜的な出来事を、自分が理解のできる現象へと無意識に置き換えている。それは貴方の、藁半紙よりも希薄な——正気という糸を繋ぐための正しい防衛本能によるものだ。
その中で貴方は「わたし」が遺した「松本」との記録を発見する。貴方が以前のように人間らしい落ち着いた脈拍と呼吸を繰り返すことが出来るのは、その刻まれた二人の記録に触れている時だけだ。
悪夢の中で見つけることが出来たのはそれだけだ。
記録という情報を元手に、唯一出会うことの出来た人物と「生きている悪夢」から脱出しなければならない。貴方が脱出の為に何かを犠牲にしても、貴方が自分の罪と向き合おうとも逃げようとも、
それは何ら可笑しな話ではない。
貴方はどこまでも健全で、正しい。
それはごく有り触れた感情なのだから。

それでも、どうにか。
【 関連する神話生物、或いは夢 】
サクサクルース (マレモンp173)
アザトースの落とし子の一種。孤独な狂人が思いもよらない儀礼でこの神に敬意を表することがある。その「思いもよらない儀礼」の中にわたしと松本、そして探索者とKPCは巻き込まれている。

闇の魔人 (マレモンp224)
信奉者に憑依するニャルラトテップの化身。自分自身を生贄として捧げなくてはならないため、狂人のみが信仰するものとして知られている。松本が自害したのは彼に自分を捧げるためである。分岐によっては出現する闇の魔人は、元々松本だったものだ。

メイン

KP 真相タブを作成しましたので、裏側でなにが起きていたかはそちらをゆっくり確認いただくという形をば…

真相

KP ※注意 この情報はネタバレの範囲内です。
(この情報が流出してしまうと、他シナリオのネタバレに関わりますので絶対に流出させないようにしてください。KPは公の場(SNSやdiscordのサーバー含む)にこの情報を掲示しないでください。通過が決定したPLにだけ、通過者限定情報として公開してください)
(何を「罪」と感じるかは人それぞれなので、「〇〇(シナリオ名)のHO〇で通過しました!」という文言は載せて頂いても構いません。(CoCをやってると罪ばかり積み上げられていくので)しかし、ご自身で他シナリオの直接的なネタバレに繋がると感じる場合は控えて頂くようお願い申し上げます)
→ 新規探索者を作成する場合は、『こういった出来事が過去にあり、本人はそれに罪悪感を覚えている……』などの設定付けをするといいだろう。
【 注意事項 】
※KPCの立ち絵は絶対にスクリーンショットなどに登場させないこと。KPCが登場することを口外することも禁止。KPCに関する一切をネタバレの範囲内として扱う。KPCに関するロスト/生還報告も禁止。

メイン

PL ありがとうございます!確認致します!

真相

KP 【 私悪を用いた地獄のつくり方 】

ここに記載しているものは一例にしか過ぎない。探索者の経験してきた出来事や関係性によって大きく異なるだろう。このような間柄の二人を推奨する意図は一切ない。上記にも記した通り慎重に精査すること。このシナリオをプレイしたことで起きる一切の事象に対して制作者は関与しない。

例:知人同士だった場合
→ 探索者は自分の知人あるいは友人を助け出すことに尽力するかもしれない。KPC(KP 選出の探索者)がロストする(PC によって殺害される)場合はロスト扱いにならないが、探索者がロストする(自害する等)場合はロスト扱いになる。注意すること。

例:事件の被害者と加害者だった場合
→ PC が加害者、KPC が被害者だった場合、そして【罪を犯した自覚】がある場合、もう一度被害者である KPC に危害を加える(=殺害)ことになる。重々承知すること。

オススメ
知り合いの場合:知り合いを殺すのは苦しいけど、自分が生きて居たいからギリ人を殺す探索者他人の場合:全然知らない人同士だし、殺しちゃってもいっか!なサイコ探索者(RTA になるかも)

オススメしないけど絶対こういう人出てくる
恋人同士の場合:馬鹿野郎―ッ!! 松本、誰を連れて来てる!? ふざけるなああああっ!!

メイン

KP というわけで松本おまえ誰つれてきてんだお前ェーーーーーーーー!!!!なやつでした

PL 松本ガチの狂人ですやん
待ってルート分岐で出てくるの闇の魔人……?

闇の魔神 闇の魔神の用意もありました

PL ギャーーーーッ!!!!!

闇の魔神 こ の よ う に

PL こ わ い よ う

闇の魔神 登場時はこんな感じのアレになるところでした

PL うわうわうわうわうわ……
あっぶねえ、寝られなくなるところだったぜ

闇の魔神 ニコ……よかったねえ……

PL あ、やさしい

闇の魔神 自害を選ぶとぼくが出てくるところだった

PL えっ、あぶなっ

闇の魔神 戦闘なので……危なかった……

END- 『私悪』
 

闇の魔神 おっと 出ちゃった

PL 魔神のおもらし……

闇の魔神 ちょろ…

PL 自分で片付けてね……

KP というわけで 一通りの情報おもらしは済んだのでタイトル画面に…
今夜は本当にお疲れさまでした!

PL お疲れ様でしたぁ~!!
とっっっっても楽しかったし、エモエモのエモでええもん見せてもらいましたぁぁぁ!!!!
本当にありがとうございました!!

KP すggggggっごく人は選ぶけどにろさんならぜって~~~~~~~~~~~楽しめると思って……楽しんでいただけてよかった…!!!!!!!!

PL 熱い信頼が嬉しい

KP 序盤からヘキをうかがい知ることができたのが強み

PL 露呈してた癖……いやほんと浅瀬ちゃぷちゃぷですから……

KP このシナリオを楽しめたのなら十分深海です

PL ぶくぶくぶく……ありがとうございました……ボコボコ……

KP ふふ……
遅くまでお付き合いいただきありがとうございます!時間も時間なので、この辺で自由解散といたしましょうか
ログはのちのちお送りいたします…!

PL はい!了解致しました!
2日間、本当にありがとうございました!!

KP こちらこそ、かわいいをたくさん吸わせていただきました…!
よきおねむりライフを…

PL すやぁ……おやすみなさい……